男女の友情は成立する?（いや、しないっ!!）聖地巡礼ガイド｜延岡で“あのシーン”を体感！

「あの坂道の夕暮れ、どこかで見た気がする──」と思わず立ち止まる瞬間がある。

アニメ『だんじょる』（正式タイトル：『男女の友情は成立する？（いや、しないっ!!）』）が映した風景は、宮崎県・延岡市の街並みと重なり、まるで物語の中へ迷い込んだような感覚を呼び起こす。

この記事では、ファンが“リアルだんじょる”を味わうための聖地スポット、アクセス方法、モデルコースまで徹底的にガイドする。

ふとした街角に残る“あのセリフ”の余韻──。一緒に、物語の裏側を歩いてみませんか。

アニメ『だんじょる』とは？延岡が舞台となった理由

作品概要と「だんじょる」の魅力を改めて

『だんじょる』、正式名称『男女の友情は成立する？（いや、しないっ!!）』は、そのユニークなタイトルどおり、異性の友情をテーマに展開する青春ラブコメ作品です。男女の友情は成り立つのか──その問いに対して、登場人物たちが真っ直ぐでちょっと不器用な感情をぶつけ合いながら、関係性のグラデーションを描いていきます。

アニメ化によって、その心理戦のような日常と絶妙な間合いのセリフ回しが映像として映え、キャラクターの心の揺れを視覚的に感じられる点が魅力。特に、背景美術のリアリティと生活感が作品全体の没入感を底上げしています。

そしてこの“リアルな風景”こそが、延岡という街に結びついていく要素なんです。

アニメ内で描かれる学校の通学路、坂道、河川敷、工場地帯……それらは架空のようでいて、実際に存在する延岡の街と不思議なほどに重なります。物語の舞台設定としての説得力は、登場人物の心情とともに、視聴者の心にも静かに残っていくのです。

つまり『だんじょる』は、甘酸っぱい青春模様と“ちょっとリアルな風景”が手を取り合うことで、観る者の記憶に染み込むような作品へと昇華している──そう感じずにはいられません。

なぜ延岡？──舞台としてのリアルな風景の再現度

本作の舞台が延岡市であることは、単なる“風景の一致”以上に、作品の雰囲気づくりに深く関わっています。オープニングで映し出される広大な河川敷と工業地帯、鉄塔の立ち並ぶ空の下に続く坂道……その一つ一つが、実在の延岡とリンクしています。

特に印象的なのが、延岡市の愛宕山展望台から望む市街地と工業エリア。アニメの中で、キャラクターたちが見せる“遠くを見つめる表情”とこの眺望がぴったり重なることで、物語世界に奥行きが加わるんです。

また、作中に何度も登場する乳酸菌飲料「ヨーグルッペ」も、宮崎県発祥のリアルアイテム。こういったディテールの積み重ねが、視聴者の“これは本当にある街かもしれない”という没入感を加速させていきます。

制作サイドがロケハンを重ね、風景に宿る“空気感”を丹念に汲み取って描いていることが伝わってくる。観光地ではない“普通の街”が、物語の舞台としてこんなにも輝くなんて……。

そして、現地を訪れてみるとわかるんです。「あ、ここ、見たことある……！」って。アニメの中にいたはずのキャラクターたちが、すぐそばにいるような錯覚すら覚える。そこに広がるのは、“フィクションと現実の境界が溶け合う感覚”なんです。

『だんじょる』聖地スポット徹底ガイド

愛宕山展望台：あの夕暮れを眺める特等席

延岡市の中心部を一望できる「愛宕山展望台」は、『だんじょる』のオープニング映像でも印象的なカットとして登場するスポットです。高台から見渡す街並みとその向こうに広がる海、夕焼けに染まる空──作品内で描かれる“ちょっと切ない青春のひとこま”と重なり、まさに「ここだ」と感じる場所。

作中のセリフに込められた心の動きが、この景色の中で立体的に蘇ってくる。展望台に立ち、同じ角度で街を見下ろしてみると、キャラの視線と自分の視線が一瞬重なるんです。そのとき初めて、観るだけでは届かなかった“余韻”が、風景として身体に沁みてくる。

車で延岡駅から約20分。アクセスも良く、地元住民の憩いの場としても親しまれているこの展望台は、聖地巡礼初心者にもおすすめの“入り口”です。

「物語の続きを、自分の足で辿ってみたい」と思わせてくれる絶好のロケーション。心の中に残った“あの夕暮れ”が、そっと現実に重なってくる感覚をぜひ味わってみてください。

日豊本線の踏切＆鉄塔群：OP映像の“あの背景”

アニメ『だんじょる』のオープニングで登場する踏切や鉄塔群──その風景に、既視感を覚えた人も多いのではないでしょうか。南延岡駅周辺の日豊本線沿い、そして旭化成の工場群に繋がるエリアには、まさに“あの背景”とそっくりな風景が広がっています。

特に踏切越しに見える鉄塔と高架、そしてその向こうに広がる空。画面に映るその構図は、現地を歩くと「まんまじゃん……！」と驚くほど再現度が高い。アニメの背景美術としてのこだわりが、その場の空気感を見事に切り取っているんです。

作中では何気なく流れる日常の一コマとして描かれていますが、現地でその場所に立つと、見慣れた鉄塔や配管が“物語の記憶”を呼び起こす装置のように作用してくる。つまり、ただの風景じゃなくなる瞬間があるんですよね。

徒歩やバスでもアクセス可能ですが、巡礼をより深く楽しみたいならレンタサイクルもおすすめ。風景の中を移動しながら、「次のシーン」に思いを馳せる旅ができるのは、こうした聖地巡礼ならではの魅力です。

延岡工業地帯：リアルと物語の交差点

旭化成の煙突、配管、巨大なプラント群。延岡の工業地帯は、アニメではなかなか見かけない“リアルな生活の背景”として『だんじょる』に深みを与えています。この風景が描かれることで、物語の舞台が単なる理想郷ではなく、実際に息づく街として立ち上がってくる。

そのごつごつとした無骨さが逆に、キャラクターたちの繊細な心の動きを際立たせているようにも思える。無機質な鉄骨と感情のぶつかり合い──このコントラストが、視覚的にも作品の温度差をつくっているんです。

工業地帯は徒歩でのアクセスには向かないエリアもあるので、レンタカー移動がベスト。煙突の白煙や、鉄骨の影が落とす午後の風景……そんな一瞬一瞬に、「だんじょるらしさ」が宿っていると感じられます。

そして何より、現地を訪れることでわかるのは、“ここで暮らしている人たちの生活”が、物語のリアリティを支えているということ。アニメが描く青春は、決して特別な空間ではなく、この街の日常の延長線上にある──そんな実感が胸に残ります。

神田川本店と地元グルメ：作品に登場した“あの味”を追体験

延岡市内の回転寿司「神田川本店」は、作中で描かれた食事シーンのモデルとされる店舗のひとつ。キャラたちが“普通の会話”を交わす場所として登場するこの場面は、実際に足を運ぶことでより身近に感じられる瞬間です。

作中に登場する食の描写は、意外なほど丁寧でリアル。だからこそ、現地で同じものを味わうことで、物語と現実の接点が一層鮮明になります。

また、こうしたグルメスポットの訪問は、作品ファンにとって“キャラと一緒に時間を過ごす”ような体験になり得ます。どこかで「このテーブル席、あの場面じゃない？」なんて思わず声を上げたくなる。そんな余韻のある食事体験が待っています。

ヨーグルッペ：ご当地飲料がつなぐアニメと地元愛

そして忘れちゃいけないのが、「ヨーグルッペ」。この乳酸菌飲料は、宮崎県生まれのご当地アイテムであり、『だんじょる』作中でも幾度となくキャラたちが飲む姿が描かれています。

たかが飲み物、されど飲み物。作中で描かれる“何気ない日常”の象徴として、ヨーグルッペは作品の中で特別な存在感を放っているんです。

そして現地のコンビニや道の駅でそれを手に取ると、なぜかふっと笑ってしまう。「本当にあったんだ……」という実感と、キャラクターたちとの距離が一気に縮まる感覚。これはアニメの世界に没入した者だけが味わえる、特別な体験です。

こうした“小さなリアル”の積み重ねが、巡礼の旅をただの観光で終わらせない。『だんじょる』という作品が、現実と手を取り合いながら生きている──そう思えるひとときなんです。

1日で巡る！『だんじょる』聖地モデルコース

JR延岡駅からスタート：街の玄関口から物語が始まる

聖地巡礼の始まりは、やっぱりJR延岡駅から。地方都市の玄関口として、どこか懐かしさのある駅舎とその周辺の風景は、アニメの冒頭で描かれる“何気ない日常”の情景と重なります。

ここからスタートすると、まるで自分が『だんじょる』のキャラクターのひとりになったかのような気分に。ローカル線の音、駅前のロータリー、ゆっくりと動くタクシー──そのひとつひとつが物語の空気を呼び覚ましてくれる。

また、延岡駅周辺には地元のスーパーや飲食店も点在しており、巡礼前に「ヨーグルッペ」をゲットするのもおすすめ。いきなりテンション上がるスタートが切れること間違いなしです。

アクセス方法としては、福岡・博多方面からの高速バスや、宮崎市からの日豊本線が一般的。巡礼の拠点として利便性は抜群です。

効率よく回るためのルート設計と移動手段

延岡の聖地スポットは市内にコンパクトにまとまっているとはいえ、徒歩で回るには少し距離があるため、効率的に巡るには移動手段の選択がカギになります。筆者のおすすめは、延岡駅前で借りられるレンタカーまたはレンタサイクル。

まずは駅から車で20分ほどの「愛宕山展望台」へ。ここで、あの夕暮れの風景を堪能。昼前後の時間帯なら、光の当たり方もドラマティックで、“物語の入り口”として完璧なスタート地点になります。

その後は南延岡方面へと車を走らせ、「日豊本線の踏切」や「鉄塔群」を巡るコースへ。アニメのオープニング映像が頭の中に再生されながら、その景色が“現実”として目の前に広がる体験は、何度味わっても鳥肌モノです。

さらに、工業地帯周辺をぐるりと巡ってから、昼食は地元の人気回転寿司「神田川本店」へ。アニメで描かれたあの会話劇を思い浮かべながら、同じ空間で食事をする──それだけでファンにとっては何よりの贅沢です。

巡礼の最後は、市内のスーパーや道の駅で「ヨーグルッペ」を購入。車中や公園で一息つきながら、今日一日の物語を噛みしめる。これぞ“だんじょる的日常”のリアル再現です。

徒歩では難しい部分もあるので、巡る順番や移動手段のプランを事前に練ることで、効率よく、そして感情の余韻を損なわずに旅を楽しめます。

個人的には、“アニメの中を歩く”というよりも、“アニメと一緒に歩く”感覚が強く残った巡礼コース。たった1日で、思っていた以上に深く物語と繋がれる――そんな発見が、延岡の旅にはあります。

“アニメ×地域”が生んだコラボと経済効果

聖地巡礼によるファンの流れと地域活性化

『だんじょる』の舞台モデルとなった宮崎県・延岡市。この静かな街が、アニメファンの巡礼スポットとしてじわじわと注目を集めはじめています。聖地巡礼という現象は、もはや一時的なブームではなく、地域活性のひとつの戦略といっても過言ではありません。

特に『だんじょる』のように、派手な観光地ではなく“日常の風景”がそのまま舞台になっている作品は、ファンが実際にその場所に立ったとき、深く“物語の続き”を感じられるんです。これは単なる再現度ではなく、“感情の場所”が現実と地続きになっているからこその体験。

延岡市としても、この動きにしっかり反応しています。観光ガイドや地元メディアが『だんじょる』の舞台性を取り上げることで、作品の魅力がより多くの人に伝わり、それが“足を運ぶ理由”へと転化されている。

実際、聖地巡礼をきっかけに、地域の飲食店や小売業にも経済的な波及が生まれており、「アニメで町が動く」という構図がここでもしっかりと機能しているんですよね。

なにより印象的なのは、訪れるファンたちの振る舞いがとても丁寧で、地元住民との温かい交流が育まれていること。アニメと現実が交差するこの場所で、ただの観光とは違う“文化的共鳴”が生まれているのを感じます。

ヨーグルッペ×『だんじょる』のコラボ施策

『だんじょる』を語るうえで欠かせないのが、宮崎県民にはおなじみの乳酸菌飲料「ヨーグルッペ」との関係性。作品内でキャラクターが何度も手にするその姿は、もはや“延岡らしさ”の象徴といえるアイテムです。

その人気に応えるように、現地では実際にアニメとのコラボ施策がスタート。限定パッケージやポスター掲出など、地域と作品が手を取り合う形での取り組みが進められています。

こうした“地域の味”と“作品の記憶”が結びつくとき、ファンにとってはそれが「持ち帰れる思い出」になるんです。家に帰ってヨーグルッペを一口飲んだとき、ふと頭に浮かぶのは愛宕山からの景色だったり、踏切を渡るあのキャラの横顔だったり。

一見地味に見えるコラボだけれど、それが“リアルな接点”を持ったときの破壊力は抜群。商品がただのモノではなく、“感情のスイッチ”になってくれる。

『だんじょる』が描いた日常のリアリティは、こうして地域との関係性の中でさらに深く、豊かに息づいていく。その姿こそ、アニメ×地域コラボの理想的なかたちだと感じます。

だんじょる聖地巡礼ガイドまとめ

アニメ『だんじょる』は、ただのラブコメじゃない。“日常”という名の舞台の中で、キャラクターたちの感情が繊細に交錯していく作品です。そしてその舞台は、確かに宮崎県・延岡市という“現実の場所”に根ざしていました。

愛宕山展望台、日豊本線の踏切、工業地帯に並ぶ煙突たち──どのスポットにも共通していたのは、「ここにいたのかもしれない」という感覚。観ていたはずの風景が、足元に現れる。そのとき、アニメはスクリーンの中から、現実世界へとにじみ出してくるんです。

この巡礼ガイドでは、そんな“物語と現実の境界線”を体感できるスポットを、移動手段やモデルコースとともに紹介してきました。でも、巡礼の魅力はそれだけじゃない。飲んだヨーグルッペの甘さに、キャラクターの笑顔が重なる瞬間がある。食べた寿司ネタの名前が、ふと台詞を思い出させてくれる。

聖地巡礼は、記憶の再訪であり、新たな物語の始まりでもあると思っています。延岡という街に、キャラクターたちが「確かに生きていた」ことを感じるその旅は、アニメをただ“観る”だけでは届かない場所へ、私たちを連れていってくれる。

『だんじょる』が好きな人には、ぜひ一度延岡を歩いてほしい。物語に、もう一度会えるから。──そして今度は、自分自身の思い出の中で“続きを描いていける”ようになるから。