あの笑って泣ける“疑似ラブ喜劇”が、ここにきて本気で恋と友情をぶつけてきた──。
TVアニメ『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)』第9話は、榎本凛音の覚悟と、彼女の姉・紅葉の登場が物語の空気を一変させる大転機でした。
日葵・悠宇・凛音、それぞれの感情が交差し、そして試される中、“アクセ勝負”というロジカルな対決形式がまた秀逸で……気づけば画面を握りしめていました。
この記事では、9話で描かれた関係の変化、榎本凛音の感情の裏側、紅葉の介入によって浮かび上がる構造を、演出と台詞を通して徹底的に解き明かします。
榎本凛音が“変わる”瞬間──9話で描かれた心の転機
凛音の“嫉妬”と“尊敬”が交差する演出がすごい
第9話の『だんじょる』では、これまで静かに佇んでいた榎本凛音が、感情を表に出す“決断”をする姿が強烈に描かれました。物語の核心に近づくにつれて、彼女の眼差しや言葉、そしてちょっとした沈黙にすら、感情の波がうねるように流れ込んでくるのです。
特に印象的だったのは、日葵への眼差し。そこには単なる恋敵としての対抗心ではなく、「この子、本当にすごいな……」という無意識の尊敬と、それでも譲れない“好き”が混じったような、複雑な感情が宿っていました。嫉妬とも羨望ともとれる視線の重なりが、画面越しに痛いほど伝わってくるんです。
演出としても、凛音の表情は終始“見せすぎない”絶妙なさじ加減でコントロールされていて、アニメ的な大袈裟な動きではなく、リアルな空気の中で変化していく微細な感情が丁寧に拾われていました。筆者はあの視線ひとつで、彼女の“言えない想い”が全部伝わってきた気がして、思わず息を止めました。
この回の凛音は、もはや“サブヒロイン”の枠を超えてきたと思います。むしろ、彼女が主導する物語のフェーズに突入したような、そんな気配すら感じました。日葵と悠宇の関係に割って入る“構図”ではなく、自分の足で恋の舞台に立つ決意。それはたとえ勝ち目がなくても、自分の感情に嘘をつかない強さです。
恋ってこういうことなんだよな。相手に選ばれたいという願いだけじゃなく、自分自身がこの気持ちをどう扱いたいのか。それを“決断”しなきゃいけない瞬間がある。凛音はその決断を、自分の姉・紅葉を前にして下したんです。
「姉」の存在が凛音の感情をむき出しにした理由
そして、凛音の心を大きく揺さぶったのが──姉・紅葉の登場。9話の後半、空気がガラリと変わったのは間違いなくこの“異物”のせいでした。トップモデルとして圧倒的な存在感を放つ紅葉は、ただの家庭内キャラではなく、物語の構造そのものを揺るがす“第4のプレイヤー”として現れたわけです。
紅葉の登場によって、凛音の内面が一気に露わになっていきます。彼女の前では“妹”に戻ってしまう自分。だけど、恋では負けたくない。そんな葛藤がぐちゃぐちゃになって滲み出すような場面の数々に、筆者は何度も胸を締めつけられました。
特に、“アクセ勝負”という形で紅葉との対決を引き受ける凛音の決意。これは、単なる姉妹ゲンカでもなく、恋敵へのマウントでもない。凛音にとっては、ようやく自分の“好き”を正面から認めて、行動に移す第一歩だったと思うんです。それは同時に、日葵や悠宇と同じ土俵に立つ覚悟でもあった。
ここまでの凛音は、あくまで“日葵の親友”としての立場を保ちつつ、感情を抑えてきたキャラでした。でも第9話で、彼女は初めて“私の気持ちも見てほしい”と視線をこちらに向けてきた。まるで、観ている私たちにも問いかけているような、そんな目で。
恋は、ときに友情を壊す。だけど、壊さなければ始まらない恋もある。凛音の行動には、そのギリギリのラインに立つ勇気がありました。そして何より、彼女が「凛音」として物語の主役のひとりになったこと、それこそが第9話の最大の衝撃だったのではないでしょうか。
日葵と悠宇、すれ違いと“回避”の構図が切ない
悠宇が日葵を避けた本当の理由とは?
『だんじょる』第9話で描かれたのは、ただの恋愛ドラマではありません。むしろ、この作品らしい“理屈と感情が噛み合わない青春の痛み”が、夏目悠宇と犬塚日葵の間に生まれた“距離”として明確に浮き彫りになりました。
まず、物語の冒頭から悠宇が日葵を明らかに避けている描写が印象的でした。理由は語られないけれど、彼の不器用さ、あるいは自己防衛のようなものが行動ににじみ出ていた。日葵のほうはそれに気づきながらも、「どうしたの?」と聞けず、真木島にその感情をぶつける。言葉にしないから、余計に切ない──。
悠宇の“避け”は単なる逃げではなく、自分の中で整理がつかない感情から目を背けているようにも見えました。今までの彼は、“男女の友情は成立する”という建前に立って日葵と接してきた。でも、その“友情”に“好き”の予感が混じったとき、彼はどう振る舞っていいか分からなくなった。筆者にはそう映りました。
この展開が胸に刺さるのは、きっと多くの人が経験しているから。何かを壊したくなくて、何かに踏み出せなくて、でも気づかないふりももう限界で──。そういう“揺らぎ”が、悠宇の背中にずっと貼りついていて、彼がひとことも本音を語らないままストーリーが進んでいくことに、筆者は心がざわつきました。
お互いを好きかもしれない。でも、その言葉が出ない。友情という名前で守ってきたものが、壊れるかもしれない。9話は、そんな危うい綱渡りのような感情が描かれた回であり、悠宇の“沈黙”こそが、彼の恋心の証拠だったようにも思えます。
真木島という媒介が二人の距離を測る“物差し”に
そんな悠宇と日葵の関係性に、鋭く切り込んでくるのが──真木島という存在です。9話ではこの真木島が、ただの“いじられ役”から、一気に物語のバランサー的ポジションにシフトしてきました。言い方を変えれば、彼は“恋の客観視”を代行するキャラなんですよね。
日葵が悠宇の異変に気づいたとき、彼女は真っ先に真木島に相談する。この流れって、視聴者目線では「なんでそっち!?」とツッコミたくなる。でも、感情が動揺しているとき、人って案外、自分の気持ちをまっすぐ確かめるよりも“外側から状況を理解したくなる”生き物なんです。
真木島は日葵に対しても悠宇に対しても、中立的でありながら、少しだけ“気づいている顔”をしている。それがまた切ない。彼は、自分が蚊帳の外であることをどこかでわかっていて、それでも、あえて踏み込まずに支えている。このポジション、めちゃくちゃ重要です。
日葵と悠宇の“間”に立っているのは、たぶん真木島だけじゃない。視聴者である私たちも、この微妙な距離感にハラハラしながら、どっちにも肩入れしたくなる。そういうふうに、キャラクターたちの関係性が視聴者の感情にまで浸透してくるのが『だんじょる』の魅力なんだなと、改めて感じました。
悠宇は言葉にできないまま、日葵は行動に出られないまま、ただ“時間”だけが過ぎていく。このもどかしさこそが、青春の痛みであり、そして次の“告白”への溜めでもある。そんな予感をひしひしと感じさせる、絶妙な“間”の回でした。
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紅葉と咲良、異物としての“商談”が物語をかき乱す
紅葉という“攻略不能”なキャラの圧倒的リアリティ
第9話で突如登場した“姉・紅葉”の存在。それは、ただのキャラ追加ではありませんでした。彼女はまるで別の物語からワープしてきたような、“空気を変える存在”として、物語全体のテンポを乱し、同時に加速させていったのです。
紅葉は凛音の姉であり、トップモデルとしての実績を持つキャラクター。外見の美しさだけでなく、言動のひとつひとつが“社会的成功者”としてのリアリティに満ちていて、それが逆にこの青春群像劇の中で異様なまでの違和感を放っていた。筆者としては、あの違和感こそが演出の巧妙さだと確信しています。
というのも、紅葉はあまりにも“完成されすぎている”。言い換えれば、攻略不能。彼女のようなキャラが登場すると、作品内の全キャラが一瞬“雑魚に見える”リスクすらあるのですが、『だんじょる』はそこをちゃんと抑制している。紅葉の“目的”があくまで商談──つまり、ビジネスの文脈で悠宇に接触することで、恋愛関係の外にいながらも最大の攪乱要素になるよう設計されているんです。
彼女が持ち込む“咲良との商談”という形式もまた興味深い。咲良という美少女を連れてきて、悠宇にアクセ制作の案件を依頼する──この流れが、まさに“異文化衝突”を物語内で起こしている。友情だの恋愛だの、感情のぶつかり合いに慣れてきた視聴者に対して、いきなり「実利と契約」の話を突きつけてくる。このズレが面白すぎる。
それにしても、紅葉の語り口や振る舞いは終始“本物”でした。モデルとしての矜持、姉としての余裕、そして少しだけ見せる“妹への対抗心”。すべてが緻密に積み上げられていて、彼女の一挙手一投足が凛音の感情をあぶり出す“照射装置”のような役割を果たしていました。
アクセ勝負の裏にある“才能”と“私情”の戦い
そして、この回で最も刺激的だったのが“アクセサリー勝負”という形式です。これ、めちゃくちゃ面白い構造なんですよ。恋愛でも喧嘩でもなく、「作品で勝負しよう」とするこの展開は、まさに現代の青春群像劇にふさわしい“表現の戦場”です。
紅葉が提示するのは、プロとしての視点。一方、凛音にとってアクセ制作は“好きな人と繋がる手段”でもあり、“自分の感情を形にする表現”でもある。この勝負の裏には、明確な軸の違いがあります。才能 VS 私情。プロ VS アマ。そして、論理 VS 感情。
咲良という少女もまた、この勝負の舞台を支えるピースのひとつ。紅葉の“ビジネス武器”として配置された彼女ですが、感情的なウェーブが入ってくる余地がまだありそうで、この先の展開が読めません。視聴者としては、この“交渉ごっこ”の中にひそむ火種にドキドキが止まりませんでした。
面白いのは、この勝負がどちらに転んでも、視聴者が「どっちが正しい」と言いきれない構造になっていること。凛音が勝てば青春ドラマとしては王道だけど、それは紅葉のキャリアや咲良の純粋さを否定することにもなる。逆に紅葉が勝てば、現実は甘くないという“圧”が残る。つまり、どっちが勝っても苦い。
でも、だからこそ面白い。アクセサリーという小さな世界に、それぞれの価値観や信念、感情が詰め込まれていくこの構図。筆者はこの回を観ながら、「ああ、戦ってるな」と心から感じました。誰も傷つけたくない、でも譲れない。その戦いが始まってしまった──そんな覚悟の瞬間が、画面からこちらにも伝わってきました。
友情は成立する?“問い”がついに揺らぎ始める
恋愛感情を超える“好き”のかたちとは
『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)』というタイトルが持つ挑発的な問い。物語はこれまで、その問いを“遊び”としてくぐり抜けてきました。でも、第9話にしてついに、その問い自体が“リアルな感情”によってグラつきはじめる瞬間が訪れました。
特に感じたのは、登場人物たちが“恋”という一言では片付けられない感情を抱き始めているということ。日葵の中にあるのは、悠宇への恋心だけではなく、自分が彼にとって特別でありたいという存在欲。凛音にあるのは、親友としての立場を超えて、自分の“好き”を確かめにいくための焦燥。そして悠宇は、誰よりも友情という理屈にしがみつこうとしているけれど、それが通用しない瞬間が増えてきている。
この“好き”のかたちは、もはや単純な恋愛ではありません。むしろ、恋愛感情と友情感情の境界を問い直す、“関係性そのもの”の物語。だからこそ、視聴者の私たちもまた、自分自身の過去や体験と重ねてしまう。筆者自身、学生時代に「これは友情なのか、恋なのか」と曖昧な関係に心を擦り減らした記憶が、ふっと蘇りました。
友情は成立する? いや、しない? それとも、成立させるためには何かを犠牲にしなければならない? 物語はその答えを提示していないし、提示する気もない。けれど、キャラクターたちは明らかに“何かを壊す覚悟”をし始めているんです。
第9話はその一歩手前。嵐の前の静けさ。でもこの静けさには、恋愛や友情という言葉だけでは表せない、“人と人のつながりの本質”が潜んでいる。それが、観ていてたまらなく切なくて、美しい。
凛音が日葵に感じたものは友情か、恋か
そして、この問いを最も強く突きつけられたのが、榎本凛音です。親友であり、恋のライバルであり、自分の中でもっとも見たくない相手──それが日葵。9話では、凛音の中にあるその複雑な想いが、痛いほど露わになっていました。
特に印象的だったのは、凛音が日葵を「尊敬している」と自覚してしまう描写。これ、実は友情の文脈では語りきれない感情なんです。誰かを“すごい”と思って、その人のようになりたい。でも、同時にその人にはなれない自分を知っている。その“ねじれ”が、凛音の目線や声色に滲み出ていました。
筆者はこのとき、凛音が日葵に対して抱いているのは“恋愛感情の裏返し”なんじゃないかと感じました。つまり、日葵を通じて悠宇とつながっていたい、でもそれ以上に、日葵自身に惹かれている。その感情は、決して同性愛的な恋愛とは限らなくて、“自分が自分でいられないほど心を動かされる存在”という意味での“好き”だと思うんです。
友情と恋愛の違いって、一体なんなんだろう? この問いは、筆者が10代の頃からずっと考え続けてきたテーマでもあります。でも、答えはひとつじゃない。『だんじょる』がそれをこんなにリアルに描いてくれているからこそ、視聴者は毎週この作品に“心を投げて”しまう。
9話の凛音は、日葵を超えようとした。でも同時に、日葵ともう一度ちゃんと向き合いたいとも思っていたはず。それは、友情であり、恋愛であり、そして何より“対等な関係”を望む魂の声。友情が成立するかどうかではなく、成立させたいと願う心の強さこそが、彼女の最大の魅力なのだと感じました。
演出と構成から読み解く9話の巧妙な仕掛け
姉妹構図と“三角関係”の演出構造
『だんじょる』第9話を語るうえで外せないのが、演出面で仕込まれた“対比と緊張”の巧みさです。なかでも象徴的なのが、凛音と紅葉の姉妹構図と、日葵・凛音・悠宇の三角関係が絶妙にシンクロして配置されていたこと。この回は、ただのキャラの感情変化だけではなく、“構造そのもの”を使って心を揺らしてきたんです。
まず姉妹構図。紅葉が“完成された存在”として登場することで、凛音は自分の未熟さや“間に合わなさ”を痛感する。これは、日葵という存在と向き合う彼女の葛藤とまったく同じラインにあります。姉・紅葉と向き合うことで、彼女は日葵に対して感じていた“嫉妬と尊敬”を言語化できるようになる。つまり、紅葉=日葵のメタファーなんです。
一方で、悠宇を中心とした三角関係にも、緻密な配置がありました。日葵が“正面からぶつかる感情”で、凛音が“抑え込んできた感情”だとすれば、悠宇はそのどちらにも“無自覚で罪深い選択”をしてしまうキャラです。そのため、三角関係にありがちな“奪い合い”ではなく、“感情のズレと選択”が軸になっている。
この姉妹と三角関係、ふたつの構図を並行させることで、視聴者は自然と「誰の視点で観るか」によって感情の受け止め方が変わってくるようになる。筆者は9話を3回観ましたが、そのたびに共感するキャラが変わったんです。これは完全に演出と構成の妙。脚本だけでは出せない感情の揺らぎが、画面の構図、カメラの距離感、間の取り方で繊細に描かれていました。
この“誰も悪くないのに、苦しい”という感情の置き方。まさに今期屈指の演出設計と言っていいでしょう。視聴者に“感情の居場所”を与える構成って、本当にすごいんです。
セリフの“言外”にこそ、キャラの本音が潜む
さらに、セリフまわしの工夫にも注目したい。9話では誰も“本音”を語らない。むしろ、語らなかった言葉の“空白”が、各キャラの感情をくっきり浮かび上がらせていた。これ、脚本の八重森のずさんの手腕だと思うんですが、本当に言葉の“足りなさ”が見事でした。
たとえば、悠宇の沈黙。彼は一言も「日葵を避けてる」と言わない。でも視線と仕草、空間の取り方ですべてがわかってしまう。あるいは凛音の「…別に、なんでもないけど」的な曖昧な言葉にも、明確な“言いたくない理由”がある。それが行間にぎゅっと詰まっていて、観ているこちらがその“黙った想い”を想像してしまうんです。
この“言外”の演出は、視聴者の能動性を引き出す仕掛けでもあります。筆者としては、こういう語らない演出こそが、キャラのリアリティを立ち上げる最強の武器だと感じています。だって、人って本当に大事なことほど言えないでしょう? 恋してるときって特に。
さらに音楽の“抑え方”も上手い。大げさに盛り上げるBGMではなく、あえてセリフと間に寄り添う静かな音。感情が大きく波打つ瞬間ほど、音が引いていく。この逆説的な演出が、心を揺らすんですよ。ほんと、泣けるんです……言葉も音も、ここまで抑えてこんなに伝わるのかと。
だからこそ、9話は“読む”回だった。セリフを聞くのではなく、沈黙を読む。視線の先を追う。間の意図を感じ取る。それはまるで、登場人物たちの“心の読解問題”に挑むような体験でした。そして、観終わったときには、答えが出ないまま、なぜか心が熱くなっている──そんな稀有な回だったと思います。
『だんじょる』9話感想まとめ
『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)』第9話は、シリーズの中でも特に感情密度の高い回でした。登場人物たちの“言葉にならない想い”が交差し、視聴者である私たちもその交差点のど真ん中に立たされるような感覚になる──そんな濃密な26分間だったと思います。
榎本凛音の決断と変化、そして彼女の姉・紅葉という“強すぎる異物”の乱入。アクセサリー勝負という舞台設定は一見すれば青春ドラマのテンプレートにも思えますが、その裏側には“自分の気持ちをどう扱うか”という繊細なテーマが詰まっていました。
また、日葵と悠宇の関係もこの回で大きく揺れました。これまで築いてきた“友情という建前”が、ふとしたすれ違いで簡単に崩れそうになる。けれど、それでも大切にしたいから、言えない。近づけない。そんな不器用なふたりの距離感が、筆者にはどうしようもなく切なく、美しく見えました。
何よりも印象的だったのは、この作品が“問いを答えにしない”まま進んでいくこと。友情と恋愛の境界線を明確に引かず、その曖昧なゾーンで揺れる感情を描く。そこにこそ、この作品のリアリティがあると強く感じます。
9話は物語の中間地点ではなく、むしろ“再スタート”のような位置づけにすら思えました。凛音が変わり、日葵が迷い、悠宇が逃げる。そのすべてが、次の“決断”へとつながっていく。この先、どんな言葉が交わされるのか──想像するだけで、もう胸がいっぱいです。
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- 榎本凛音が“姉”紅葉の登場を受けて大きく変化し、物語の主導権を握り始めた
- 悠宇と日葵のすれ違いが切なく描かれ、視線や沈黙の演出が感情を深く掘り下げた
- “アクセ勝負”という構造が、才能と感情のぶつかり合いを象徴的に描き出した
- 友情と恋愛の境界があいまいに揺れ、視聴者自身にも問いを突きつけてくる構成が秀逸
- セリフの“言外”に込められた本音と、静かな演出が心の奥をじんわり揺らしてくる
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