『氷の城壁』の原作は阿賀沢紅茶による漫画で、LINEマンガを経て全14巻が刊行された完結作品です。
原作者は大阪府出身の漫画家・阿賀沢紅茶。作者の性別については女性と推測する記事もありますが、公開情報だけで断定するのは慎重であるべきでしょう。
そして少しややこしいのが、「マーガレットの漫画なの?」「少女漫画なの?」「モデルになった場所や人物はいるの?」という部分です。ここは作品の歩みを順番にたどると、かなりすっきり見えてきます。
『氷の城壁』の原作は何?全14巻・全117話のWebtoon作品
『氷の城壁』の原作は、漫画家・阿賀沢紅茶が描いたWebtoon形式の漫画です。
作品は2017年冬ごろにマンガアプリ「XOY」で不定期連載を開始し、サービス終了後にLINEマンガインディーズへ移動。その後、2020年1月10日からLINEマンガで公式連載され、2022年4月29日に最終話を迎えました。
整理すると、原作漫画の基本情報は次の通りです。
- 原作者:阿賀沢紅茶
- 出版社:集英社
- 主な掲載媒体:XOY→LINEマンガインディーズ→LINEマンガ
- 原作話数:全117話
- コミックス:全14巻
- コミックスレーベル:ジャンプ コミックス
- 第1巻・第2巻発売日:2023年7月4日
- 最終14巻発売日:2025年2月4日
面白いのは、Web連載が完結してから単行本化された作品だということです。
普通なら「単行本を売りながら連載が続く」という順序を想像しますが、『氷の城壁』は逆でした。読者の支持が積み重なり、完結後の2023年になってフルカラーコミックスとして書籍化されています。
……作品そのものが、小雪たちのように派手に自分を主張するタイプではないんですよね。
静かに読まれ、誰かの胸に残り続け、その声が積み重なって紙の本になった。その歩みまで『氷の城壁』らしい気がしてしまいます。
原作で描かれる中心人物は、他人との間に壁を作ってしまう氷川小雪、距離を詰めるのが得意な雨宮湊、小雪の幼なじみで人気者の安曇美姫、穏やかな日野陽太の4人です。
恋愛だけではなく、「人からどう見られているか」と「本当の自分」のずれ、過去の失敗への罪悪感、相手との適切な距離を探す苦しさが絡み合う群像劇になっています。
2026年4月時点ではLINEマンガでの累計閲覧数が1.9億回を超え、同年8月末時点では電子版を含む累計発行部数が300万部を突破したとされています。
2017年に趣味に近い形で始まった作品が、約9年後には大規模なアニメ展開まで届いた。数字だけを見ても、かなり特異な育ち方をした漫画です。
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『氷の城壁』原作者・阿賀沢紅茶とは?プロフィールと代表作
『氷の城壁』の原作者は、漫画家の阿賀沢紅茶(あがさわ・こうちゃ)です。
大阪府出身で、2017年から漫画家として活動しています。代表作は『氷の城壁』と『正反対な君と僕』です。
『氷の城壁』は阿賀沢紅茶にとってデビュー作にあたり、2018年には「集英社少女マンガグランプリ powered by LINEマンガ インディーズ」で特別賞を受賞しました。
その後、2022年5月から少年ジャンプ+で『正反対な君と僕』の連載を開始。同作は2024年11月に完結し、単行本は全8巻です。
阿賀沢紅茶の経歴でとくに興味深いのは、『氷の城壁』を最初から商業的大ヒットを狙って描き始めたわけではない点でしょう。
会社員として働きながら空いた時間に制作しており、本人は当初、派手な設定の作品でもないため、少数の誰かに届けばいいくらいの気持ちだったと振り返っています。
それでも読者が離れなかった。
むしろ、小雪たちが一瞬黙ったときに何を考えているのか、美姫が明るく振る舞う裏で何を飲み込んでいるのか、湊の「人との距離の近さ」がどんな恐怖から生まれたのか。そういう目に見えにくい感情が、じわじわと読者を捕まえていったのだと思います。

阿賀沢紅茶の作風については、登場人物を単純な善人・悪人に分けず、それぞれの価値観や思考の癖が衝突することで人間関係を動かす点が特徴として挙げられます。
『正反対な君と僕』でも、単に「恋が実ったら幸せ」で終わらせず、個人として自立し、対等な関係を築いていくことが重視されました。
この感覚は『氷の城壁』にもすでに濃くあります。
誰か一人が正解を持っていて、傷ついた相手を救ってあげる物語ではないんです。みんな少しずつ間違え、自分の中の歪みを知り、それでも相手の隣に立つ方法を覚えていく。
だから読んでいる側にも、「この子が悪い」と簡単に逃げる場所がない。そこが苦しくて、同時にものすごく誠実です。
『氷の城壁』作者の性別は女性?公式プロフィールから分かる範囲
「氷の城壁 作者 性別」で検索する人は少なくありませんが、ここは情報を分けて考える必要があります。
阿賀沢紅茶の性別について、一部メディアでは2024年に出演した『マンガのラジオ』での声などを根拠に「女性と考えられる」と紹介されています。
ただし、これはあくまで外部メディアによる推測を含む表現です。
少なくとも今回確認できる公開プロフィールでは、本人が性別を明確にプロフィール項目として公表した情報までは確認できません。
そのため、「作者は女性である」と確定情報のように断言するより、「女性と推測する媒体はあるものの、公式プロフィールとして性別が明記されているわけではない」と整理するのが適切でしょう。
年齢についても同様に、公開されていません。
分かっている主なプロフィールは、大阪府出身の漫画家であること、2017年から活動していること、代表作が『氷の城壁』『正反対な君と僕』であることなどです。
作品の繊細な心理描写から作者本人の性別や経験を推測したくなる気持ちは分かります。
でも、僕はむしろそこを結びつけすぎないほうが、この作品には似合うと思っています。
小雪の感情も、湊の恐怖も、美姫の息苦しさも、陽太の優しさも、「ある性別だから分かる感情」として描かれているわけではありません。
人間なら誰の中にもあり得る、小さくて格好の悪い気持ちまで拾っている。阿賀沢紅茶作品の強さは、作者像を決めつけなくても成立する、その観察の広さにあるのではないでしょうか。
『氷の城壁』はマーガレット掲載?少女漫画なの?
ここは検索すると少し混乱しやすいところです。
結論からいうと、『氷の城壁』はマーガレット本誌で連載が始まった作品ではありません。原点はXOY、LINEマンガインディーズ、LINEマンガと続く縦読み漫画です。
コミックスも集英社の「ジャンプ コミックス」レーベルから全14巻が刊行されています。
一方で、集英社のマーガレット公式サイトでは『氷の城壁』が大きく扱われ、コミックス発売やアニメ化に合わせた企画が数多く実施されてきました。
たとえば2023年以降、マーガレットではコミックスとの連動企画としてシールやクリアポーチ、缶ペンケース、手ぬぐい、アクリルグッズなどが展開されています。
2025年には完結14巻とマーガレット5号・6号を使った応募者全員プレゼントも実施。2026年3月19日発売のマーガレット8号では阿賀沢紅茶描き下ろしクリアポスター、4月3日の9号ではフレークシールシートが付録になりました。
さらにマーガレット公式サイトでは、TVアニメ化の告知時に『氷の城壁』を「マーガレット発の縦スク作品」と紹介しています。
このため「氷の城壁=マーガレット連載作品」と受け取りやすいのですが、作品の出発点を厳密に見るなら少し違います。

では、『氷の城壁』は少女漫画なのか。
これは「少女漫画」を何によって分類するかで答えが変わります。
掲載媒体だけを見るなら、LINEマンガ発のWebtoonであり、単行本はジャンプ コミックスです。その意味では、昔ながらの「少女漫画誌に連載された作品」という枠にはきれいに収まりません。
しかし内容を見ると、恋愛、人間関係、自己認識、友人との距離感を細かく描き、2018年には集英社の少女マンガグランプリで特別賞を受賞しています。
つまり、形式上はWebtoonとして生まれながら、少女漫画が長く描いてきた「人と人との感情」を極めて濃く受け継いだ作品と見るのがいちばん実態に近いでしょう。
ここは『氷の城壁』の面白いところです。
「少年漫画だからこう」「少女漫画だからこう」という棚の境界よりも先に、スマホの縦長画面から物語が育ってしまった。
それなのに描かれている感情の細さは、ものすごく少女漫画的でもある。この少し分類しきれない立ち位置こそ、作品が幅広い読者に届いた理由の一つだと僕は考えています。
『氷の城壁』に実在のモデルはいる?学校・キャラクターの元ネタを確認
「氷の城壁 モデル」という検索では、キャラクターや高校、舞台に実在のモデルがいるのか気になっている人も多いでしょう。
今回の資料で確認できる範囲では、特定の実在人物や学校、地域を『氷の城壁』の公式モデルとして明言した情報は確認できません。
そのため、特定の学校や人物を「ここがモデル」と断定するのは避けるべきです。
阿賀沢紅茶自身について分かっているのは、会社員として働きながら2017年ごろに趣味として『氷の城壁』を描き始めたことです。
また作者は、作品の人物造形について、自分が実際に抱いた感情だけでなく、自分とは違うタイプの人物ならどう感じるかを想像しながら心情を組み立てていることが紹介されています。
ここから考えると、『氷の城壁』の「リアルさ」は、誰か一人の実在モデルを写したからというより、現実にありそうな思考や感情を細かく分解して再構成した結果と見るほうが自然です。
小雪は「人と関わるのが苦手な女の子」という記号だけではありません。
中学時代の経験から恋愛そのものに罪悪感を抱き、親しい相手以外とは距離を取る。それでも本心では人を傷つけたくない。
湊も「陽キャの距離ナシ男子」で終わらない。
誰とでも仲良くしようとする性格の奥には、自分が孤立する側に回ったとき誰にも助けてもらえないかもしれない、という恐怖があります。
美姫は人気者でありながら、周囲から求められる「明るいアイドルのような自分」と、本来の大雑把な自分とのずれに息苦しさを感じています。
陽太も、ただ優しいだけではない。美姫との関係を壊したくないから、自分の好意を長いあいだ隠しています。
実在モデルが示されていないのに、妙に「こういう人、いた」と感じてしまう。
たぶん、それこそが阿賀沢紅茶の人物造形の怖いところなんでしょうね。
原作者・阿賀沢紅茶はなぜ『氷の城壁』で心の距離をここまで描けたのか
『氷の城壁』を「すれ違う高校生たちの青春恋愛漫画」と説明することはできます。
でも、それだけだと少し綺麗すぎる。
この物語で描かれているのは、好きな人と結ばれるまでの甘い過程というより、自分を守るために身につけた癖が、いつの間にか他人を遠ざけてしまう怖さではないでしょうか。
ここからは筆者としての考察です。
阿賀沢紅茶作品では、「この人物はこういう性格です」という設定より、言葉を言う直前の迷い、相手の反応を見てから言葉を引っ込める動き、明るく振る舞ったあとに残る沈黙のほうが重要に見えます。
ただの優しい青春物語なら、小雪の壁は湊が壊して終わってもいい。
でも『氷の城壁』は、そうしません。
湊自身にも、人に近づき続けなければ不安になる理由がある。つまり「壁を作る小雪」と「壁を越えようとする湊」は、正反対に見えて、どちらも他人に見捨てられることを怖がっているんです。
ここ、かなりしんどい。
距離を取ることと、距離を詰めること。動きは正反対なのに、根っこに同じ孤独がある。

美姫と陽太にも同じ構造があります。
美姫は人から好かれる自分を演じることで関係を守り、陽太は好意を口にしないことで関係を守ろうとする。
どちらも優しく見えます。
でも、その優しさの中には「本当の自分を出したら、この関係は壊れるかもしれない」という恐怖が混じっている。
だから僕には、『氷の城壁』というタイトルの「城壁」は小雪だけのものには思えません。
全員が違う形の壁を持っている。
愛想の良さも、沈黙も、冗談も、気遣いも、ときには城壁になる。人間って、そんなに綺麗に本音だけで生きられないんだよね。
阿賀沢紅茶が『正反対な君と僕』でも「対等な関係」や「個としての自立」を重視していることを考えると、『氷の城壁』はそのテーマの原型だったとも読めます。
誰かに救ってもらうことをゴールにするのではなく、自分がなぜ壁を作ったのか、自分は本当は何を怖がっているのかを知ったうえで、それでも誰かと関わる。
恋愛より前に、まず一人の人間として相手を見る。
原作者について調べてから作品へ戻ると、この物語がなぜ恋の勝ち負けだけでは終わらないのかが、少し見えてくる気がします。
『氷の城壁』原作・原作者情報のまとめ
『氷の城壁』の原作は、阿賀沢紅茶による全117話のWebtoon漫画です。2017年冬にXOYで始まり、LINEマンガインディーズを経て、2020年からLINEマンガで公式連載されました。
原作完結後の2023年7月4日にコミックス第1・2巻が発売され、2025年2月4日の第14巻で書籍版も完結しています。
原作者の阿賀沢紅茶は大阪府出身の漫画家で、『正反対な君と僕』も代表作の一つです。作者の性別について女性と推測するメディアはありますが、本人の公式プロフィールとして明確に公表された情報とは分けて考える必要があります。
また『氷の城壁』はマーガレット本誌発の連載作品ではなく、LINEマンガ系のWebtoonとして生まれた作品です。一方、マーガレットでは付録や応募企画など数多くの展開が行われ、少女マンガグランプリ受賞歴もあります。
だから、「ジャンプなのか少女漫画なのか」と一つの棚へ押し込もうとすると、少しこぼれてしまう。
僕はむしろ、そのこぼれ方が『氷の城壁』らしいと思っています。
カテゴリーより先に人間の感情がある。
誰かを好きになる前に、自分が何を怖がっているのかがある。その順番を丁寧に描いたからこそ、小雪たちの物語はWebtoonからコミックス、そしてTVアニメへと長く残ったのではないでしょうか。
よくある質問
『氷の城壁』の原作は完結していますか?
はい。原作漫画は全117話で完結しています。コミックスも全14巻で、最終14巻は2025年2月4日に発売されました。
『氷の城壁』の作者・阿賀沢紅茶は女性ですか?
女性と推測して紹介しているメディアはありますが、今回確認できる公式プロフィールでは性別を明記した情報は確認できません。断定せず、「公表情報では明確ではない」と捉えるのが安全です。
『氷の城壁』はマーガレットの少女漫画ですか?
マーガレット本誌で始まった連載作品ではありません。XOYからLINEマンガへ展開したWebtoonで、単行本は集英社のジャンプ コミックスです。ただしマーガレットで多数の関連企画が行われ、少女マンガグランプリの受賞歴もあるため、少女漫画的な文脈とも強く結びついた作品です。
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