彼方からの幻燈とは?エモクロアTRPGの物語設定とシナリオの特徴

夕暮れの日本の高校、薄暗い教室の窓辺に置かれた古い日記と小さな幻燈機、黒板には七不思議を思わせる文字、静かで切ない青春ミステリーの雰囲気 未分類

『彼方からの幻燈』は、高校生2人が学校の七不思議を追う、ディズム制作のエモクロアTRPGシナリオです。ブラックホール情報パラドックスと誰かの日記を物語の入口に据え、キャラクター同士の感情を重視した作品として公開されています。

プレイ人数は2人固定、想定時間は4〜5時間。探索を楽しむだけでなく、キャラクターの喪失や、それに近い体験が起こり得る点も大きな特徴です。

学校に残された噂を追いかける。それだけなら、よくある青春ミステリーの始まりにも思えます。

けれど、僕が気になったのは、七不思議と並んで提示された「ブラックホール情報パラドックス」という言葉でした。

誰かが残した日記と、宇宙の情報をめぐる難問。一見すると遠く離れた二つの題材が、同じ物語の中に置かれている。

そこには、単なる怪談とは違う何かが潜んでいるように感じます。

今回は、公開されている公式情報と実際のセッション募集内容をもとに、『彼方からの幻燈』の舞台設定、物語の入口、プレイ条件、そしてシナリオが持つ特徴を整理します。

核心となる展開や結末には踏み込まず、これから参加する人にも配慮しながら、その魅力を考えていきます。

『彼方からの幻燈』とは?エモクロアTRPGの作品概要と公開情報

『彼方からの幻燈』は、ディズムが制作した、2人の高校生を主人公とするエモクロアTRPGシナリオです。

2025年4月30日20時30分にBOOTHの商品ページが公開され、ダウンロード形式で頒布されています。

シナリオの作者と基本情報

まず、公開情報から確認できる作品概要を整理します。

項目 内容
作品名 彼方からの幻燈
TRPGシステム エモクロアTRPG
シナリオ作者 ディズム
舞台 日本の高校
プレイヤー人数 2人固定
ディーラー人数 1人
想定プレイ時間 4〜5時間
物語の題材 学校の七不思議、ブラックホール情報パラドックス、誰かの日記
推奨技能 なし
ロストの可能性 あり
BOOTH公開日時 2025年4月30日20時30分
公開時の販売価格 2,000円
頒布形式 PDFなどのダウンロード商品

価格や販売状況は変更される可能性があるため、最新の情報は公式の商品ページで確認する必要があります。

制作陣には、キャラクターデザイン担当の御園れいじ、背景・キービジュアル担当のアミノ、DTP・デザイン担当のda-ya、動画編集担当のわかるが名を連ねています。

2025年4月30日には、ディズムのYouTubeチャンネルで作品のプロモーション映像も公開されました。

この作品でまず注目したいのは、公式の作品紹介が、怪異の恐ろしさや謎解きの難しさよりも、プレイヤーとディーラーが体験する感情に焦点を当てていることです。

高校生2人で七不思議を追いたい人、そしてプレイヤーの感情に働きかける物語を届けたいディーラーに向けたシナリオとして案内されています。

つまり、単に事件を解決して終わる遊びではなく、その過程でキャラクターが何を感じるかも重要な作品だと読み取れます。

エモクロアTRPGとはどんなゲームなのか

エモクロアTRPGは、プレイヤーが「共鳴者」と呼ばれるキャラクターを演じ、ディーラーの進行によって物語を体験するテーブルトークRPGです。

ディーラーは、一般的なTRPGでいうゲームマスターに相当する役割を担います。

物語の状況を説明し、登場人物の反応や判定を処理しながら、プレイヤーと一緒にセッションを進めていきます。

エモクロアTRPGでは、怪異と人間の感情が結びつく「共鳴」という仕組みが大きな特徴です。

恐怖だけでなく、喜びや悲しみ、執着、愛情といった感情も、物語を動かす重要な要素になり得ます。

そのため、プレイヤーがキャラクターの立場で考え、ほかの登場人物と会話するロールプレイが作品の印象を左右します。

『彼方からの幻燈』も、公開されているセッション概要では、プレイヤーキャラクターとNPCとのロールプレイを楽しむことが目的として示されています。

推奨技能が指定されていない点も見逃せません。

特定の能力を備えたキャラクターだけが物語に参加できるわけではなく、高校生としての人物像や関係性を考える余地が残されています。

ただし、推奨技能がないことと、必ず簡単にクリアできることは別です。

公式にはロストの可能性が明記されているため、物語がキャラクターに厳しい選択を迫る可能性も考えておく必要があります。

ロスト同然の体験とは何を意味する?

『彼方からの幻燈』の作品紹介には、キャラクターがロストするか、ロストに近い体験をする可能性があると記されています。

TRPGにおけるロストは、一般にキャラクターが死亡するなどして、それまでと同じ形では継続して使用できなくなることを指します。

一方、「ロスト同然」が具体的に何を意味するかは、公開されている紹介文だけでは確定できません。

キャラクターの存在や関係性に重大な変化が起こるのか、それとも別の形で喪失を表現するのか。そこは本編の領域です。

僕が気になるのは、公式が単に「ロストの可能性あり」とするだけでなく、わざわざロストに近い体験にも言及していることです。

これは、キャラクターの生死だけでは測れない重さが物語に含まれている可能性を示しています。

ただ生き残れば、それで幸せなのか。

その問いが必要になる物語なのかもしれません。

もちろん、これは事前情報からの推測であり、実際の結末や展開を示すものではありません。

それでも、参加前に心構えをしておくべきシナリオであることは確かでしょう。


『彼方からの幻燈』の物語設定は?愛造高等学校と七不思議の関係

物語の舞台は、日本のH県P市にある「市立愛造高等学校」です。

プレイヤーが演じる2人の共鳴者は、この学校の2年A組に所属する高校生として物語を始めます。

ある日、同じ学校の1年生から頼み事を受け、校内で噂になっている七不思議を調べることになります。

公開されている導入は、ここまでです。

大きな事件が最初から説明されているわけでも、世界の危機を告げられるわけでもありません。

始まりは、年下の生徒からの小さなお願い。

僕はこの距離感が好きです。

学校という閉じられた世界では、誰かに声をかけられたというだけで、普段は関わらない物語に足を踏み入れることがあります。

七不思議の調査から始まる青春ミステリー

学校の七不思議は、日本の怪談やホラー作品で広く使われてきた題材です。

誰もいないはずの教室、夜の校舎、正体のわからない噂。

そうした身近な場所に不可思議な出来事が入り込むことで、日常と非日常の境界が曖昧になっていきます。

ただし、『彼方からの幻燈』に登場する七不思議の具体的な内容や、どのような順序で調査するのかは、今回確認できる公開情報には記されていません。

そのため、特定の怪談や事件が起きると断定することはできません。

確かなのは、2人の高校生が依頼を受け、学校内の噂を追いかけるという出発点です。

個人的には、この構造の重要さは、2人が最初から特別な使命を持っていないところにあると思います。

彼らは、あくまで同じ学校に通う生徒です。

自分たちの生活があり、友人がいて、授業が終われば帰る場所もあるはずです。

そんな日常の延長線上で、不思議な出来事に関わることになる。

物語において、当たり前だった生活が変化する瞬間ほど、キャラクターの内面が浮かび上がる場面はありません。

七不思議を調べるという行動が、やがて2人自身の問題に結びつくのか。

そこが、この導入から生まれる大きな関心です。

ブラックホール情報パラドックスが示すもの

本作の紹介には、学校の七不思議と並んで「ブラックホール情報パラドックス」という言葉が登場します。

ブラックホール情報パラドックスとは、ブラックホールに取り込まれた物質などの情報が最終的にどうなるのかという、現代物理学における問題です。

量子力学では、物理的な情報が保存されるという考え方が重要になります。

一方、ブラックホールがホーキング放射によって蒸発すると考えたとき、その内部に取り込まれた情報をどのように説明するのかが問題になります。

ここで重要なのは、情報という概念です。

人が消えることと、その人に関する情報が消えることは、必ずしも同じではありません。

たとえば、誰かがいなくなったあとにも、その人が書いた日記や写真、友人の記憶が残ることがあります。

物理学の情報と人間の記憶は同一ではありませんが、物語の比喩として重ねて考える余地はあります。

では、『彼方からの幻燈』はこの科学的な問題を、どのように物語へ組み込んでいるのでしょうか。

現時点で公開されている情報からは、具体的な仕組みを判断できません。

ブラックホールが実際に登場するのか、情報の保存という考え方が比喩として使われるのかも不明です。

ただ、七不思議という身近な怪談に、宇宙規模の情報の問題が重ねられている点は印象的です。

学校の片隅にある小さな謎が、想像もつかないほど遠くの問いとつながっている。

その組み合わせ自体が、本作の独特な空気を生み出しているように感じます。

誰かの日記は何を語るのか

七不思議、ブラックホール情報パラドックスとともに示されている3つ目の要素が「誰かの日記」です。

誰が書いた日記なのか、いつ記されたものなのか、どのように共鳴者たちと関わるのかは公開されていません。

それでも、日記という題材には独特の意味があります。

日記は、他人に見せるための文章とは限りません。

その日の出来事だけでなく、誰にも話せなかった感情や、あとから振り返るための小さな記録が残されることもあります。

学校の七不思議が、多くの生徒の間で共有される「噂」だとすれば、日記は一人の人間が残した「個人的な記録」です。

この違いに、僕は注目しています。

噂は、人から人へ伝わるうちに形を変えることがあります。

しかし日記には、少なくとも書き手がその瞬間に残そうとした言葉が記されています。

もちろん、日記だからすべて真実だとは限りません。

書き手が何かを隠していたり、誤解していたりする可能性もあります。

それでも、誰かが自分の手で言葉を書き残したという事実には、噂とは別の重みがあります。

本作が日記をどのように扱うのかは、まだわかりません。

けれど、七不思議と情報の問題の間に日記が置かれていることで、「人が何を残すのか」という問いが自然に浮かんできます。

それは、この作品の感情的な側面を考えるうえで、見逃せない入口だと思います。


『彼方からの幻燈』のシナリオの特徴は?2人固定のRPと参加条件

『彼方からの幻燈』の大きな特徴は、プレイヤー2人固定という人数設定と、キャラクター同士のロールプレイを重視している点です。

想定プレイ時間は4〜5時間。長編キャンペーンではなく、まとまった時間で一つの物語を体験する形式になっています。

2人固定だからこそ生まれる関係性

TRPGでは、参加するプレイヤーの人数によって物語の雰囲気が変わります。

大人数のセッションでは、多様な意見や行動が交わり、グループ全体の判断が重要になる場面があります。

一方、2人固定のシナリオでは、相手のキャラクターとの関係性が物語の中心になりやすい傾向があります。

もちろん、『彼方からの幻燈』が必ず2人の対立や協力を主題にしているとまでは言えません。

ただし、公式にプレイヤー同士やNPCとのロールプレイを楽しむことが示されている以上、会話と感情のやり取りが重要であることは読み取れます。

同じ出来事を見ても、2人が同じように感じるとは限りません。

一人は怪しいと思い、もう一人は信じたいと思うかもしれない。

そこで生まれる小さな認識の違いは、物語を進める原動力になります。

僕が2人用のシナリオに惹かれるのは、相手の言葉を受け止める時間が濃くなりやすいからです。

誰かが沈黙したとき、もう一人はその沈黙に向き合うことになります。

返事を急かすのか、それとも待つのか。

そうした選択の積み重ねが、数字では表せないキャラクターの関係を作っていきます。

キャラクター設定に自由度がある

公開されているセッション概要では、共鳴者2人が愛造高等学校の2年A組の生徒であることが指定されています。

一方、制服の形式は自由で、推奨技能も設定されていません。

そのため、キャラクターを作る段階では、同じクラスにいる2人がどんな生徒なのかを考える余地があります。

真面目な生徒なのか、学校の噂が好きなのか。

普段から一緒に過ごしているのか、それとも今回の出来事をきっかけに話すようになるのか。

こうした人物設定は、公式に固定されたものではなく、参加者が検討できるロールプレイ上の方向性です。

事前に関係性をどこまで決めてよいかは、担当ディーラーに確認するのがよいでしょう。

また、キャラクターに強い思い入れがある場合は、ロストに関する注意事項を踏まえて参加を判断する必要があります。

物語の感情的な重さを楽しめる人に向いた作品である一方、喪失を扱う展開が苦手な人には慎重な検討が必要です。

実際のオンラインセッションではどう遊ばれている?

TRPGオンセンには、ぴろが主催する『彼方からの幻燈』のセッション募集が掲載されています。

2025年8月20日20時30分からの開催予定として、約4時間30分のボイスセッションが案内されていました。

募集人数は2人で、サイ・トーとごみすてばの参加が決定しています。

この募集では、Discordとココフォリアを利用する形式が採用されていました。

また、スマートフォンからの参加が可能とされる一方、見学は不可と設定されています。

レイティングはR15+指定です。

これは当該セッションの主催者による設定であり、シナリオのすべての開催に共通する条件とは限りません。

参加コメントも興味深いものでした。

ごみすてばは、以前から募集を見ていたものの予定が合わず、今回ようやく参加できるようになったと説明しています。

サイ・トーも、以前から遊んでみたかったシナリオだとコメントしていました。

こうした反応からは、少なくとも参加者にとって、本作が以前から関心を寄せていた作品だったことがわかります。

ただし、これは参加前のコメントです。

実際の物語に対する評価や、セッション終了後の満足度を示すものではありません。

そこは分けて受け止めたいところです。

シナリオPDFとココフォリア素材の内容

BOOTHで頒布されている『彼方からの幻燈』には、シナリオ本文のPDFと、オンラインセッション向けのココフォリアルームZIPが付属します。

付属素材には、背景、NPC立ち絵、アイテムアイコン、マップなどが含まれています。

ディーラーがオンラインセッションの準備を進める際に、必要な視覚素材をまとめて扱える構成です。

一方で、音楽ファイルは付属しません。

YouTubeのTRPG配信で使用された楽曲については、曲名などをまとめたテキストファイルが圧縮して収録されていますが、楽曲自体を利用するにはBOOTH外で別途費用が必要な場合があります。

また、BOOTHの説明によると、TALTOで販売されているものも同一内容です。

冊子版の販売予定についても案内されていますが、具体的な発売時期や現在の販売状況は、その案内だけでは確定できません。

配信や素材利用については、ダイスタスコモンズの条件が適用されます。

本作はクレジット表示不要、改変許可、公演許可、営利利用は条件付きという設定です。

ただし、著作権が放棄されているわけではありません。

付属イラストはセッションやその配信などに使用できますが、セッション以外の目的での使用は禁止されています。営利目的で利用する場合には連絡が必要です。

作品を配信したいディーラーは、こうした条件も確認しておくことが重要でしょう。


『彼方からの幻燈』の魅力を考察|七不思議と日記が結ぶ感情とは?

ここからは、公開されている設定をもとにした僕自身の考察です。

シナリオ本文の秘密や結末を確認したものではなく、あくまで作品紹介に示された要素から、どんな主題が考えられるのかを読み解いていきます。

僕が最も気になっているのは、「学校の七不思議」「ブラックホール情報パラドックス」「誰かの日記」という、まったく異なる大きさの情報が並べられていることです。

七不思議と日記は、記憶の残り方を対比しているのか

まず、学校の七不思議について考えてみます。

七不思議は、誰か一人の記憶というより、学校という集団の中で伝えられる物語です。

最初に誰が話し始めたのかは、時間がたつほど曖昧になっていきます。

それでも、噂自体は残り続けることがあります。

卒業する生徒がいて、新しく入学する生徒がいても、学校の七不思議は次の世代へ伝わっていく。

一方で、日記は個人に結びついた記録です。

書き手が何を見て、どんな言葉を選んだのかが残ります。

ここには、非常に興味深い対比があります。

七不思議は、語り継がれることで残る情報。

日記は、書き留められることで残る情報。

どちらも、誰かが経験した出来事を時間の向こう側へ運ぶ手段と考えられます。

この二つの間に、ブラックホール情報パラドックスという概念が置かれています。

そう考えると、本作の3つの題材は、情報がどこに残り、どこへ消えていくのかという問いで結びついているようにも見えます。

ただし、実際のシナリオがその対比を意図しているかどうかは不明です。

僕の読み方にすぎません。

それでも、この組み合わせを見ていると、誰かの存在は何によって証明されるのだろう、と考えてしまうのです。

本人がそこにいることなのか。

名前が記録に残っていることなのか。

それとも、誰か一人が覚えていることなのか。

少なくとも、この物語には、そうした問いを想像させる余地があります。

2人の高校生であることに意味はあるのか

次に考えたいのは、主人公が2人の高校生であるという設定です。

高校生活は、長い人生の中でも、同じ場所で同じ人と過ごす時間が比較的はっきり区切られています。

入学して、進級して、卒業する。

どれほど親しい関係でも、いつか同じ教室で過ごす日々は終わります。

それは、特別な事件が起こらなくても避けられない変化です。

だからこそ、学校を舞台にした物語では、日常の何気ない時間そのものが、あとになって大切な意味を持つことがあります。

『彼方からの幻燈』の共鳴者は2年A組の生徒です。

まだ卒業を目前にした3年生ではなく、学校生活の途中にいる高校2年生。

この学年設定に特別な意味があるかは確認できませんが、物語の入口としては印象的です。

当たり前の明日が、まだ続くと思っている時期。

その日常に七不思議という非日常が入り込むことで、普段は意識しないものが見えてくる可能性があります。

僕がとくに注目したいのは、2人の共鳴者が何を知るかだけでなく、その経験を互いにどう受け止めるかです。

同じ事実を知ったとしても、同じ感情を抱くとは限りません。

相手を守りたいと思う人もいれば、真実を知ることを優先する人もいるでしょう。

そうした価値観の違いが発生するかどうかは、本編次第です。

しかし、2人固定という形式と感情重視の作品紹介を重ねると、相手の存在を意識しながら進む物語が期待されます。

誰かと一緒に過ごした時間は、出来事の記録だけでは表せません。

その時間を自分にとってどう意味づけるのか。

そこに、TRPGならではの面白さがあると思います。

『幻燈』というタイトルが連想させるもの

最後に、タイトルそのものを見つめてみたいと思います。

幻燈とは、光を利用して画像を映し出す装置や、その映像を指す言葉です。

スクリーンに映された像は、目の前に確かに見えていても、そこに実物が存在しているわけではありません。

光が消えれば、映像も消えてしまいます。

この性質が、僕には『彼方からの幻燈』というタイトルの大きな魅力に感じられます。

「彼方」という言葉は、遠く離れた場所や、手の届かない距離を連想させます。

その彼方から届く幻燈。

それは、遠くにある何かを光によって映し出す行為のようにも思えます。

ここで、先ほどのブラックホール情報パラドックスや日記という要素が、もう一度意味を持ってきます。

見えているものと、実際に存在するもの。

記録されていることと、失われてしまったもの。

そうした違いが物語に関わってくるのではないかと、僕は想像しています。

もちろん、幻燈が劇中でどのように登場するのか、タイトルが具体的に何を指しているのかは、公開情報だけでは判断できません。

それでも、このタイトルには、物語の感情を受け止める器のような美しさがあります。

光が映し出すものは、いつまでもそこに残るとは限らない。

でも、光が消えたあとも、その光景を見た人の心には何かが残ることがあります。

だから僕は、この作品を単純な怪談や探索シナリオという枠だけで捉えたくありません。

公式が感情に訴える作品として紹介していることと、ロストに近い体験の可能性を示していること。

その二つを合わせると、物語を終えたあとに何を感じるかまで含めて設計された作品なのではないか、と思えてくるのです。

もしそうなら、最も重要なのは七不思議をいくつ解き明かしたかではなく、その調査の先で、2人が何を大切だと感じたかになるのかもしれません。

これは、実際の展開を予告するものではありません。

けれど、プレイヤー自身の言葉で関係を築けるTRPGだからこそ、同じシナリオでも残る感情は違ってくるはずです。

誰かと共有した4〜5時間が、その人にしか持てない記憶になる。

もう、それだけでも物語って不思議だよね。

まとめ|『彼方からの幻燈』は感情と謎が交わる物語

『彼方からの幻燈』は、ディズムが制作した、エモクロアTRPGの2人用シナリオです。

H県P市立愛造高等学校を舞台に、2年A組の高校生2人が、1年生からの依頼をきっかけに学校の七不思議を調べるところから始まります。

プレイ時間は4〜5時間で、ロールプレイを重視した作品として紹介されています。

学校の七不思議、ブラックホール情報パラドックス、誰かの日記という3つの要素が、具体的にどう結びついていくのかは、公開されている導入だけではわかりません。

そして、キャラクターがロスト、あるいはロスト同然の体験をする可能性があることも、事前に知っておきたい重要な情報です。

僕がこの作品に感じる魅力は、身近な学校の噂から、人の記憶や存在についての大きな問いを想像できるところにあります。

ただ、物語が最後にどんな答えを示すのかは、まだここで決めつけたくありません。

2人の高校生が七不思議を追った先に、どんな景色を見るのか。

その景色が、彼らにとってどんな意味を持つのか。

それは、実際に物語を体験する人たちの言葉によっても、少しずつ違う色を帯びていくのだと思います。

光の中に何が映るのか。

その光が消えたあと、何が残るのか。

僕はそこに、このタイトルが持つ静かな余韻を感じています。

よくある質問

『彼方からの幻燈』は何人で遊べますか?

プレイヤー2人固定、ディーラー1人で遊ぶエモクロアTRPGシナリオです。想定プレイ時間は4〜5時間で、プレイヤーキャラクターは高校2年生という設定になります。

『彼方からの幻燈』は初心者でも参加できますか?

公開されているシナリオ概要に推奨技能の指定はなく、TRPGオンセンでも初心者歓迎の募集事例があります。ただし、ロールプレイを重視し、キャラクターのロストに関する注意もあるため、事前にディーラーと相談すると安心です。

『彼方からの幻燈』にネタバレなしでわかる結末の情報はありますか?

公開情報には、七不思議を調査する導入とロストの可能性が示されていますが、具体的な結末は記されていません。必ず特定の結末になると判断できる情報もないため、物語の核心を知りたい場合は、実際のシナリオやセッションで確認する必要があります。

相沢 透(あいざわ・とおる)

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