氷の城壁の体育祭は何話?こゆんの見どころと体育祭エピソードを解説

体育祭のグラウンドで互いを意識しながら離れて立つ小雪と湊 未分類

『氷の城壁』の体育祭編は、原作第61話から第63話、アニメ第13話「認識」で描かれます。

中心となるのは、こゆんこと氷川小雪が、雨宮湊への気持ちを初めて言葉にするまでの揺れです。にぎやかな体育祭の裏側で、彼女が守り続けてきた心の壁が、静かに、しかし決定的に動き始めます。

『氷の城壁』の体育祭は何話?原作とアニメの話数

『氷の城壁』の体育祭エピソードを最初から追う場合、原作漫画では第61話「体育祭1」から第63話「体育祭3」までを読むと流れをつかめます。

話数とタイトルは次の通りです。

  • 第61話「体育祭1」
  • 第62話「体育祭2」
  • 第63話「体育祭3」
  • TVアニメ第13話「認識」

少年ジャンプ+では、第61話から第63話がいずれも2023年12月18日付で公開されています。マーガレットの公式漫画配信サービス「リマコミ+」でも、第62話「体育祭2」と第63話「体育祭3」が掲載され、掲載ページには2024年6月25日の日付が記載されています。

一方、アニメでは第13話「認識」が体育祭当日の物語に当たります。原作のようにタイトルへ直接「体育祭」とは入っていないため、アニメだけを追っている人は見落としやすいかもしれません。

ただし、「認識」という題名は、このエピソードの本質を驚くほど正確に表しています。

誰かを好きだと伝える回というより、小雪が自分の中にすでに存在していた感情を、ようやく自分自身のものとして認識する回なのです。恋はここで突然始まったのではなく、名前を与えられないまま、ずっと彼女の内側にあったのでしょう。

なお、「こゆん」は氷川小雪を指して検索される呼び方です。本記事では分かりやすさのために使いますが、登場人物名として整理する際は「小雪」と表記します。


体育祭で何が起きた?第13話「認識」のあらすじ

アニメ第13話「認識」では、秋音から「桃香の応援してくれませんか?」と頼まれた小雪が、うまく説明できないもやもやを抱えます。

応援を頼まれたこと自体は、表面だけ見れば何気ないやり取りです。それでも小雪の胸には、すぐには片づけられない感情が残りました。その引っかかりが、彼女と湊の関係を見つめ直す入口になります。

体育祭当日、小雪と湊は互いを意識しすぎるあまり、普段どおりに接することができません。

近づきたいのに、近づけば胸の内まで見抜かれそうで怖い。離れれば離れたで、相手が何を考えているのか気になってしまう。二人の間に生まれたぎこちなさは、嫌い合っているからではなく、相手の存在が大きくなりすぎた結果でした。

そんな二人を見ていた日野陽太は、小雪に「何か隠してることない?」と尋ねます。

ここで重要なのは、陽太が小雪の感情を決めつけていないことです。答えを外側から与えるのではなく、小雪自身が胸の内を探し、言葉にするための余白を残しています。

そして小雪は、陽太に初めて自分の気持ちを打ち明けます。

……この「初めて」が、あまりにも重い。

小雪にとって本音を話すことは、単なる恋愛相談ではありません。他人との間に壁を築き、一人で過ごすことで自分を守ってきた彼女が、誰かに感情を預けるということです。体育祭は競技の勝敗以上に、小雪が孤独な安全圏から一歩だけ出る日になりました。

※画像はAIによるイメージ

こゆんこと小雪の見どころは「もやもや」を否定しなかったこと

体育祭編における小雪の最大の見どころは、湊への気持ちを即座に理解したことではありません。

むしろ逆です。自分でも扱い方が分からない「もやもや」を、なかったことにせず抱え続けた点にあります。

人と接することが苦手な小雪は、他人との間を壁で隔て、一人で過ごしてきました。感情を見せなければ誤解されにくく、期待しなければ傷つきにくい。彼女の壁は冷たさではなく、繊細な自分を守るために身につけた方法だったのでしょう。

しかし湊は、その壁の手前で引き返す人物ではありません。

距離を詰められるたび、小雪の平穏は乱されます。それでも完全には拒めない。煩わしいはずなのに目で追ってしまい、別の誰かが湊に関われば、自分の中に説明のつかない感情が生まれる。その矛盾が、体育祭という人の視線と熱気に満ちた場所で表面化します。

綺麗な恋の自覚に見えますが、僕はそれだけではないと思います。

小雪が認めようとしているのは、「湊が好きかもしれない」という気持ちだけではありません。誰かに心を動かされる自分は、もう以前のように完全な一人ではいられないという事実です。

好きになることは、幸せな感情だけを受け入れる行為ではありません。相手の言葉で浮かれ、沈み、自分では制御できないほど心を乱される可能性まで引き受けることです。

小雪にとって、それは壁の外へ出ることとほとんど同じだったのではないでしょうか。

怖いよね。ずっと一人で守ってきた心の内側へ、誰かがいつの間にか住み始めているなんて。

それでも小雪は、もやもやを切り捨てませんでした。分からないまま向き合ったからこそ、やがてその感情を陽太へ語ることができたのです。その小さな変化が、体育祭編をただの学校行事回では終わらせていません。


小雪と湊が体育祭でギクシャクした理由

公式の第13話紹介では、小雪と湊について「お互い意識しすぎてギクシャクする」と説明されています。

つまり、どちらか一方だけが気持ちを膨らませているわけではありません。二人の関係はすでに、何も知らなかった頃の距離へ簡単には戻れない段階に入っています。

湊はもともと、小雪に対して積極的に距離を縮めてきた人物です。ところが、相手を意識する気持ちが強くなるほど、いつもの距離の近さを自然に振る舞うことが難しくなります。

小雪もまた、湊を避ければ意識していることが伝わり、普通に接しようとすれば自分の気持ちが漏れてしまいそうです。

二人とも、何も言わずにいることで関係を守ろうとします。しかし、その沈黙こそが「何かが変わった」と相手へ知らせてしまう。これが体育祭当日のぎこちなさの正体なのでしょう。

ただの初々しいすれ違いに見えますが、その奥にはもっと切実な本音があります。

「好きだと言いたい」より先に、「この関係を失いたくない」が立っているのではないでしょうか。

言葉にすれば関係が進む可能性がある一方、今までの距離には戻れなくなるかもしれません。だから二人は近づきながら、決定的な一歩の直前で止まってしまう。そのためらいは、相手を軽く扱えないほど大事に思っている証でもあります。

公式あらすじは具体的な視線や手の動きまで説明していません。それでも、あえて選ばれた「ギクシャク」という言葉からは、会話の間や不自然な距離、言いかけて飲み込まれた言葉が想像できます。

ここで殺されている本音は、単純な告白ではありません。

本当は自分だけを見てほしい。ほかの誰かの隣ではなく、自分のそばにいてほしい。でも、そんな願いを口にすれば相手を縛るかもしれない――。その怖さまで含んだ執着が、二人の沈黙の中に閉じ込められているように感じます。

相手を想うからこそ、相手の自由を奪いかねない願いを飲み込む。優しさに見えるけれど、それは自分の心を削る選択でもあります。

もう、しんどすぎる。言えないほど大切で、言わないほど苦しくなるなんて。

※画像はAIによるイメージ

陽太の「何か隠してることない?」が重要な理由

体育祭編では、小雪と湊だけでなく、陽太の立ち位置も見逃せません。

陽太は二人のぎこちなさを見て、小雪に「何か隠してることない?」と問いかけます。大勢が集まり、競技や応援で落ち着かない体育祭の最中に、彼は表面的なにぎやかさではなく、小雪の内側の変化に気づきました。

この問いは、少し間違えれば小雪を追い詰める言葉になり得ます。

それでも小雪は、陽太に初めて気持ちを打ち明けました。これは、陽太が小雪にとって「答えを奪わずに聞いてくれる相手」になっていたからだと考えられます。

ただの優しい言葉に聞こえますが、陽太の問いには覚悟があります。

何かを聞けば、自分もその感情と無関係ではいられなくなるかもしれません。それでも彼は、見て見ぬふりをせず、小雪が抱えているものへ手を伸ばしました。

ここで陽太がしたのは、恋の答え合わせではありません。小雪が自分の本音を自分で認識するための、安全な場所をつくることです。

小雪は、自分の気持ちを直接湊へ告げる前に、陽太へ打ち明けます。この順番には意味があります。

本音は、いきなり一番届けたい相手へ差し出せるものではありません。否定されないと信じられる相手に一度受け止めてもらうことで、ようやく自分でも触れられる形になることがあります。

陽太の存在は、凍った感情を一気に溶かす炎ではありません。春になるまで消えずに残る、小さな灯りのようです。

自分が主役になろうとせず、相手が言葉を見つけるまで待つ。その静けさがあるから、小雪は初めて壁の内側を見せられたのでしょう。


体育祭エピソードは『氷の城壁』全体で何を意味する?

『氷の城壁』は、孤高の小雪、学年の人気者である安曇美姫、距離を詰める湊、のんびりと優しいバスケ部員の陽太という、少しずつこじれた四人の青春を描く作品です。

体育祭編では、この四人をつなぐ感情の矢印が、日常の会話よりもはっきり見えるようになります。

体育祭は、誰が誰を応援しているかが可視化される行事です。声援を送る相手、目で追う相手、隣にいたい相手が、人混みの中で否応なく浮かび上がります。

だからこそ、小雪のもやもやは隠しきれませんでした。

普段の教室なら席へ戻り、会話を切り上げれば、自分の感情からも一時的に逃げられます。しかし体育祭では、人が走り、応援し、互いの名前を呼びます。誰かを気にかける行為が当たり前に表へ出る空間だから、小雪も自分が誰を見ているのかごまかせなくなったのでしょう。

ここに、このエピソードならではの美しさがあります。

体育祭は一般的な青春作品では、活躍や勝利、仲間との団結を描く舞台になりがちです。ところが『氷の城壁』では、にぎやかな行事がむしろ「言えない気持ち」を浮かび上がらせます。

外側が騒がしいほど、二人の沈黙が聞こえてくる。

大勢が同じ競技を見ているのに、小雪と湊は互いの反応ばかりを気にしている。その視野の狭まり方こそ、恋を自覚する瞬間のリアルさではないでしょうか。

※画像はAIによるイメージ

体育祭編の見どころを考察|壁が壊れずに扉へ変わる瞬間

個人的には、体育祭編で小雪の「氷の城壁」が壊れたとは考えていません。

壁はまだ残っています。小雪は急に誰とでも打ち解けられるようになったわけではなく、湊にすべてを伝えられたわけでもありません。

ただ、その壁に初めて扉が生まれたのだと思います。

これまでの小雪は、相手が入ってこないように自分を閉ざしていました。体育祭では、自分の意思で陽太に気持ちを打ち明けます。それはほんのわずかな開口部でも、内側から鍵を開けたという点で決定的です。

綺麗な成長物語に見えますが、壁の外へ出た小雪を待つのは、幸福だけではないでしょう。

人を好きになれば、期待が生まれます。期待すれば、応えてもらえない痛みも生まれます。自分の感情を認めた瞬間から、小雪は以前より傷つきやすくなったともいえるのです。

それでも、傷つかない孤独へ戻るのではなく、誰かとつながる可能性を選び始める。

僕はそこに、小雪の強さを感じます。強さとは壁を必要としなくなることではなく、怖さを抱えたまま、信じたい相手のために扉を開けることなのかもしれません。

そして湊もまた、小雪の壁を力ずくで壊せばよいわけではありません。彼女が自分から開けられる瞬間を待ち、その小さな変化を見落とさないことが求められます。

二人の気持ちは、まだきれいな言葉だけでは結べません。

好きだから近づきたい。好きだから困らせたくない。好きだから、自分の重さを知られたくない。その矛盾を抱えたまま立ち尽くす姿が、どうしようもなく彼ららしい。

どうか、急がなくていいから、自分の本音を消さないでほしい。

壁があることを責めるのではなく、その向こう側から聞こえる小さな声を、いつか互いに受け取ってほしい。体育祭編を見終えたあとに残るのは、そんな祈りです。


まとめ|『氷の城壁』の体育祭は小雪が恋を認識する転換点

『氷の城壁』の体育祭は、原作第61話「体育祭1」から第63話「体育祭3」までに描かれています。アニメでは、第13話「認識」が体育祭当日の主要エピソードです。

秋音の言葉をきっかけにもやもやを抱えた小雪は、体育祭で湊と互いを意識し、ぎこちない状態になります。その変化に気づいた陽太から「何か隠してることない?」と問われ、小雪は初めて自分の気持ちを打ち明けました。

この回の核心は、告白や恋の決着ではありません。

自分の感情すら壁の内側へ閉じ込めてきた小雪が、その存在を認め、信頼できる相手へ言葉として差し出したことです。にぎやかな体育祭の歓声の裏で起きた、ごく静かな「解氷」の始まりでした。


よくある質問

『氷の城壁』の体育祭編は原作漫画の何話ですか?

体育祭編は、第61話「体育祭1」、第62話「体育祭2」、第63話「体育祭3」の全3話です。流れを最初から確認したい場合は、第61話から読むと分かりやすいでしょう。

アニメの体育祭は何話ですか?

体育祭当日の主要な出来事は、アニメ第13話「認識」で描かれます。小雪と湊が互いを意識してぎこちなくなり、小雪が陽太へ初めて自分の気持ちを打ち明ける回です。

体育祭編のこゆんの見どころは何ですか?

小雪が、湊に対するもやもやを否定せず、自分の気持ちとして認識し始める点です。陽太に本音を話せたことも、小雪が他人との間に築いてきた壁の変化を示す大切な出来事です。

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