『ホタルの嫁入り』の作者は漫画家・橘オレコ先生で、出版社は小学館、単行本はマンガワンコミックスから刊行されています。
本作は、余命わずかな伯爵令嬢・桐ヶ谷紗都子と、彼女を運命の相手だと信じる殺し屋・後藤進平を描いた恋愛サスペンスです。
この記事では、橘オレコ先生の経歴、過去作品、『ホタルの嫁入り』と作風が近い漫画、出版社や連載媒体の違いまで整理します。
『ホタルの嫁入り』の作者・橘オレコ先生とは?
橘オレコ先生は、日本の女性漫画家です。
2017年3月、小学館のコミックアプリ「マンガワン」に掲載された読み切り作品『主任様と新人くん』で商業デビューしました。
その後、『プロミス・シンデレラ』『#バツイチアラサー女子と男子高校生』を発表し、2023年1月1日から「マンガワン」と「裏サンデー」で『ホタルの嫁入り』の連載を開始しています。
主な作品と活動をまとめると、次のようになります。
| 年 | 主な活動 |
|---|---|
| 2016年 | 子育てをしながらアクリル絵の具で風景画を描き、Twitterへ投稿 |
| 2016年10月 | pixivに投稿したオリジナル作品がマンガワン編集部の目に留まる |
| 2017年3月 | 『主任様と新人くん』で商業デビュー |
| 2018年1月 | 『プロミス・シンデレラ』の連載を開始 |
| 2018年6月 | スピンオフ『#バツイチアラサー女子と男子高校生』の連載を開始 |
| 2023年1月1日 | 『ホタルの嫁入り』の連載を開始 |
| 2025年 | テレビアニメ『謎解きはディナーのあとで』のキャラクター原案を担当 |
橘先生の出発点は、漫画家として一直線に歩んできた華々しい経歴ではありません。
子育てをしながら風景を描き、イラストを投稿し、同人誌を作る。その積み重ねの途中で編集部に作品を見いだされ、商業漫画の世界へ入っています。
この経歴を知ると、橘作品の背景が単なる舞台装置に見えなくなるのです。湿った夜の空気や古い建物の静けさまで感情を持っているように映るのは、風景を描く時間を重ねてきた作家だからこそではないでしょうか。

橘オレコ先生の年齢や出身地は公表されている?
今回確認した資料では、橘オレコ先生の生年月日、年齢、出身地は明らかにされていません。
公表されている範囲を越えて、同名の人物やSNS上の推測と結びつけることはできません。確実に確認できるのは、日本の女性漫画家であり、子育てをしながら創作活動を始めたという経歴です。
作品の奥にいる作者を知りたくなる気持ちはよく分かります。しかし、語られていない私生活ではなく、公開された作品とインタビューから作家性を読み取ることも、ひとつの誠実な向き合い方だと私は思います。
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『ホタルの嫁入り』の出版社はどこ?連載会社と単行本レーベルを整理
『ホタルの嫁入り』の出版社は小学館です。
「ホタルの嫁入りはどこの会社の漫画なのか」という疑問に対しては、次のように整理できます。
- 作者:橘オレコ
- 出版社:小学館
- 連載媒体:マンガワン、裏サンデー
- 単行本レーベル:マンガワンコミックス
- 第1巻発売日:2023年6月19日
- 第1巻判型・ページ数:B6判、208ページ
- 第1巻ISBN:9784098521470
「マンガワン」は小学館が展開するコミックアプリ、「裏サンデー」は小学館のウェブコミックサイトです。会社名、掲載媒体、単行本レーベルはそれぞれ役割が違うため、検索した際に別々の名前が出てきても、出版社が複数あるわけではありません。
第1巻の公式書籍情報では、紙の単行本の定価は792円(税込)と記載されています。電子版の価格は販売サイトごとに異なるため、最新情報は各公式販売ページでの確認が必要です。
また、公式の既刊情報では第12巻まで刊行され、第13巻は2026年10月19日に発売予定とされています。発売予定や価格は変更される可能性があるため、購入前には小学館の最新案内を確認してください。
アニメを制作する会社も小学館なの?
漫画を出版する会社と、テレビアニメの映像を制作する会社は異なります。
テレビアニメ『ホタルの嫁入り』のアニメーション制作は、david productionが担当します。原作の出版元は小学館であり、アニメは「アニメ『ホタルの嫁入り』製作委員会」によって展開される形です。
公開されているスタッフ情報では、監督は亀井隆広さん、シリーズ構成・脚本は柿原優子さん、キャラクターデザインは愛敬由紀子さんです。原作とアニメでは関わる会社やスタッフが異なりますが、物語の源にあるのは橘オレコ先生の漫画です。
2026年10月9日から、全国フジテレビ系「ノイタミナ」で毎週金曜23時30分に放送開始と案内されています。公式サイトでは累計発行部数500万部突破とも紹介され、原作が電子コミックの枠を越えて大きく広がったことが分かります。

橘オレコ先生の代表作と『ホタルの嫁入り』までの歩み
橘オレコ先生の商業作品として確認できる主な漫画は、次の4作です。
- 『主任様と新人くん』
- 『プロミス・シンデレラ』
- 『#バツイチアラサー女子と男子高校生』
- 『ホタルの嫁入り』
なかでも、長期連載となった『プロミス・シンデレラ』は全16巻で完結しています。
物語の中心となるのは、離婚によって居場所を失った元専業主婦・早梅と、裕福な家に生まれた男子高校生・壱成です。年齢も立場も違う二人が、「リアル人生ゲーム」をきっかけに同居し、それぞれの傷や未熟さと向き合っていきます。
2019年2月に公開された小学館のインタビューでは、『プロミス・シンデレラ』第1巻から第2巻までの累計部数が、電子版を含めて22万部を超えたと紹介されていました。その後、2021年7月にはテレビドラマ化もされています。
壱成は、登場当初こそ身勝手で幼い人物として描かれます。しかし、早梅と出会ったことで「自分」という壁にぶつかり、それまで理解できなかった自身の感情を知っていきます。
橘先生は壱成について、育てているような母親目線で描いていると語っていました。人物を完成品として登場させるのではなく、格好悪さも含めて時間をかけて成長させる姿勢は、『ホタルの嫁入り』の進平にもつながっているように感じます。
『#バツイチアラサー女子と男子高校生』はどんな作品?
『#バツイチアラサー女子と男子高校生』は、『プロミス・シンデレラ』の登場人物たちを描いた全1巻のスピンオフです。
始まりは、橘先生がTwitterで公開していた短いページの番外編でした。早梅と壱成のエピソードが次々と浮かび、本編でそこへ到達するまで待ちきれなかったことが制作のきっかけだったと語られています。
読者からの反響が大きくなり、作品名と同じハッシュタグを付けて発表を続けた結果、2018年6月から10月までpixivコミックで連載されました。
本編より先の時間を描く一方で、早梅の本当の気持ちは意識的に伏せられています。未来を見せながら、二人の関係を決定づける核心だけは明かさない。この抑制が、橘オレコ作品の焦らすような余韻を生んでいました。
ただ楽しい番外編に見えますが、その明るさは、本編にある痛みの裏返しでもあります。
橘先生自身、『プロミス・シンデレラ』では重い展開を描き、スピンオフを描くことで癒やされるようなサイクルがあったと説明しています。笑いと痛みを別作品へ分けながら、同じ人物の心を立体的に見せていたのです。
『ホタルの嫁入り』に似た作品は?共通点から選ぶ類似漫画
『ホタルの嫁入り』の魅力は、明治時代という舞台だけにあるわけではありません。
余命わずかな華族令嬢、危険な殺し屋、嘘から始まる婚約、そして互いの人生を変えていく重い愛。この複数の要素が絡み合っているため、何を好きになったかによって「似ている作品」は変わります。
最も近いのは『プロミス・シンデレラ』
作者の描き方まで含めて近い作品を挙げるなら、まず『プロミス・シンデレラ』です。
舞台や人物設定は異なりますが、どちらにも社会的な立場の違う男女、不本意な同居や契約めいた関係、幼さを抱えた男性、簡単には恋愛へ逃げ込まない女性が登場します。
早梅は離婚によって、それまでの生活を失った女性です。紗都子は家の利益になる結婚を人生の使命として抱えながら、病によって未来そのものを制限されています。
二人は境遇こそ違いますが、自分の人生を他者の都合だけに明け渡さない芯の強さを持っています。橘作品のヒロインは、男性から守られるだけの存在ではないのです。
そして壱成と進平には、ともに「愛し方を知らないまま、ひとりの女性へ強く惹かれる」という共通点があります。
ただし、壱成の未熟さが少年の成長として描かれるのに対し、進平の執着は殺し屋として生きてきた彼の孤独と危うさをまとっています。同じ作者の感情表現が、現代の年の差恋愛と明治の恋愛サスペンスでどう変化したのかを比べられる組み合わせです。
心理の余白を補うなら『#バツイチアラサー女子と男子高校生』
本編では張り詰めた関係に惹かれながら、人物たちの日常や穏やかな表情も見たい人には、『#バツイチアラサー女子と男子高校生』が近いでしょう。
この作品が示したのは、橘先生が劇的な事件だけで人物を動かす作家ではないということです。会話の間、格好をつけたのに決まらない瞬間、相手の気持ちを知りたいのに踏み込めない距離にも、物語を宿らせています。
『ホタルの嫁入り』でも、進平の強烈な言動ばかりに目を奪われると、紗都子が沈黙の中で選び直している感情を見落としてしまいます。スピンオフで培われた日常の呼吸は、時代物の緊迫した場面にも静かに流れているように思えるのです。
『オレ嫁。~オレの嫁になれよ~』は橘オレコ作品ではない
検索時に注意したいのが、『オレ嫁。~オレの嫁になれよ~』との混同です。
題名の「オレ嫁」と作者名の「オレコ」が似ていますが、この作品の作者は佐野愛莉先生です。小学館の「Sho-Comi」系作品で、橘オレコ先生の漫画や『ホタルの嫁入り』の関連作ではありません。
『オレ嫁。~オレの嫁になれよ~』第1巻は2014年12月26日ごろに発売され、全11巻で完結しています。出版社が同じ小学館で、結婚を軸にした恋愛作品であることから検索結果に並ぶことはありますが、作者も物語も別です。
似た言葉が並ぶと、同じ作家の旧作やスピンオフだと思ってしまいますよね。ここは静かですが重要な違いです。

『ホタルの嫁入り』はどんな漫画?作者の作風が最も濃く表れた理由
『ホタルの嫁入り』は、文明開化が進む明治時代を舞台にした契約結婚ラブサスペンスです。
家名と美貌に恵まれながらも、余命わずかと告げられている伯爵令嬢・桐ヶ谷紗都子は、家の利益になる結婚をして父の誇りになることを望んでいます。
ところが紗都子は何者かの企てによって連れ去られ、命を狙われます。絶体絶命の状況で生き残るため、居合わせた殺し屋・後藤進平に結婚を持ちかけました。
紗都子にとって、それは窮地を脱するための嘘です。しかし進平は、その言葉を一時的な取引として処理せず、紗都子を運命の相手として激しく愛するようになります。
第1巻は2023年6月19日に発売されました。第3巻の時点で100万部、第5巻で200万部、第8巻で270万部、第12巻で400万部突破と案内され、アニメ公式サイトでは累計500万部突破と紹介されています。
さらに本作は「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2024」で大賞を受賞。「全国書店員が選んだおすすめコミック2024」の書店員賞でも注目され、2025年には「アニメ化してほしいマンガランキング2025」にランクインしました。
数字だけを見れば、明確なヒット作です。ただ、私が大切だと思うのは、その中心にある感情が決して万人向けに整えられたものではないことです。
進平の愛は安心だけを与える優しさではありません。相手を守りたい気持ちと、自分だけのものにしたい執着が、まだ分かち難く絡んでいる。きれいに洗えば消えてしまう泥のような感情を、そのまま物語の中央へ置いたことに本作の強さがあります。
橘オレコ作品が描く「重い愛」をどう読むか
『ホタルの嫁入り』は、危険な男性に一途に愛されるロマンチックな物語に見えます。
けれど、私はこれを単純な溺愛の美談として読むことができません。
紗都子が進平に結婚を提案した場面で重要なのは、同じ言葉を二人がまったく違う意味で受け取ったことです。紗都子は生き延びるため、結婚によって得られる利益まで並べ、言葉を取引の形へ整えようとします。
それに対し、進平は言葉の条件ではなく、「自分が選ばれた」という事実に反応します。
この小さなずれが、二人の物語全体を支配しているのではないでしょうか。紗都子にとっては命をつなぐ一瞬の機転だったものが、進平にとっては初めて与えられた居場所になる。だから彼は、その言葉を手放せない。
ただの優しい言葉に聞こえる「結婚」という約束が、進平の中では救いであると同時に呪いへ変わっていきます。
一方の紗都子も、最初から進平を受け入れているわけではありません。自分の使命と彼への想いの間で揺れながら、契約として発した言葉の意味を少しずつ引き受けていきます。
彼女が即座に答えず、言葉を選び直す沈黙。その一拍には、拒絶すれば自分を救った孤独な男を壊すかもしれないという恐れと、受け入れれば自分の人生が変わってしまうというためらいが同居しているように見えます。
進平は愛を口にすることで本音を露出させますが、紗都子は沈黙によって本音を守ります。
愛を叫ぶ者と、簡単には言葉にしない者。二人の感情の矢印は同時には重ならず、何度もすれ違いながら、それでも同じ方向を向こうとするのです。
もう、しんどすぎる。
生き延びるためについた嘘が、誰かにとって生きる理由になってしまったら、その嘘を簡単に捨てることなどできないよね。進平が求めていたものは結婚という制度より、「自分を選び続けてくれる人」だったのではないでしょうか。
橘先生は『プロミス・シンデレラ』でも、早梅との出会いによって壱成が自分自身を知っていく過程を描きました。
その系譜を考えると、『ホタルの嫁入り』もまた、進平が紗都子を手に入れる物語というより、紗都子との関係を通して「愛すること」と「所有すること」の違いを知る物語だと考えられます。
どうか、相手を失わないために縛るのではなく、相手の選択を信じられるところまでたどり着いてほしい。二人が抱えた約束が、呪いではなく、いつか帰る場所になってほしいと願わずにはいられません。
今後も注目したい橘オレコ先生の作家性
橘オレコ先生の作品では、恋愛が人物を完成させるご褒美として置かれていません。
誰かを好きになったことで、それまで見ないふりをしていた未熟さ、孤独、家族との関係、自分自身の醜さに向き合わされる。恋が始まってからのほうが苦しいのです。
『プロミス・シンデレラ』では、壱成が早梅との出会いを通して自分を知っていきました。『ホタルの嫁入り』では、進平の愛がより鋭く、危険な形へ研ぎ澄まされています。
筆者としては、この変化を単純な「刺激の強化」だとは考えていません。
現代を舞台にした前作では、登場人物が言葉を重ねながら関係を更新できました。一方、女性の人生が家や結婚によって大きく左右される明治という舞台では、愛の言葉そのものが自由にも拘束にもなります。
つまり時代設定が背景ではなく、恋愛の重さを変える装置として働いているのです。ここに、風景から創作を始めた橘先生らしさが最も濃く表れているように感じます。
さらにテレビアニメ化によって、漫画では静止していた視線や沈黙に、声、音楽、時間が与えられます。
紗都子役はLynnさん、進平役は内山昂輝さん。小川康太郎役を伊東健人さん、三枝役を津田健次郎さんが務めます。
進平の重すぎる愛を、声の強さだけでなく、言葉を置く間や呼吸でどう表現するのか。紗都子が決断する直前の静けさを、映像がどう受け止めるのか。アニメでは、橘作品の「言葉にならない感情」が新たな形で立ち上がるはずです。
まとめ
『ホタルの嫁入り』の作者は橘オレコ先生、出版社は小学館です。作品は小学館の「マンガワン」と「裏サンデー」で連載され、単行本はマンガワンコミックスから刊行されています。
橘先生は、子育てをしながら風景画やイラストの投稿を始め、pixivに掲載したオリジナル作品を編集部に見いだされたことから商業漫画家への道を開きました。
代表作には、全16巻の『プロミス・シンデレラ』、そのスピンオフ『#バツイチアラサー女子と男子高校生』があります。『ホタルの嫁入り』に似た作品を作者の作風から探すなら、この2作が最も分かりやすい入口です。
ただし、『オレ嫁。~オレの嫁になれよ~』は佐野愛莉先生の作品であり、橘オレコ先生の旧作や関連作ではありません。
橘オレコ先生が一貫して描いてきたのは、誰かを愛したことで、自分自身の未熟さや孤独から逃げられなくなる人々です。
紗都子と進平の関係も、嘘の婚約が本物の恋へ変わるだけの物語ではありません。ひとつの言葉を異なる意味で抱えた二人が、そのずれごと相手を愛せるのかを問う物語なのだと、私は感じています。
よくある質問
『ホタルの嫁入り』の作者は誰ですか?
作者は、日本の女性漫画家・橘オレコ先生です。2017年3月に『主任様と新人くん』で商業デビューしました。
『ホタルの嫁入り』はどこの出版社の漫画ですか?
出版社は小学館です。「マンガワン」と「裏サンデー」で連載され、単行本はマンガワンコミックスから刊行されています。
橘オレコ先生のほかの作品は?
主な作品は『プロミス・シンデレラ』『#バツイチアラサー女子と男子高校生』『主任様と新人くん』です。テレビアニメ『謎解きはディナーのあとで』ではキャラクター原案も担当しています。
執筆:相沢透
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