おじさんはカワイイものがお好きのドラマを紹介!あらすじ・出演者・原作との違い

落ち着いたスーツ姿の中年男性が自宅の棚に並ぶパグのぬいぐるみを優しく見つめる温かなドラマ風イメージ 未分類

ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』は、眞島秀和主演で2020年8月13日から9月10日まで放送された全5話のコメディ作品です。カワイイもの好きを隠す43歳の課長と、秘密を抱えた仲間たちの交流を描いています。

原作はツトムによる同名漫画。今井翼、桐山漣、藤原大祐らが出演し、原作の魅力を受け継ぎながら、登場人物の年齢や設定、人間関係にドラマ独自のアレンジが加えられています。

僕がこの作品で忘れられないのは、主人公の小路三貴が、大好きなキャラクターのグッズを堂々と手に取れないという、あまりにも小さく、けれど切実な葛藤です。

仕事もできる。周囲からの信頼も厚い。大人として何ひとつ不自由していないように見える男性が、たった一つの「好き」を誰にも打ち明けられない。

その姿はコメディとして微笑ましい一方で、どこか胸に引っかかります。

好きなものを好きだと言う。

それだけのことが、どうしてこんなに難しいのだろう。

この記事では、ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』のあらすじ、出演者、全5話の展開、原作漫画との違いを整理します。

後半では、最終話のネタバレにも触れながら、小路とケンタの関係が描き出した「秘密を共有すること」の意味について考えていきます。

  1. ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』とは?放送情報と全5話のあらすじ
    1. 2020年放送の全5話!眞島秀和主演のヒューマンコメディ
    2. 主人公・小路三貴の秘密とは?
    3. ドラマ序盤のあらすじ|秘密を守る小路に訪れた変化
    4. 第1話から最終話までの展開
  2. ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』の出演者・登場人物を紹介
    1. 小路三貴役・眞島秀和|秘密を抱える43歳の営業課長
    2. 河合ケンタ役・今井翼|小路が出会った初めての同志
    3. 鳴戸渡役・桐山漣|小路をライバル視する猫好き課長
    4. 仁井真純役・藤原大祐|少女漫画家を目指す18歳
    5. 小路を取り巻くその他の出演者
  3. 『おじさんはカワイイものがお好き。』ドラマと原作漫画の違いは?
    1. 原作はツトムの漫画!ドラマ化で変更された設定
    2. 違い① 小路とケンタ、鳴戸の年齢が変更されている
    3. 違い② 真純に少女漫画家志望という設定が追加された
    4. 違い③ 部下たちの趣味や職場での関係も具体化
    5. 違い④ 原作のエピソードを全5話に再構成
  4. ドラマ最終話の結末と考察|小路とケンタの関係はどうなる?
    1. 最終話のあらすじ|すれ違う同志とパグ太郎ドリームショー
    2. 考察① 「秘密を共有できる相手」がいることは本当に救いなのか
    3. 考察② メガネ拭きが象徴する小路の変化
    4. 考察③ ドラマが描いた「好き」という感情の本当の重さ
    5. まとめ|おじさんはカワイイものがお好きのドラマが伝えたもの
  5. よくある質問
    1. ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』は何話までありますか?
    2. ドラマと原作漫画で最も大きな違いは何ですか?
    3. ドラマの続編やアニメ版はありますか?

ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』とは?放送情報と全5話のあらすじ

2020年放送の全5話!眞島秀和主演のヒューマンコメディ

『おじさんはカワイイものがお好き。』は、読売テレビ製作・日本テレビ系列の「木曜ドラマF」で放送されたテレビドラマです。

放送期間は2020年8月13日から9月10日まで。毎週木曜日の23時59分から翌0時54分まで放送され、全5話で完結しました。

基本情報を整理すると、次のようになります。

項目 内容
作品名 おじさんはカワイイものがお好き。
放送期間 2020年8月13日~9月10日
放送局 読売テレビ・日本テレビ系列
放送枠 木曜ドラマF
話数 全5話
主演 眞島秀和
原作 ツトムの同名漫画
脚本 坪田文
監督 熊坂出
ナレーション 森七菜
音楽 眞鍋昭大
主題歌 サイダーガール「落陽」
制作協力 大映テレビ

作品のキャッチコピーは「彼らには、秘密があった。」。

ここでいう秘密とは、事件や犯罪につながるものではありません。

主人公が、カワイイものを心から愛しているということです。

大人の男性がカワイイものを好きであること自体、何もおかしなことではありません。それでも本人にとっては、周囲に知られたくない重大な秘密になっています。

この本人と周囲の認識のずれが、物語の笑いを生み出しているのです。

主人公・小路三貴の秘密とは?

主人公の小路三貴は、43歳の営業課長です。

オフィス内装を手掛ける会社で働き、仕事ぶりは優秀。容姿も整い、紳士的な態度から部下たちにも慕われています。

私生活では離婚を経験し、一人暮らしをしています。

そんな小路が何より愛しているのが、人気キャラクター「パグ太郎」です。

パグ太郎は、KDL(キットディランド)のキャラクター。原作の設定では身長約45センチメートルで、好きな食べ物はヨーグルトです。

小路は幼い頃、姉からパグ太郎のぬいぐるみをもらったことをきっかけに、その魅力に夢中になりました。

しかし学生時代、鞄につけていたぬいぐるみを周囲に笑われた経験があります。

そのとき小路は、自分が好きでつけているわけではないと、とっさに否定してしまいました。

この経験が心の傷となり、大人になった現在もカワイイもの好きを隠し続けています。

僕は、この過去の出来事が作品全体を理解するうえで重要だと思っています。

小路は単に世間体を気にしているのではありません。

自分の「好き」を一度、自分自身の言葉で否定してしまった。

だからこそ、もう一度それを肯定することが難しいのでしょう。

ドラマ序盤のあらすじ|秘密を守る小路に訪れた変化

物語は、小路のもとに甥の仁井真純がやって来るところから動き出します。

アメリカから来日した大学生の真純は、小路の自宅にしばらく居候することになります。

ところが、小路にとって同居生活は重大な問題でした。

自宅には、大好きなパグ太郎のグッズが数多くあるからです。

自分の趣味を知られたくない小路は、泣く泣くグッズを片づけます。

自宅でさえ本来の自分を見せられなくなる。

この状況は笑えるのですが、同時に少し切ない。

仕事では誰からも頼りにされる男性が、自分の部屋で好きなものを自由に飾れないのです。

さらに、小路が大切にしていたパグ太郎のキーホルダーを紛失する事件が発生します。

それを手にして現れたのは、小路をライバル視している同僚の鳴戸渡でした。

秘密が知られるかもしれない。

小路にとっては、それだけで平穏な日常が崩れてしまいそうな出来事です。

そんななか、パグ太郎のガチャコーナーで何度か顔を合わせていた河合ケンタとの交流が始まります。

ケンタもまた、カワイイものを愛する男性でした。

自分と同じ趣味を持つ人間がいる。

それまで孤独に趣味を楽しんできた小路にとって、この出会いは大きな転機になります。

第1話から最終話までの展開

ドラマは全5話という短い構成ですが、小路の秘密、同志との友情、職場での関係が段階的に描かれています。

  • 第1話(8月13日):カワイイもの好きであることを隠す小路の日常と、秘密が知られそうになる危機。
  • 第2話(8月20日):ケンタという初めての同志と、ファンシーショップへ出かける交流。
  • 第3話(8月27日):出張先でのご当地グッズ探しと、元妻・武林穂歩の登場。
  • 第4話(9月3日):小路がケンタへのサプライズに挑戦し、二人の関係が揺れ動く。
  • 最終話(9月10日):すれ違った小路とケンタが、パグ太郎ドリームショーをめぐって再び向き合う。

序盤では「カワイイものが好きなのに隠している」という設定そのものが笑いの中心です。

しかし、物語が進むにつれて、その秘密を誰かと共有できる喜びや、関係を失うことへの不安が前面に出てきます。

この変化こそ、単純なキャラクターコメディでは終わらない本作の魅力だと感じます。

※画像はAIによるイメージ

ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』の出演者・登場人物を紹介

小路三貴役・眞島秀和|秘密を抱える43歳の営業課長

主人公の小路三貴を演じたのは、眞島秀和さんです。

小路は職場では落ち着いた大人の男性ですが、パグ太郎を前にすると感情が大きく揺れ動きます。

この外面と内面の落差が、ドラマの中心にあります。

眞島さんの演技で注目したいのは、感情を表に出す場面以上に、何かを隠そうとする瞬間です。

本当は喜びたい。

けれど、人に見られているかもしれない。

その葛藤を抱えた小路の姿が、作品独特のユーモアを支えています。

幼少期の小路は佐藤遙灯さん、少年期は高野洸さんが演じています。

過去の経験が現在の小路に影響していることを考えると、彼の子ども時代も見逃せません。

河合ケンタ役・今井翼|小路が出会った初めての同志

河合ケンタを演じたのは、今井翼さんです。

ケンタは、小路が勤務する会社と同じビルに入っているデザイン会社で働くデザイナー。

小路と同様にカワイイものが大好きで、特に「くまちゃんのようちえん」を気に入っています。

二人の関係を表す言葉が「同志」です。

上司でも部下でもなく、年齢や立場を超えて趣味を共有できる相手。

小路にとってケンタは、単に話の合う友人ではありません。

それまで秘密にしていた自分自身を、否定せずに受け止めてくれる存在です。

ただし、同じ趣味を持っているからといって、すべての価値観が一致するわけではありません。

二人の距離が近づくほど、考え方の違いや誤解も生まれます。

だからこそ、最終話のすれ違いには重みがあるのでしょう。

鳴戸渡役・桐山漣|小路をライバル視する猫好き課長

鳴戸渡役は桐山漣さんです。

鳴戸は小路の隣の課で働く課長で、仕事のできる小路に強いライバル意識を抱いています。

感情的になりやすく、周囲からは距離を置かれがちな人物です。

しかし、そんな鳴戸にも秘密があります。

実は、大の猫好きなのです。

小路がパグ太郎を愛しているように、鳴戸にも心を奪われる存在がいる。

僕は、この設定がとても巧みだと思います。

表面的には対立している二人ですが、実際には似たような弱さを持っています。

自分の大切な部分を他人に知られたくないという気持ちは、二人に共通しているのです。

つまり鳴戸は、単なる嫌味なライバルではありません。

別の形で秘密を抱える小路の姿を映し出す、鏡のような人物でもあります。

仁井真純役・藤原大祐|少女漫画家を目指す18歳

小路の甥・仁井真純を演じたのは、藤原大祐さんです。

真純は18歳の大学生で、アメリカから来日して小路の家に居候します。

素直で思いやりがあり、周囲の気持ちを明るくする青年です。

ドラマ版では少女漫画家を目指しているという設定が加えられ、物語のなかで自身の夢とも向き合っていきます。

興味深いのは、真純が小路のカワイイもの好きに気づいていないことです。

小路にとって真純は、秘密を守らなければならない相手。

一方、真純にとって小路は、大切な家族であり、頼れる存在です。

この認識のずれが、二人の同居生活に独特の温かさを生んでいます。

また、真純の何気ない一言が、周囲の大人たちを動かすこともあります。

大人のほうが経験も知識も豊富なのに、若い真純のほうが自然体で人に接することができる。

そんな対比も印象的です。

小路を取り巻くその他の出演者

主要人物以外にも、小路の職場や過去に関わる登場人物が物語を彩ります。

茂科莉央役は富田望生さん。小路の部下で、彼に強い憧れを抱いていますが、その感情は恋愛というよりアイドルを応援する気持ちに近いものです。

ドラマでは、アイドルグループ「DMB43」のファンという設定も加えられています。

臼間未来役は愛加あゆさん。茂科を見守る同僚で、美容やコスメが好きという特徴があります。

木庭春生役は水間ロンさん。空気を読むのが得意ではない、お調子者の部下です。

古宇東二役には佐藤正和さんが出演しています。

さらに第3話では、小路の元妻で元上司でもある武林穂歩が登場。山本未來さんが演じました。

物語のナレーションは森七菜さんが担当しています。

こうして見ると、登場人物にはそれぞれ好きなものや、他人には見せていない感情があります。

カワイイもの好きという共通点だけでなく、趣味に向き合う姿勢の違いまで描かれているのが特徴です。

※画像はAIによるイメージ

『おじさんはカワイイものがお好き。』ドラマと原作漫画の違いは?

原作はツトムの漫画!ドラマ化で変更された設定

ドラマの原作は、ツトムさんによる漫画『おじさんはカワイイものがお好き。』です。

2017年7月6日からWeb漫画サイト「COMIC ポラリス」で連載が始まり、フレックスコミックスのポラリスCOMICSから単行本が刊行されました。

2026年10月15日には第13巻が発売されています。

ドラマ化された2020年当時は、原作コミックスが第4巻まで刊行されていました。

そのためドラマでは、原作のエピソードを生かしながら、全5話という放送形式に合わせて物語が構成されています。

原作者のツトムさんも、読売テレビのドラマ公式サイトで、原作の内容を広げたり凝縮したりしたことに触れています。

つまり、ドラマは漫画をそのまま再現したものではありません。

原作が大切にしている「好き」という感情を土台にしながら、実写ならではの人物描写を加えた作品なのです。

違い① 小路とケンタ、鳴戸の年齢が変更されている

まず、わかりやすい違いが登場人物の年齢です。

原作漫画では小路三貴が40歳ですが、ドラマでは43歳に設定されています。

河合ケンタは原作の28歳から38歳へ、鳴戸渡は35歳から36歳へと変更されました。

特に大きいのは、小路とケンタの年齢差です。

原作では二人の差は12歳ですが、ドラマでは5歳です。

この変更によって、二人の関係の印象は変わってきます。

原作では世代の違う男性同士が趣味を通じてつながる構図が強調されますが、ドラマでは比較的年齢の近い大人同士の友情として受け取りやすくなっています。

どちらが優れているという話ではありません。

同じ「同志」でも、年齢差によって関係性の見え方が変わるところが興味深いのです。

違い② 真純に少女漫画家志望という設定が追加された

ドラマと原作の違いで、特に注目したいのが仁井真純です。

原作の真純は、気遣いのできる優しい大学生として描かれています。

一方、ドラマ版では少女漫画家を目指しているという設定が追加されました。

演じた藤原大祐さんも、当時のインタビューで、監督から真純はドラマ独自の人物像として描かれていると説明されたことを明かしています。

原作では比較的大人びた印象の真純が、ドラマでは明るく無邪気な雰囲気を強めています。

この違いは、単なる性格変更ではありません。

小路が「好きなものを隠す人間」であるのに対して、真純は「好きなものを仕事にしたい人間」です。

同じ好きという感情に向き合いながら、二人の行動は大きく異なります。

小路は周囲の評価を恐れ、真純は夢に向かって前に進もうとする。

僕には、この対比がドラマ版で真純の設定を変更した重要な意味の一つに思えます。

違い③ 部下たちの趣味や職場での関係も具体化

ドラマ版では、職場の登場人物にも新しい設定が加えられています。

例えば、茂科莉央にはアイドルグループ「DMB43」を応援しているという趣味があります。

臼間未来には、美容やコスメを好む設定が追加されました。

これらは一見すると、物語の本筋とは直接関係がないようにも思えます。

しかし、小路だけが特別な趣味を持っているわけではないと示す効果があります。

誰かはキャラクターを応援し、誰かはアイドルを追いかけ、誰かは美容を楽しむ。

「好き」の対象は違っても、何かに心を動かされるという点では同じです。

そして、ドラマでは小路の職場がオフィス内装を手掛ける会社として具体化され、営業課長としての立場が描かれています。

職場と私生活の落差が、実写の空間でわかりやすく表現されているのです。

違い④ 原作のエピソードを全5話に再構成

原作漫画は、登場人物の日常や細かな感情の変化を、複数のエピソードを通して描いています。

対してドラマは全5話です。

そのため、小路とケンタの出会い、交流、すれ違い、関係の変化が、限られた話数のなかでつながるように整理されています。

原作の出来事をすべて同じ順番で映像化したわけではなく、ドラマとしての流れを重視した構成になっています。

読売テレビの公式情報でも、Huluオリジナルストーリーには、ドラマ本編の脚本完成後に更新された原作エピソードが取り入れられたと説明されています。

原作と映像作品が互いに影響を与えながら広がっていったことがわかります。

なお、2026年10月4日からはテレビアニメ版も放送が始まりました。

アニメでは小路三貴を興津和幸さん、河合ケンタを江口拓也さん、鳴戸渡を梶裕貴さん、仁井真純を村瀬歩さんが演じています。

ただし、2020年の実写ドラマとは別作品です。

ドラマならではの魅力を知りたい場合は、俳優の表情や会話の間、そして年齢や設定の変更に注目すると、原作との違いがより明確になるでしょう。

※画像はAIによるイメージ

ドラマ最終話の結末と考察|小路とケンタの関係はどうなる?

最終話のあらすじ|すれ違う同志とパグ太郎ドリームショー

ここからは、ドラマ最終話の内容に触れます。

最終話の放送日は2020年9月10日。タイトルは「小路さん、走る!」です。

この時点で、小路とケンタの関係にはすれ違いが生じていました。

ケンタから、しばらく会えないという趣旨の言葉を告げられた小路は、そのことが頭から離れません。

二人で趣味を楽しめるようになったはずなのに、その関係が失われてしまうかもしれない。

そんな不安が、小路の気持ちを沈ませます。

小路は以前、ケンタを驚かせるために「パグ太郎ドリームショー先行体験」に応募し、当選していました。

しかし、二人の関係がぎくしゃくしてしまった今、その知らせを素直に喜ぶことができません。

楽しみにしていたイベントのCMさえ、切ない気持ちを呼び起こします。

さらに小路は、ケンタからもらったパグ太郎のメガネ拭きを職場で落としてしまいます。

秘密が知られることを恐れて動揺する小路。

すると鳴戸が、そのメガネ拭きは自分のものだと申し出ます。

敵対的にも見えた鳴戸が、なぜそのような行動を取ったのか。

ここに、彼自身の秘密や小路との関係の変化が重なってきます。

一方、真純のもとには出版社から連絡が届きます。

漫画家デビューに向けて話がしたいという知らせでした。

夢に近づく喜びと不安を抱えた真純は、その気持ちを鳴戸に打ち明けます。

そして迎える、パグ太郎ドリームショーの当日。

小路とケンタは、すれ違ったまま終わるのではなく、再び互いに向き合う機会を迎えます。

最終話は、二人の関係に希望を残す結末として描かれています。

なお、本編後のHuluオリジナルストーリー「小路さんたちのホームパーティー」では、漫画家デビューを祝われる真純の姿も描かれます。

小路が真純のためにパーティーを企画し、ケンタにも準備を手伝ってもらうという内容です。

この後日談は、登場人物たちの関係をもう少し穏やかな時間のなかで見つめるエピソードになっています。

考察① 「秘密を共有できる相手」がいることは本当に救いなのか

ここからは、僕自身の解釈です。

小路とケンタの関係は、一見すると美しい友情の物語に映ります。

共通の趣味を持つ者同士が出会い、それまで一人で抱えていた喜びを分かち合えるようになる。

それ自体は、確かに温かな変化です。

しかし僕は、二人の関係が深まるほど、小路が新しい不安を抱えるようになったことも重要だと考えています。

秘密を誰にも知られていない間、小路の世界は孤独でした。

けれど、誰かに拒絶される危険も比較的小さかった。

一方、ケンタに自分の趣味を打ち明けたことで、小路は理解される喜びを知ります。

同時に、その理解者を失う怖さも知ってしまった。

ここが、どうにも切ない。

誰かとつながることは、必ずしも安心だけをもたらすわけではありません。

大切な相手ができれば、その人に誤解されたくない、嫌われたくないという感情も生まれます。

小路がケンタの言葉に傷つくのは、それだけ相手の存在が大きくなったからなのでしょう。

僕はこの作品を、単に趣味仲間ができてよかったという物語ではなく、他者と本当の意味で関わり始めた大人の物語として受け止めています。

考察② メガネ拭きが象徴する小路の変化

最終話で印象的なのが、ケンタからもらったパグ太郎のメガネ拭きです。

パグ太郎のグッズは、小路にとって昔から大切な存在でした。

しかし、ケンタにもらったメガネ拭きには、それまでのグッズとは少し異なる意味があるように感じます。

それは、自分一人の趣味の証ではありません。

誰かが自分の好みを理解し、選んでくれたものです。

つまり、小路とケンタの関係そのものを思い出させる品なのです。

それを職場で落としてしまう場面には、二重の不安が重なります。

一つは、周囲に趣味が知られてしまう恐怖。

もう一つは、ケンタとのつながりを象徴する大切なものを失いかねない恐怖です。

そして、その場で鳴戸が助け舟を出します。

かつては小路を追い詰める側にも見えた鳴戸が、秘密を守る立場へと変わっていく。

この変化には、意外な温かさがあります。

鳴戸自身も猫好きという秘密を抱えているからこそ、他人の知られたくない気持ちを理解できるのかもしれません。

もちろん、鳴戸の行動のすべてを善意だけで説明することはできないでしょう。

ただ、相手を理解することと、相手に好意を持つことは、必ずしも同じではありません。

ライバルのままでも、守れるものがある。

そう考えると、小路と鳴戸の関係もまた、単純な対立から一歩先へ進んでいるように見えてきます。

考察③ ドラマが描いた「好き」という感情の本当の重さ

僕がこのドラマを見つめるうえで、どうしても戻ってしまうのが、小路の学生時代の経験です。

パグ太郎を好きだという気持ちを笑われ、思わず自分の趣味を否定してしまった過去。

誰かの心ない反応によって、人は自分の大切なものを隠すようになります。

けれど、その後ずっと苦しめられるのは、他人の言葉だけではありません。

自分自身が一度、好きなものを好きではないと言ってしまった記憶です。

小路は仕事ができる大人になっても、その記憶を抱えたまま生きています。

だから、この作品の本当のテーマは、単に周囲から趣味を認めてもらうことではないと僕は思います。

自分自身が、自分の「好き」をもう一度認めること。

そこにこそ、小路の変化の核心があるのではないでしょうか。

原作からドラマへの変更で、ケンタの年齢が小路に近づけられたことも、この主題を別の角度から強めています。

年齢の近い大人同士でも、自分の趣味を打ち明けるには勇気が必要なのです。

年を重ねれば、他人の目が気にならなくなるとは限りません。

社会的な立場ができるほど、守りたい自分のイメージも増えていきます。

だからこそ、43歳の小路が自分の感情に向き合う姿には、若い主人公の成長物語とは異なる重みがあります。

もう十分に大人なのに、まだ怖い。

でも、変わりたい。

その不器用さが、僕にはたまらなく愛おしく感じられます。

まとめ|おじさんはカワイイものがお好きのドラマが伝えたもの

ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』は、2020年に放送された全5話のヒューマンコメディです。

主演の眞島秀和さんを中心に、今井翼さん、桐山漣さん、藤原大祐さんらが、秘密や葛藤を抱える人物たちを演じました。

原作漫画と比較すると、登場人物の年齢や真純の将来の夢、職場の人物設定などに変更があります。

しかし、好きなものを大切にしたいという根本的なテーマは共通しています。

小路とケンタがすれ違いながらも関係を育んでいく姿は、趣味を共有する喜びだけでなく、理解し合うことの難しさも教えてくれます。

誰かに認めてもらうことより前に、自分自身が好きなものを否定しない。

僕は、この作品が伝えようとしているのは、そんな静かで切実な願いではないかと感じています。

そして、パグ太郎を大切そうに見つめる小路の姿を思い出すたびに、こう考えるのです。

好きなものを好きだと言える場所が、一つでもあればいい。

本当に、それだけで救われることがあるのだろうと。


よくある質問

ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』は何話までありますか?

2020年8月13日から9月10日まで放送された全5話です。別途、Huluオリジナルストーリー『小路さんたちのヒミツのおはなし』が全3話制作されています。

ドラマと原作漫画で最も大きな違いは何ですか?

登場人物の年齢変更と、仁井真純に少女漫画家志望という設定が加えられた点が主な違いです。原作のエピソードも、全5話のドラマに合わせて再構成されています。

ドラマの続編やアニメ版はありますか?

2020年の実写ドラマとは別に、2026年10月4日からテレビアニメ版が放送されています。提供された資料では実写ドラマの続編制作は確認できず、アニメ版は別のスタッフ・キャストによる映像化です。

相沢 透(あいざわ・とおる)

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