『千歳くんはラムネ瓶のなか』キスシーンは何巻・何話?相手と場面を解説

夏の夕暮れ、背の高い男子高校生と小柄な女子高校生が向かい合う青春ライトノベル風の情景。夕日の光が二人の間を照らし、言葉にできない恋心と緊張感が漂う 未分類

『千歳くんはラムネ瓶のなか』のキスシーンは、原作2巻の七瀬悠月と4巻の青海陽が重要で、どちらも相手は主人公の千歳朔です。

悠月は朔の左頬に、陽は喉仏のあたりにキスをしています。アニメでは悠月のキスが第10話で描かれていますが、陽のキスについては原作4巻の終盤が確認できる場面です。

  1. 『千歳くんはラムネ瓶のなか』のキスシーンは何巻・何話?
    1. 原作4巻は2020年9月18日発売
    2. キスは原作の何話にあたる?
  2. 青海陽が千歳朔にキスするまで何があった?4巻の物語を解説
    1. バスケにすべてを懸ける青海陽の挫折
    2. 千歳朔が野球を辞めた本当の理由
    3. 青海陽はなぜ朔を叱ったのか?
    4. 今度は千歳朔が陽の弱音を受け止める
  3. 青海陽のキスシーンはどんな場面?喉仏と「残りの十センチ」の意味
    1. 野球部に戻った朔が見せた、本気の姿
    2. キスした場所は唇ではなく喉仏
    3. 「残りの十センチ」は恋の距離なのか?
    4. キスをしたからといって、二人が付き合ったわけではない
  4. 七瀬悠月のキスシーンは2巻!青海陽とは何が違う?
    1. 七瀬悠月は偽りの恋人関係から始まった
    2. 悠月がキスしたのは千歳朔の左頬
    3. 悠月と陽のキスには共通点がある
    4. 4巻の特典短編が示す、陽と悠月の恋の競争心
  5. 考察|青海陽のキスはなぜこれほど切ないのか?朔と陽の本当の距離
    1. 二人は互いを救ったのに、恋人にはなっていない
    2. 喉仏へのキスが示す、陽の強さと弱さ
    3. 陽が本当に欲しかったのは、朔の答えだけだったのか?
    4. 「太陽と月」はどちらがどちらを照らしているのか?
    5. 今後の恋愛で重要なのは、朔が誰を選ぶかだけではない
    6. まとめ|『チラムネ』のキスシーンは恋の結末ではなく、新しい始まり
  6. よくある質問
    1. 『千歳くんはラムネ瓶のなか』で青海陽がキスするのは何巻?
    2. 七瀬悠月のキスシーンはアニメ何話?
    3. 青海陽のキスは七瀬悠月への嫉妬が理由?
    4. 青海陽はキスをした後、千歳朔と付き合う?

『千歳くんはラムネ瓶のなか』のキスシーンは何巻・何話?

『千歳くんはラムネ瓶のなか』で、千歳朔へのキスが明確に描かれる重要な場面は、原作小説2巻の七瀬悠月と4巻の青海陽です。

とくに4巻の陽のキスは、恋愛感情だけでなく、二人が互いの挫折を乗り越えるまでの物語が積み重なった場面として印象に残ります。

まずは巻数と相手、キスをした場所を整理しましょう。

相手 原作巻数 キスをした場所 場面
七瀬悠月 2巻終盤 朔の左頬 偽りの恋人関係を経て、悠月が自分の気持ちを示す
青海陽 4巻終盤 朔の喉仏付近 バスケと野球を通じて互いを支え合った後、陽が想いを伝える

ここで注意したいのは、どちらも唇同士を重ねるキスではないことです。

そして、キスという行動だけで、朔とどちらかの交際が成立したわけでもありません。

僕は、この二つのキスがまったく違う意味を持っているところに、『チラムネ』という作品の面白さがあると思っています。

悠月のキスには、偽りの関係から抜け出して自分自身として向き合いたいという気持ちが感じられます。

一方、陽のキスには、ずっと憧れていた相手とようやく同じ場所に立てた喜びと、それでもまだ届ききらない恋心がある。

同じ主人公に向けられたキスなのに、込められた想いはこんなにも違うんですよね。

原作4巻は2020年9月18日発売

青海陽のキスが描かれる原作4巻は、裕夢先生によるライトノベルで、イラストはraemz先生が担当しています。

小学館の刊行情報では2020年9月18日発売、全424ページの文庫として案内されています。〖試し読みあり〗 – 小学館コミック

物語の中心は、バスケットボール部の新キャプテンになった陽と、かつて野球部を離れた朔です。

夏の暑さの中で二人が自分の挫折と向き合い、互いに背中を押していく展開が描かれます。

その物語を読み終えたところで訪れるのが、陽から朔へのキス。

つまり、4巻を最初から読んできた人にとって、最後のキスは突然の恋愛イベントではありません。

スポーツに全力を注いだ二人が、お互いの本当の姿を見つけた末の出来事なんです。

キスは原作の何話にあたる?

原作ライトノベルについては、青海陽のキスを探すなら4巻終盤が該当します。

ただし、今回確認できる資料では、キスの場面を厳密に何章の何ページと指定できるだけの情報はありません。

また、小説と漫画では巻数の対応も異なります。

スクウェア・エニックスから発売された漫画版4巻は、山崎健太の物語から偽りの恋人編へ進む内容であり、原作小説4巻の陽編とは別の範囲です。SQUARE ENIX

そのため、「4巻のキス」と聞いて漫画版4巻を探すと、目的の場面が見つからない可能性があります。

原作小説の4巻と漫画版の4巻を混同しないことが大切です。

なお、アニメ版では七瀬悠月の頬へのキスが第10話「悠な月」で描かれています。

青海陽のキスに対応するアニメの話数は、2026年10月17日時点の公式公開情報からは確定できません。

第2クールは2026年10月13日に放送が始まっており、今後の陽編の展開に注目したいところです。Sumipage+2


青海陽が千歳朔にキスするまで何があった?4巻の物語を解説

青海陽のキスを理解するうえで欠かせないのが、バスケットボールと野球の物語です。

この二つは、別々のスポーツの話に見えて、実はよく似た痛みを抱えた二人の物語でもあります。

バスケにすべてを懸ける青海陽の挫折

青海陽は、藤志高校の女子バスケットボール部に所属する、小柄で運動神経に優れた少女です。

インターハイ予選を終えた7月、新チームのキャプテンになった彼女は、仲間たちとさらに上を目指して練習に励みます。

ところが、陽には大きな壁がありました。

それが、自分より20センチ以上背の高い東堂舞という選手です。

陽はこれまで東堂に勝てず、今回も敗北を経験します。

いくら練習しても、いくら努力しても、生まれ持った身長の違いは埋められないのではないか。

そんな不安が、彼女の心を少しずつ侵食していきます。

僕がこの設定でつらいと感じるのは、陽が努力を嫌いになったわけではないことです。

むしろ、誰よりも努力を信じたいからこそ、努力では変えられないものを突きつけられるのが苦しい。

好きなことを諦める理由なんて欲しくないのに、現実が次々と理由を差し出してくる。

そんな陽に、千歳朔は自分自身で可能性を確かめるよう促します。

結果を決めつける前に、本当に自分が届かない人間なのか、挑戦して確かめるべきだという考え方です。

その言葉は、陽にとって心を動かされるものでした。

けれど、この時点では、朔自身も過去の傷から自由になれていませんでした。

千歳朔が野球を辞めた本当の理由

4巻では、それまで少しずつ示されてきた朔の野球にまつわる過去が明らかになります。

かつて野球に打ち込んでいた朔のもとへ、元チームメイトの江崎や平野が訪れ、野球部に戻ってきてほしいと頼むのです。

しかし、朔はその申し出を拒絶します。

彼が野球を離れた背景には、突出した能力を持つがゆえに周囲と歩調を合わせられなくなった過去がありました。

朔自身は本気で野球に向き合っていた。

けれど、その熱量を周囲と共有することができなかったんです。

誰かより優れていることが、そのまま幸せにつながるわけではない。

むしろ、自分だけが遠くまで走れてしまうからこそ、一緒に走りたい人たちとの距離が開いていく。

そんな孤独が、朔の過去にはあったのだと思います。

普段の彼は、周囲から頼られ、何でもそつなくこなす魅力的な主人公です。

だからこそ、その余裕の裏に隠れていた失望の深さが明らかになる場面は、かなり胸に迫るものがあります。

陽は、そんな朔の弱音を聞くことになります。

きっかけは、1巻で登場したブランコの賭けでした。

遠くまで飛べた方が相手の弱音を聞けるという、二人の間で交わされた約束。

いかにも青春らしい遊びが、ここで彼らの本心に触れる装置になるわけです。

そして、朔の過去を知った陽は、予想外の反応を見せます。

青海陽はなぜ朔を叱ったのか?

朔の事情を聞いた陽は、彼をただ慰めるのではありませんでした。

むしろ、誰よりも強く朔自身に怒りを向けたのです。

なぜ、あれほど大切だった野球を諦めてしまったのか。

周囲に理解されなかったからといって、自分の夢まで捨ててしまっていいのか。

そんな想いを、陽は真正面からぶつけます。

ここで明らかになるのが、陽にとって千歳朔がどんな存在だったのかという事実です。

かつて東堂に敗れ、自分の限界を感じていた陽は、野球をしている朔の姿に救われていました。

試合では負けていても、楽しそうにプレーする朔。

その姿を見て、陽は自分の持っているもので戦い続ければいいのだと感じたのです。

つまり、朔にとっては何気ない姿だったかもしれないものが、陽の人生を変えていた。

陽にとって、千歳朔は憧れのヒーローだったんですね。

そのヒーローが、実は自分の夢を諦めていた。

だからこそ、陽は悲しかったし、許せなかったのでしょう。

僕はここが4巻の大きな転換点だと思います。

陽の怒りは、相手を責めたいだけの感情ではありません。

あなたに救われた人間がここにいるのに、どうしてあなた自身があなたを諦めるのか。

その叫びだったのではないでしょうか。

※画像はAIによるイメージ

今度は千歳朔が陽の弱音を受け止める

一方で、陽自身もバスケットボール部のキャプテンとして苦しんでいました。

チームを本気にさせるため、誰よりも厳しい練習に向き合い、時には仲間から嫌われることも引き受けていたのです。

けれど、全員が同じ熱量でついてこられるわけではありません。

やがて仲間たちの不満が爆発し、陽は自分のやり方が間違っていたのではないかと追い詰められていきます。

仲間を強くしたい。

でも、そのために仲間を苦しめているのかもしれない。

本当は一緒に夢を追いかけたいだけなのに、その想いが伝わらない。

キャプテンとして気丈に振る舞っていた陽の内側には、そんな孤独が積み重なっていたのでしょう。

そこで朔は、かつてのブランコの賭けを持ち出します。

実は、二人の勝負は引き分けだったのです。

朔は今度、自分が陽の弱音を聞く番だと告げます。

この展開が、本当に美しい。

先ほどまで朔を叱っていた陽が、今度は朔の前で、自分の弱さをさらけ出せるようになる。

そして朔も、再び野球に向き合う決意を固めます。

二人は、相手を救うことで、自分自身も救われていたんです。

誰か一人が一方的に守るのではなく、互いの弱さを知っているからこそ、支え合える。

陽と朔の関係が特別に感じられる理由は、ここにあるのだと思います。


青海陽のキスシーンはどんな場面?喉仏と「残りの十センチ」の意味

4巻終盤、陽は千歳朔の喉仏のあたりにキスをします。

そして、自分の想いを朔に伝えます。

この場面で象徴的なのが、二人の身長差と、陽が口にする「残りの十センチ」という言葉です。

野球部に戻った朔が見せた、本気の姿

陽の言葉を受け止めた朔は、再び野球部へ戻ることを決意します。

そして迎えた試合。

朔はホームランを放ち、ホームベースに戻る際には、陽からもらったリストバンドを掲げます。

その視線の先にいるのは、陽です。

ここで僕がどうしても考えてしまうのは、朔が自分の活躍を真っ先に見せたかった相手が誰だったのか、ということです。

もちろん、彼は野球部の仲間とともに戦っています。

しかし、もう一度野球を始める勇気をくれた陽の存在が、彼の心に強く残っていたことも確かでしょう。

その後、試合は苦しい展開を迎えます。

相手に逆転を許し、仲間たちも敗北を受け入れかける中、朔は負傷しても諦めずにプレーを続けます。

何度倒れても、もう一度立ち上がろうとする。

やがて、その本気が周囲にも伝わり、負傷していた江崎も再び試合に加わります。

かつては一緒に戦うことができなかった仲間たちが、今度は朔の熱に応えていくのです。

そして、陽もまた、朔から受け取った想いを胸に自分のチームと向き合います。

東堂舞のいる相手チームとの試合では敗北するものの、陽と仲間たちの関係には確かな変化が生まれました。

勝敗だけでは測れない前進が、二人の夏にはあったんですね。

キスした場所は唇ではなく喉仏

そして物語の終盤、陽は朔にキスをします。

ただし、彼女が触れたのは唇ではありません。

身長差のある二人のうち、小柄な陽が背伸びをしても届いたのは、朔の喉仏付近でした。

ここで陽は、朔への愛情を言葉にしたうえで、残された十センチはいつか朔に埋めてもらうという想いを伝えます。

その言葉を読んだ時、僕は不思議なほど胸が苦しくなりました。

だって、陽はあれほど自分の力で夢を掴もうとしていた女の子なんです。

身長で負けていても、才能の差を感じても、自分の手で届くところまで進もうとしてきた。

そんな彼女が、恋愛では最後の距離を相手に託す。

これは、ただ可愛らしい告白として片づけてしまうには、あまりにも意味のある変化だと思うんです。

※画像はAIによるイメージ

「残りの十センチ」は恋の距離なのか?

表面的には、身長差を利用した甘い台詞に聞こえます。

けれど僕は、この十センチを、単なる物理的な距離として読むことができませんでした。

陽はバスケットボールで、届かない高さに苦しんできた少女です。

東堂舞との身長差は、努力だけでは簡単に埋められない現実を象徴していました。

一方、朔との十センチは、いつか埋められるかもしれない未来として語られます。

同じ高さの違いなのに、一方は彼女を苦しめ、もう一方は希望になっている。

この対比が、あまりにも鮮やかなんです。

そして、さらに重要なのは、陽が朔にその距離を埋めてほしいと伝えていること。

これまでの陽は、自分の力で限界を突破しようとする少女でした。

それなのに恋愛では、自分だけが頑張り続けるのではなく、相手から近づいてきてほしいと願っている。

つまり十センチは、二人の身長差であると同時に、陽が朔に求めた恋愛の答えでもある。

僕には、そう感じられます。

もちろん、作中でこの数字にそうした意味があると明言されているわけではありません。

ただ、4巻全体で身長というテーマが繰り返し扱われていることを考えると、二人の距離を高さで表現したことには、物語上の意味を読み取りたくなります。

キスをしたからといって、二人が付き合ったわけではない

ここで、もう一つ整理しておきたいことがあります。

陽は朔に自分の気持ちを伝えましたが、4巻の時点で朔が恋人として彼女を選んだわけではありません。

陽のキスは、二人の関係が恋人同士になったことを示すものではなく、陽自身が恋に向き合う覚悟を示した場面と考えるのが自然でしょう。

この違いは大きいと思います。

もし朔がその場で応えていたなら、二人の恋はひとつの結末を迎えていたかもしれません。

けれど、陽は答えを得られなくても、自分の想いを伝えました。

勝てる保証がなくても挑戦する。

それは彼女がバスケットボールで貫いてきた生き方そのものです。

恋愛になった途端に臆病になってしまうのではなく、恋に対しても自分らしく一歩踏み出した。

陽が4巻で見せた成長は、そこにあったのではないでしょうか。


七瀬悠月のキスシーンは2巻!青海陽とは何が違う?

青海陽のキスを語るなら、七瀬悠月のキスも外すことはできません。

なぜなら、二人はバスケットボール部で親しい関係にありながら、千歳朔に対してそれぞれ異なる想いを抱いているからです。

七瀬悠月は偽りの恋人関係から始まった

原作2巻は、七瀬悠月と千歳朔の偽装恋人関係を中心に展開します。

2019年10月18日に発売されたこの巻では、悠月が朔に恋人役を頼むことから、二人の関係が大きく動き始めます。〖試し読みあり〗 – 小学館コミック

悠月は、自分に付きまとう人物への対策として、学校でも目立つ存在である朔に協力を求めました。

最初の二人の関係は、本物の恋愛ではありません。

周囲には恋人同士として振る舞いながら、実際には互いの事情を理解したうえで協力している状態です。

ただ、そんな関係を続けるうちに、悠月は朔の内面に触れていきます。

また、朔も悠月が周囲に見せている姿だけではなく、その奥にある不安や弱さを知ることになります。

この二人は、どこか似ているんですよね。

どちらも他人から見られる自分を理解していて、求められる役割を演じることができる。

だからこそ、相手が表向きの姿を崩した時、その意味を深く理解できるのだと思います。

悠月がキスしたのは千歳朔の左頬

原作2巻終盤、悠月は朔の左頬にキスをします。

アニメでは、第10話「悠な月」の終盤にあたる場面です。

二人が偽りの恋人関係に区切りをつける中で、悠月は頬へのキスとともに、朔への特別な気持ちを示します。

ここで興味深いのは、恋人として振る舞っていた二人が、その役割から離れようとするタイミングでキスを交わすことです。

偽物の恋人ではなくなる。

でも、だからといって、相手への想いまで偽物になるわけではない。

むしろ、偽りの関係が終わるからこそ、本当の気持ちが見えてくる。

そんな逆説が、このキスには込められているように感じます。

僕は、悠月のキスには少し寂しさがあると思うんです。

近づくために演じていた役割を脱ぎ捨てなければ、本当の自分として相手に向き合えない。

その切なさが、頬への小さなキスに凝縮されているように思えます。

悠月と陽のキスには共通点がある

二人のキスを並べると、興味深い共通点が見えてきます。

どちらも、相手に自分の気持ちを伝えるための行動です。

そして、どちらも朔から恋人として選ばれたことを意味するものではありません。

けれど、その心理は少し異なります。

悠月は、誰かに求められる自分を演じることと、本当の自分らしさの間で揺れている少女です。

彼女のキスには、役割ではなく自分自身として相手に向き合いたいという願いが重なります。

一方、陽は、自分の力で限界を突破しようとする少女です。

彼女のキスには、自分から想いを伝えたうえで、今度は相手にも近づいてきてほしいという願いがある。

この対比が、とても面白い。

悠月は仮面を外そうとしている。

陽は、他人に頼ることを覚え始めている。

どちらも恋を通じて、それまでの自分にはできなかった選択に踏み出しているんです。

※画像はAIによるイメージ

4巻の特典短編が示す、陽と悠月の恋の競争心

さらに気になるのが、4巻のアニメイト特典として紹介されている短編の内容です。

2020年9月21日に公開された4巻の感想記事では、悠月と陽がバスケットボールで意地を張り合う場面が描かれ、その最後に悠月が自分はすでにキスをしたと陽に伝える展開が紹介されています。

この情報を踏まえると、陽が4巻の最後でキスをした理由には、悠月への対抗心もあったのではないかと考えたくなります。

もちろん、それだけが動機だったと断定することはできません。

陽は朔と過ごした時間の中で、自分自身の本気の想いを育ててきました。

ただ、親友が一歩先へ進んでいたと知った時、陽の中に焦りや悔しさが生まれても不思議ではないでしょう。

ここで僕が好きなのは、悠月と陽が単純な敵同士ではないことです。

互いの実力を認め、同じ競技で切磋琢磨してきた二人。

その関係が、恋愛でも競い合う形に変わっていく。

でも、相手を蹴落とすことだけが目的ではありません。

相手が前に進む姿を見て、自分も一歩踏み出す。

バスケットボールで培われた関係が、そのまま恋愛にも反映されているように感じられます。


考察|青海陽のキスはなぜこれほど切ないのか?朔と陽の本当の距離

ここからは僕自身の考察になります。

4巻のキスシーンを読み解くうえで、僕がとくに重要だと感じるのは、陽と朔が互いに相手のヒーローだったという構造です。

そして、その関係が恋愛に変わった瞬間、二人の間に新しい距離が生まれてしまったことです。

二人は互いを救ったのに、恋人にはなっていない

綺麗な青春の物語に見えますが、僕は4巻を単純な成功物語だとは思えません。

確かに、陽は朔を野球へ戻しました。

朔も陽を支え、彼女が再び仲間と向き合えるように背中を押しました。

二人とも、自分の大切なものを諦めずに進む道を選んだのです。

けれど、恋愛だけは違います。

陽は朔への想いを伝えても、その場で答えを得ることができませんでした。

お互いの人生を変えるほど大きな存在になったのに、それが恋人になる理由にはならない。

この残酷なほど現実的な距離感が、『チラムネ』らしいと思うんです。

誰かにとってのヒーローになることと、その人の恋人になることは、同じではありません。

朔は陽を救った。

でも、陽が望む形で応えてくれるかどうかは別の話です。

陽自身も、そのことをどこかで理解していたのかもしれません。

だからこそ、キスをしてもすべての距離を埋めようとはしなかった。

残りの十センチを、未来に残したのではないでしょうか。

喉仏へのキスが示す、陽の強さと弱さ

僕がこの場面で忘れられないのは、キスが届いた場所です。

陽は背伸びをしても、朔の唇までは届かなかった。

もちろん、これは二人の身長差を生かした場面でもあります。

けれど、ここまでの陽の物語を知っていると、その事実が別の意味を帯びて見えてきます。

届きたい場所に、届かない。

これは、彼女がずっとバスケットボールで経験してきたことです。

東堂舞との身長差を前に、自分の努力が通用しないのではないかと苦しんだ陽。

それでも彼女は、自分の持っているもので戦い続けることを選びました。

恋愛でも同じです。

背の低さを理由に諦めることはしない。

自分が届くところまで、精いっぱい近づく。

でも、最後の距離は相手にも近づいてきてほしい。

……ここが、もう、たまらなく切ないんですよね。

あれほど強い女の子が、最後の一歩を相手に委ねている。

自分だけでは恋愛は完成しないと、彼女は受け入れたのでしょう。

僕はそれを、弱さというよりも、誰かと本当の意味で向き合おうとする強さだと感じます。

陽が本当に欲しかったのは、朔の答えだけだったのか?

ここで、もう少し踏み込んで考えてみたいんです。

陽は朔に恋をしています。

それは、4巻のキスと告白から明確に読み取れます。

けれど彼女が求めていたのは、単に好きな人から好意を返してもらうことだけだったのでしょうか。

僕には、そうは思えません。

陽はかつて朔の野球をする姿に救われました。

しかし、その朔自身は野球を諦めていた。

もし、朔がそのまま過去から逃げ続けていたら、陽にとってのヒーローはどうなっていたのでしょう。

もちろん、過去に救われたという事実が消えるわけではありません。

けれど、憧れた相手が自分自身の可能性を否定している姿を見るのは、きっと苦しかったはずです。

陽が朔を叱った時、そこには恋愛感情だけでは説明できない切実さがありました。

あなたに救われた私が、今度はあなたを救いたい。

あなたが私に見せてくれた可能性を、あなた自身にも信じてほしい。

そんな想いがあったのではないでしょうか。

そして朔は、もう一度野球に戻りました。

陽が憧れていたヒーローは、彼女の言葉によって再び立ち上がったのです。

つまり、陽の恋には、好きな人を自分だけのものにしたいという願い以上に、好きな人が自分らしく生きていてほしいという願いが重なっている。

僕はそこに、陽の愛情の深さを感じます。

ただ、この愛情は少し危うくもあります。

相手を救うことが自分の喜びになりすぎると、相手から選ばれなかった時、その気持ちをどう受け止めればいいのかわからなくなるかもしれません。

それでも陽は、想いを隠すのではなく、真正面から伝えました。

自分が相手を救ったからといって、相手が自分を選ぶとは限らない。

その不確かさを引き受けてこそ、あのキスには意味があったのだと僕は思います。

「太陽と月」はどちらがどちらを照らしているのか?

青海陽という名前から、彼女を太陽のような存在として読むことは自然でしょう。

実際、彼女は周囲に熱を与え、人の心を動かす人物です。

一方、千歳朔もまた、陽の人生を照らした存在でした。

ここで面白いのは、二人のどちらか一方だけが光を与えているわけではないことです。

以前は、朔が陽を照らした。

4巻では、陽が朔を照らした。

そして再び立ち上がった朔が、今度は野球部の仲間たちへ熱を伝えていく。

このように考えると、4巻全体は、人から人へ伝わる情熱を描いた物語だったとも言えます。

僕は、この構造こそがキスシーンを美しくしているのだと思います。

恋に落ちたから相手を好きになったのではなく、その人の生き方に救われ、自分も相手を救いたいと願うようになった。

そうして重ねられた時間の最後に、恋愛感情が形になる。

しかも、そのキスは相手の唇には届かない。

……どこまで切なくすれば気が済むんだろう。

これだけ深く関わり合ってきた二人だからこそ、最後の距離の意味が重く感じられます。

今後の恋愛で重要なのは、朔が誰を選ぶかだけではない

では、青海陽は最終的に千歳朔と結ばれるのでしょうか。

少なくとも4巻のキスだけを根拠に、陽が選ばれると結論づけることはできません。

原作5巻では柊夕湖が朔に告白しますが、朔はその気持ちに応えませんでした。

さらに後の巻では、内田優空や七瀬悠月など、ほかのヒロインたちも朔との関係を深めていきます。

8巻では悠月が自分の気持ちと向き合う中で、大胆な行動に出る展開も描かれています。

こうした流れを見ると、『チラムネ』の恋愛は、キスや告白を重ねた順番で結末が決まるものではないとわかります。

僕が今後の物語で注目したいのは、朔自身がどのような自分として恋愛を選ぶのかという点です。

朔は、誰かを助ける時には驚くほど迷いがありません。

相手の弱さを受け止め、その人が本来の自分を取り戻すために行動できます。

しかし、恋愛で誰か一人を選ぶことは、誰かを救うのとは違います。

一人を選べば、ほかの誰かの気持ちには応えられないかもしれない。

誰にでも手を差し伸べることができる彼だからこそ、その選択は簡単ではないでしょう。

陽は、朔に残りの十センチを委ねました。

その距離を朔が埋める未来があるのか、それとも陽が別の形で自分の幸せを見つけるのか。

僕は、どちらの結末にも可能性があると思っています。

ただ、一つだけ願うことがあります。

陽が自分の恋を振り返った時、あの夏に勇気を出してキスをしたことを、後悔しないでいてほしい。

たとえ望んだ答えが得られなかったとしても、あの瞬間の彼女は、自分の気持ちから逃げずに向き合っていました。

それだけで、あのキスには確かな価値があるはずです。

どうか、陽が最後まで陽らしく笑っていられますように。

まとめ|『チラムネ』のキスシーンは恋の結末ではなく、新しい始まり

『千歳くんはラムネ瓶のなか』で押さえておきたいキスシーンは、原作2巻の七瀬悠月と4巻の青海陽です。

悠月は朔の左頬にキスし、陽は4巻終盤で朔の喉仏付近にキスをしました。

アニメでは悠月の場面が第10話にあたりますが、陽のキスが描かれるアニメの正確な話数は、2026年10月17日時点では確認できません。

そして、二人のキスを理解するうえで大切なのは、それぞれがどんな思いを抱えて、その瞬間に至ったのかということです。

悠月にとっては、偽りの関係を越え、自分自身として朔に向き合うための一歩。

陽にとっては、互いの挫折と本気を知ったうえで、自分の恋心を伝えるための一歩。

僕は、とくに陽のキスに込められた「残りの十センチ」という距離が忘れられません。

手を伸ばせば、いつか届くかもしれない。

でも、相手もまた自分に向かって歩いてくれなければ、本当の意味では届かない。

その不確かな未来を受け入れながら、自分の気持ちを伝えた陽の姿は、本当に美しいと思います。

『チラムネ』のキスシーンは、恋の勝者が決まる瞬間というよりも、それぞれのヒロインが自分の気持ちに正直になる瞬間なのかもしれません。

だからこそ、彼女たちの恋がこの先どう変わっていくのか、僕は最後まで見届けたいのです。


よくある質問

『千歳くんはラムネ瓶のなか』で青海陽がキスするのは何巻?

原作ライトノベル4巻の終盤です。

青海陽は千歳朔の喉仏付近にキスをし、自分の愛情を伝えています。ただし、この時点で二人が恋人同士になったわけではありません。

七瀬悠月のキスシーンはアニメ何話?

アニメ第10話「悠な月」です。

悠月は千歳朔の左頬にキスをします。原作小説では2巻終盤にあたり、偽りの恋人関係を経て二人の関係が変化する重要な場面です。

青海陽のキスは七瀬悠月への嫉妬が理由?

嫉妬や対抗心が影響した可能性はありますが、それだけが理由とは断定できません。

4巻の特典短編では、悠月が自分もキスをしたことを陽に伝える場面が紹介されています。一方、本編では陽と朔が互いの挫折を支え合う過程が丁寧に描かれており、キスは陽自身が育ててきた恋心の表現と考えられます。

青海陽はキスをした後、千歳朔と付き合う?

原作4巻の時点では、交際は成立していません。

陽は自分の想いを伝えますが、朔はその場で恋人としての答えを出していません。キスは二人の関係にとって大きな出来事ですが、恋愛の結末そのものではありません。

相沢 透(あいざわ・とおる)

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