「これ、ただの変身ヒロインものじゃないぞ──」と思わせる緻密な伏線と、音楽が物語の核をなす異色の世界観。『プリンセッション・オーケストラ』、今期のダークホース的存在です。
物語はすでに第7話まで進行し、3人の“歌姫”たちがそれぞれの葛藤と覚醒を経て、ついに本格的な合奏(オーケストラ)を奏で始めました。
本記事では、最新話までのストーリー展開をわかりやすく総まとめしつつ、作中に散りばめられた今後の重大な伏線や“仕掛け”を、構造的かつ感情的に解き明かしていきます。
「ネタバレあり」で『プリンセッション・オーケストラ』の魅力を余すことなく追体験したい方──物語の“深層”まで一緒に潜っていきましょう。
『プリンセッション・オーケストラ』とは?基本情報と世界観まとめ
異世界アリスピアと「ミューチカラ」──音楽で戦う構造の意味
2025年春アニメの中でも、ひときわ異彩を放つオリジナル作品──それが『プリンセッション・オーケストラ』です。物語の舞台は、異世界「アリスピア」。幻想と現実が交差するこの地で、“歌の力”を武器に少女たちは戦います。歌うことで力を得る特殊能力「ミューチカラ(Musicara)」は、戦闘時の演出だけでなく、キャラクターたちの感情や心情までも描き出す装置として機能しているんです。
本作の最大の特徴は、「音楽×変身ヒロイン×異世界転移」というジャンル融合の妙。しかもそのどれもが、ただの設定にとどまらず、物語の構造そのものに深く結びついています。たとえば、少女たちは異世界アリスピアに迷い込み、そこで“プリンセス”に変身することでジャマオックと戦いますが、その変身はただのパワーアップではない。自分自身の感情と向き合い、声を出す(=歌う)ことで初めて力となる。つまり、「変身」とは内面の解放であり、「戦い」とは自己の証明なんです。
“戦いながら歌う”のではなく、“歌うことそのものが戦いになる”。この演出構造の反転は、序盤から強烈に印象づけられます。リップル、ジール、ミーティアといった各プリンセスの技には旋律やリズムの要素が内包されており、単なるバトルを“合奏”に昇華する美学が通底しています。
さらに、舞台となるアリスピア自体が“感情や音が具現化される”世界として描かれており、敵ジャマオックもまた、誰かの歪んだ想いが具現化した存在。この構造により、「戦うことで他者と心を通わせる」「歌うことで世界を癒す」といったモチーフが作品の根幹に自然に溶け込んでいます。
つまり、『プリンセッション・オーケストラ』という作品タイトルは、音楽的な語感だけでなく、“個の歌声が重なり合い、ひとつの調和へ至る物語”を体現したタイトルなんですね。1人1人の想いが旋律となり、ぶつかり、共鳴し、やがて“オーケストラ”を成す──そんな構造的メッセージが作品全体に息づいています。
この“音楽で戦う”というコンセプトは、物語的にも演出的にも見事な完成度を誇っています。音楽が単なるBGMでなく、キャラクターたちの武器であり、心であり、時に涙を誘う物語装置でもある。この異世界アリスピアで響くミューチカラの旋律は、視聴者の心にも深く残ることでしょう。
制作陣・キャラデザ・声優陣など作品の注目ポイント
『プリンセッション・オーケストラ』の総監督は、『D.C.II』『ようこそ実力至上主義の教室へ』で知られる大沼心。脚本を手がけるのは『這いよれ!ニャル子さん』の逢空万太。演出のテンポとセリフ回しの妙が心地よく、緩急のバランスが絶妙です。
キャラクターデザインはCUTEな中にも感情の機微をにじませる大塚舞。とくに変身後のデザインが秀逸で、リップル(みなも)のふわふわキラキラした白ドレスと、ジール(かがり)のゴシック調×軍服風、ミーティア(ながせ)のアイドル風という三者三様のビジュアルは、視覚的にもキャラの性格を物語っています。
声優陣にも要注目です。みなも役・青山吉能の“透明感×芯の強さ”のある演技、かがり役・高橋李依のツンデレ調から母性モードまで振れる表現力、ながせ役・首藤志奈のギャップ萌え全開ボイスが、それぞれのキャラ性を際立たせています。
また、変身バンクや戦闘シーンでは“ライブパートさながら”の音響演出が炸裂。楽曲提供にはTom-H@ckをはじめとした実力派作曲陣が参加し、単なるアニメソングではない“キャラの心情を描いた劇中歌”が多くのファンを惹きつけています。
そのうえで、ジャマオック側のキャストも名演続き。ナビーユ役の竹達彩奈の「癒しと冷静の狭間」を突く芝居は、敵か味方かのミスリードを誘います。物語の伏線と演出が溶け合い、毎話“語りたくなる余白”を残してくれるのが本作の魅力ですね。
制作陣・キャスト・音楽・ビジュアル──すべてが“語りたくなるレベル”で丁寧につくられている。それが『プリンセッション・オーケストラ』。観るたびに発見が増えるのは、この作品がただのヒロインアニメではない証拠です。
【ネタバレあり】最新第7話までの全話ストーリー展開まとめ
第1話〜第3話:リップルとジールの覚醒、チームの始まり
物語の幕開けは、主人公・空野みなもが中学2年生として送る、何気ない日常から始まります。親友のなつとともに路上ライブに励んでいた彼女は、突如現れた異形の怪物“ジャマオック”に襲われ、ナビーユと名乗る謎の存在に導かれながら、“プリンセス・リップル”として覚醒。これが『プリンセッション・オーケストラ』の第1話。
リップルは歌うことで力を発動する“ミューチカラ”の資質を持ち、戦闘と同時に音楽の波を世界に響かせます。その後、第2話ではもう一人の少女・かがりが登場。感情を抑えがちな優等生キャラの彼女も、仲間を守るために“プリンセス・ジール”として目覚めます。ツンとした強がりの裏に、人一倍の責任感と不器用な優しさが見え隠れする名シーン。
第3話では、この2人がはじめて共闘し、リズムが噛み合わない中で協力の難しさを感じながらも、ラストで“合奏”の兆しが見える瞬間が訪れます。ここから本格的に「チームとしての物語」が始動し、ただの個人の変身ヒロインではなく、“音を重ねる”物語構造が動き出すわけです。
この序盤三話、特に注目すべきは“歌=心の解放”というコンセプトが明確に示されている点。変身バンクの演出、技名に込められた歌詞的センス、それぞれのキャラソングに感情が染み込んでいて、ただの戦闘シーンが“音楽劇”に昇華されているのが素晴らしい。ここで一気に世界観に引き込まれました。
序盤で早くも、“音で戦う”という新ジャンルの骨組みがしっかりと確立され、視聴者に「これは他と違うぞ」という強い印象を刻み込んでくれます。リップルとジール、性格も声も違う2人がどう“和音”を奏でるのか…それが物語の核であると、早くも気づかされる展開です。
第4話〜第5話:ながせの登場とミーティアの誕生、バンド・スナッチとの邂逅
第4話では、明るくて人懐っこい中学1年生・ながせが新キャラとして登場。彼女は一見“ムードメーカー”的な軽い存在として描かれますが、実は内にコンプレックスを抱えており、周囲と自分の“実力差”や“期待の重圧”に苦しんでいる様子がにじみます。
しかし、終盤のシーン──自室で一人「プリンセス…」と呟くながせの表情に、筆者はグッと胸を掴まれました。ここからは物語の伏線が動き出します。ながせの本心とは何か?何に怯えているのか?“明るさ”の仮面の裏にある、彼女の深層心理が描かれていくんですね。
第5話でその答えが訪れます。仲間の想いを受け取り、ついに“プリンセス・ミーティア”として覚醒するながせ。覚醒の瞬間は、これまでで最も“個”としての決意が強く、彼女自身が「自分の音」を信じる決意が込められた熱い演出でした。三人の同時変身バンクがここで初披露され、視聴者のボルテージは一気に最高潮へ。
同時に、敵側の組織「バンド・スナッチ」の存在もちらりと登場。名前の通り、“音楽”に対する何らかの敵意や支配構造を持つ組織であることが示唆され、今後の“音楽vs音楽”の構図を予感させます。
この2話を通して、物語は“個の覚醒”から“チームの誕生”、そして“敵との関係性”という三層構造に移行。『プリンセッション・オーケストラ』がただの成長譚ではなく、音楽と感情をめぐる“思想戦”にもなっていく…そんな未来が見えてきました。
第6話〜第7話:絆と力の合奏、ジャマオック幹部との対決と進化
第6話では、3人のチームが“日常”と“戦い”のバランスを取り戻す回。カラオケ回や打ち上げ回といった明るいパートを通して、キャラ同士の距離がぐっと縮まりました。とくに、“歌っていないとミューチカラが蓄積されない”という設定が明かされ、音楽とエネルギーのリンクが物語の演出と構造の両面に深く関わっていることが判明します。
第7話では、いよいよ敵幹部級の“ルーク型ジャマオック”が登場。3人が各自の必殺技を同時発動して“合体技”を繰り出すという展開が炸裂し、作品タイトルの“オーケストラ”がここで初めて“音の力の集合体”として具体化されました。
この戦闘シーン、ただ力を合わせるのではなく、「旋律とビートが調和して技になる」という演出が秀逸で、まさに3人の感情が一曲になったかのようなクライマックス。まるでライブの最後の一音のような余韻が残ります。
さらに、「バンド・スナッチ」という名称がここで本格的に登場。今後、“ジャマオック”の構造や背後にいる首領の存在が鍵になると見られます。そして、ナビーユが3人を見守るような“保護者の目線”になってきているのも見逃せない変化。彼女自身もまた、ただの案内役では終わらない──そんな予感が胸をざわつかせます。
こうして最新第7話時点で、プリンセスたちは“ただ戦える”だけでなく、“響き合える”存在へと成長。音楽で戦い、音楽でつながり、音楽で癒す。その構造美が鮮やかに花開いた中盤の山場となりました。
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今後の伏線・謎ポイントを徹底整理
① ながせの“闇”と自己同一性の揺らぎ
ながせは、一見明るく快活なムードメーカー。ですが、彼女の言動の節々には“自信のなさ”と“空気を読む癖”が垣間見えます。第4話のラスト、1人きりの部屋でぽつりと「プリンセス…?」と呟くシーンには、視聴者の心を射抜く静けさがありました。
この独白は、ながせがプリンセスになることへの恐れや迷い、あるいは「自分には無理かもしれない」という根源的な疑念を抱えていることの表れです。明るい子ほど、孤独を抱えている──そんなキャラクター造形の奥行きがにじみます。
第5話で彼女はついに“プリンセス・ミーティア”として覚醒しますが、そのプロセスは他の2人とは異なり、周囲の期待と内なる不安のぶつかり合いから生まれたもの。「私にしかできない音って、なんだろう?」という問いが、彼女を一段と“人間味のある存在”にしています。
今後、ながせは“チームの一員”としてだけでなく、“自己の表現者”としてどう自分の旋律を見つけていくのか──その過程が『プリンセッション・オーケストラ』という作品の感情的な軸になる可能性があります。
ながせの“笑顔の裏にある闇”は、まだ語られていない過去や、敵側との関係性に繋がるかもしれない…そんな気配すら漂わせていて、物語後半でのキーパーソンとなる予感が濃厚です。
② 組織「バンド・スナッチ」とジャマオック幹部の正体
第5話〜第7話で断片的に登場し始めた、敵勢力「バンド・スナッチ」。彼らが率いるジャマオックたちは、“音”を操る異形の存在であり、戦闘の際にはまるで“演奏”を模した攻撃モーションを展開します。
バンド・スナッチという名前──これは明らかに「音楽(バンド)を奪う(スナッチ)」という語源が示す通り、“音の自由”や“自己表現”を脅かす存在です。これは、プリンセスたちが“歌によって自分を表す”存在であることと完全に対立する構造。
特に第7話では、ルーク型ジャマオックという幹部級の敵が登場。彼の戦闘スタイルは、まるで指揮者のような動きで“音を操る”ものでした。このことからも、幹部たちは何らかの“音楽的象徴”を体現していると考えられます。
「ジャマオックは誰かの歪んだ感情の具現」という設定がすでに明かされている以上、彼ら幹部もまた、何らかの人間的背景や過去を持っている可能性が高い。特に“音楽に裏切られた過去”などが匂わされる描写が出てきたら、それはこの構造を確信に変える一手になるでしょう。
今後の展開では、バンド・スナッチの首領格キャラクターの登場や、“なぜ彼らは音を奪おうとするのか”という根幹部分が語られるはず。この物語が“音楽で戦う少女たち”という表層の裏に、“音楽に奪われた存在”のドラマを仕込んでいることが、着実に明らかになってきました。
③ 鏡とナビーユ、アリスピアと人間界の関係
第6話終盤、ナビーユが“鏡越しに人間界へ通じようとする”描写が登場しました。これまで単なる案内人のように振る舞っていた彼女が、“境界を越えようとする意志”を見せたことで、世界観に新たな疑念が生まれます。
そもそもアリスピアはどこにあるのか?なぜ少女たちはそこに召喚されたのか?その疑問に対し、“鏡”は古今東西ファンタジーにおいて“異界への門”として象徴的な存在です。この演出が導入されたということは、『プリンセッション・オーケストラ』が単なる“異世界転移もの”ではなく、“往還可能な構造”を持つ世界観であることを示唆しています。
また、ナビーユの“見守る存在”から“越境者”へと変化する様子は、彼女自身にも何かしらの目的や過去があることを暗示します。彼女の立ち位置が今後どのように物語に絡むのか──そして、“戻れないはずの世界”への扉が開いたとき、どんな選択がプリンセスたちに待ち受けているのか。
この“鏡”の伏線は、キャラクターの心理と世界設定を繋ぐ要所であり、今後の“舞台転換”や“現実との邂逅”という大きな展開を予感させます。
④ “オーケストラ”というキーワードの真意
本作のタイトル『プリンセッション・オーケストラ』。その意味は、単なる“おしゃれな言葉”では終わりません。第7話で3人の必殺技が“同時発動”され、合奏のように敵を貫く演出がなされたことで、ついにこのキーワードが物語と演出にリンクし始めました。
「プリンセッション」とは、おそらく“プリンセス”と“セッション”を掛け合わせた造語。つまり“プリンセスたちの音楽的共演”。そして“オーケストラ”とは、彼女たちの力が調和し、世界を変える大合奏を象徴しています。
この作品は、個の力だけでは成立しない。リップルの清らかな旋律、ジールの重厚なハーモニー、ミーティアのリズミカルなグルーヴ──それぞれが“違う音”だからこそ、重ね合わさったときに“真の力”となる。そんな“差異の調和”を描くのがこの物語の核心。
だからこそ、今後登場するであろう“第4の旋律”や、“敵側の反オーケストラ的な演奏”がどのように物語を揺さぶるか──それが非常に楽しみです。最終的には、この“オーケストラ”がどんな楽曲になるのか。それがエンディングへの鍵を握っていることは間違いありません。
考察:物語構造と音楽演出の交差点を読む
変身×歌×戦闘=なぜこの形式が刺さるのか
『プリンセッション・オーケストラ』がここまで心を掴んで離さない理由──それは、ジャンル融合の妙にあります。変身ヒロイン、異世界ファンタジー、そして音楽。これらが単に“混ざっている”のではなく、構造的に“必然”として絡み合っているからなんです。
たとえば、変身。これは従来のヒロインアニメでもおなじみのモチーフですが、本作では“自己の声”を通じて力を得る=“歌うことで変身する”という一貫した論理があります。変身とは、自分自身を表現することであり、戦うこととは、“声”を、つまり“存在”を主張すること。ここが徹底されているからこそ、視聴者の胸を打つんですね。
さらに戦闘そのものが、楽曲構成に準じた演出で進行するのが斬新です。サビのように盛り上がるタイミングで技が炸裂し、イントロ的に静かに始まる変身パート、そしてBメロでの葛藤の描写──こうした“構成の譜面”が物語進行と完全にシンクロしている。
だからこの作品は、単なる“戦う女の子の物語”ではなく、“表現者たちの旋律の交差点”なんです。それぞれのキャラが、自分の感情や想いを歌に乗せ、それが“武器”にも“支え”にも“呪い”にもなる。この構造が、従来の変身ヒロイン作品と一線を画す所以だと思います。
結論として、“変身×歌×戦闘”は本作において、単なる記号の掛け算ではなく、少女たちが“何者かになる物語”を描くための強力な物語構造です。だからこそ、私たちは彼女たちの一挙手一投足に耳を澄まし、心を揺さぶられるんです。
視覚演出と音楽構成が伝えるキャラ心理の巧みさ
『プリンセッション・オーケストラ』のもう一つの大きな魅力は、“視覚と音”がキャラ心理を代弁する演出設計です。変身バンクや技発動時のカットインだけでなく、日常パートでも音楽と映像の“間”が絶妙なんですよね。
たとえば、リップル=みなもが初めて歌うシーン。視線を逸らしながらもマイクを握るカット、音が徐々にフェードインしていく演出──そのすべてが「怖いけど、でも歌いたい」という心の震えを映し出していました。
また、かがり=ジールの変身では、色調がややモノトーンに近づき、音のリバーブが深くなる。これは彼女の“距離を取ろうとする心”と“責任感の重さ”を視覚的・聴覚的に翻訳している。こうした細かな演出の積み重ねが、キャラを“説明抜きで理解させる”力になっているんです。
そしてながせ=ミーティア。彼女の明るさの裏にある“ひび割れ”は、声のトーンの揺れや歌詞の節回し、時折映る曇った表情で静かに表現されます。彼女が覚醒するシーンでは、あえて音楽のテンポがワンテンポ遅れ、その“間”が視聴者の胸を締めつける。歌詞、曲調、テンポ、効果音──すべてがキャラの“心そのもの”になっているんですよね。
このように、音楽と映像が“キャラのセリフを代弁する演出”として機能しているのが本作の真骨頂。視聴者は無意識に“感情の和音”を受け取り、だからこそ泣けて、熱くなって、共鳴してしまう。
『プリンセッション・オーケストラ』は、“視る”だけでなく“感じる”アニメ。その体験こそが、私たちが毎週この物語を追いかけてしまう理由なのだと、改めて強く感じます。
『プリンセッション・オーケストラ』はどこへ向かうのか?
新キャラ・新敵の登場予感と物語の“先”の兆し
第7話までの段階で、“三人のプリンセス”による戦闘力・チームワーク・音の調和は一応の完成を見ました。しかし、それと同時に浮かび上がるのは、まだ語られていない“その先”への気配。そう、物語はここから“第2章”に突入するのです。
第6話終盤で登場した“鏡の向こうからこちらを見ている少女”。あの一瞬の描写が、ここまでの全てを“序章”に変えてしまうほどのインパクトを持っていました。彼女は一体何者なのか?ナビーユとどういう関係があるのか?プリンセスになる存在なのか、それとも敵なのか──視聴者の予想を大きく揺さぶるキャラです。
また、「バンド・スナッチ」の幹部級ジャマオックは、ルーク型以外にも複数いることが示唆されています。クイーン型、キング型など、チェスの駒にちなんだ階級システムが導入されるなら、今後さらに強大かつ個性的な敵キャラが登場するはず。しかも彼らは“音楽的な象徴”を持っていると考えられるため、戦闘が“演奏会”のように構築される可能性も。
また、リップル・ジール・ミーティアの3人以外に、“もう一つのプリンセッション”が存在するという展開も予測されています。反対側の音、あるいは歪んだ調和──“対のオーケストラ”が登場することで、物語は“響き合い”から“ぶつかり合い”へとフェーズを変えていくことでしょう。
この作品の魅力は、“戦いのインフレ”ではなく、“感情のレイヤーの深まり”。つまり、新キャラ・新敵が登場するたびに、“音楽と心の関係”がより複雑で濃密になっていくんです。今後の展開では、技術的な成長だけでなく、彼女たちが“何を想い、何を歌うのか”がより問われていくはずです。
だからこそ──次のエピソードが待ちきれない。見えそうで見えない“未来の譜面”を、私たちは今、固唾を飲んでめくろうとしているんです。
タイトルが暗示する最終局面──“合奏”の完成とは何か
『プリンセッション・オーケストラ』というタイトルを、あなたはどう読み解いていますか?これは単に“変身ヒロインが歌う”アニメというだけでなく、“その歌がどこに向かっていくか”を示唆する伏線的なタイトルなんです。
“セッション”は即興的な共演、そして“オーケストラ”は構成された大合奏。つまり、即興と構成──バラバラな心と、ひとつの調和。この2つの概念が共存しているのが本作の凄みであり、最終的に彼女たちは“ただの共演者”から“真の指揮者”になることが期待されていると感じます。
三人のプリンセスが、誰かに導かれるのではなく、自分たちで曲を選び、自分たちでハーモニーをつくり、自分たちで未来を指揮する──そうなったとき、初めて“オーケストラ”が完成するのだと、私は思うんです。
これまでのエピソードでも、「音が合わない」「リズムがズレる」「自分の声が届かない」という描写が何度も出てきました。これらはすべて、“まだ完全ではない協奏”を象徴しています。だからこそ、彼女たちが完全なハーモニーを奏でた瞬間、それは物語の終わりではなく、“到達点”として涙腺を撃ち抜くはずです。
さらに、敵側の組織バンド・スナッチも“オーケストラ”を狙っている可能性があります。ただし、それは“支配された音”“単一の指揮”のもとに成り立つ“偽の調和”。それに対して、主人公たちのオーケストラは、“自由な音”“感情の違い”を許容しあう“本当の協奏”になる──そうした構図が今、静かに浮かび上がりつつあるんです。
つまりこのタイトルは、物語の始まりではなく、“着地点”を象徴している。『プリンセッション・オーケストラ』という言葉が、最終話でどんな意味を持つのか──それを思うだけで、鳥肌が立つような感動が待っている気がしてなりません。
『プリンセッション・オーケストラ』ネタバレまとめ&伏線解説:総括
ここまで、2025年春アニメの話題作『プリンセッション・オーケストラ』について、最新第7話までのストーリーをネタバレ込みで総まとめし、作品内に散りばめられた今後の伏線や構造的な“仕掛け”を徹底的に読み解いてきました。
変身×音楽×異世界という一見するとジャンルの“掛け算”に思える本作は、実はそのすべてが意味を持った“構造体”であり、特に「音楽で戦う」というモチーフは、キャラたちの心理・成長・葛藤までも翻訳する秀逸な演出装置として機能しています。
リップル(みなも)の透き通るような旋律、ジール(かがり)の鋭くも繊細なハーモニー、ミーティア(ながせ)のグルーヴィーな力強さ──三者三様の音が、時にぶつかり、時に重なり合いながら、ひとつの“楽曲”へと昇華していく過程。それはまさに“プリンセッション・オーケストラ”というタイトルそのものを体現しています。
そして同時に、“音を奪う者”として登場する敵組織バンド・スナッチ、“異世界と現実を繋ぐ鏡”の存在、“まだ名もなき新キャラ”たちの影──すでに物語は「次のステージ」へと向かって動き出しており、視聴者の期待は高まる一方です。
筆者としては、ここまで“演出・物語・演技・楽曲・世界観”すべてが有機的に絡み合う作品はなかなかお目にかかれないと感じています。ひとつひとつのシーンに意味があり、伏線があり、そしてなにより“感情”が込められている。だからこそ、観るたびに新たな発見があるし、考察が止まらない。
『プリンセッション・オーケストラ』は、単なる変身ヒロインアニメにとどまらず、“音で心を伝え合う”という普遍的なテーマを、構造的かつエモーショナルに描き出した傑作だと断言できます。今後の展開も、一音一音を噛み締めながら追いかけていきましょう。
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- 『プリンセッション・オーケストラ』は音楽と感情が物語を動かす異色の変身ヒロインアニメ
- 最新第7話までの展開では、3人のプリンセスの成長と“合奏”の始まりが描かれた
- ながせの内面や敵組織「バンド・スナッチ」など、伏線の数々が物語の深層に響く
- “歌う=戦う”という構造がキャラ心理と演出に絶妙にリンクしていて、没入感が段違い
- この作品が目指す“オーケストラ”とは何か──ラストに向けて、期待が高鳴るばかり
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