『薬屋のひとりごと』48話は、子の一族の騒乱が終わり、楼蘭が命懸けで守った子どもたちの運命と、猫猫たちの新しい人生が描かれる最終回です。
しかし、すべてが解決したわけではありません。最後に現れる「玉藻」という女性、壬氏と猫猫の関係、そして別々の道を歩き始める友人たち。第48話「はじまり」は、別れの物語であると同時に、未来への希望を残した一話でした。
『薬屋のひとりごと』48話「はじまり」はどんな展開?最終回のあらすじを解説
第48話「はじまり」は、2025年7月4日に放送されたアニメ第2期の最終話です。第2期の第24話にあたり、シリーズ通算では第48話となります。
2025年1月10日に始まった第2期は、玉葉妃の妊娠をきっかけに猫猫が翡翠宮の毒見役へ戻るところから、大きな政治的陰謀へと発展していきました。
子の一族が鎮圧され、砦に夜明けが訪れる
第47話「子の一族」では、囚われていた猫猫が保護され、壬氏たちが子の一族の反乱を鎮圧するために動きます。
一族の長である子昌は、反逆の罪で拘束される状況に追い込まれながらも、どこか余裕を感じさせる態度を見せていました。
一方、楼蘭は母・神美のもとへ向かい、子の一族に隠されていた秘密を明かしていきます。
この一連の事件で、後宮の淑妃だった楼蘭と、猫猫たちの友人だった子翠が同一人物であることも、物語の重要な意味を持つようになりました。
そして第48話の舞台は、騒乱が収まった翌朝です。
砦から運び出された子どもたちのそばで、猫猫は眠っていました。そこへ壬氏が姿を現します。
公式に公表されたあらすじでも、二人が互いの負傷を気遣いながら、楼蘭が残したものについて考える展開が示されていました。
ここで印象的なのは、物語が勝者の喜びではなく、傷を負った人々の静かな時間から始まることです。
国を揺るがした事件が終わっても、失われたものが戻ってくるわけではない。
猫猫と壬氏が向き合うのは、反乱の結果だけではありません。楼蘭という一人の女性が、何を守ろうとしていたのかという問いなのです。
壬氏の傷を手当てする猫猫
夜明けの砦で、猫猫は壬氏の顔に残った傷を気にかけます。
壬氏は、その美しい容姿によって人々の視線を集めてきた人物です。しかし、今回の騒乱では、その顔にも傷が刻まれました。
猫猫は傷を手当てしながら、以前より男前になったという趣旨の言葉をかけます。
僕は、この場面がとても好きです。
容姿の美しさを失うことは、壬氏にとって決して小さな問題ではないはずです。それでも猫猫は、傷を負った姿を否定するどころか、そこに別の魅力を見いだしています。
まるで、彼がこれまで背負ってきたものまで受け止めるように。
そして、二人の距離が縮まりかけた瞬間、思いがけない出来事が起こります。
死んだと思われていた子どもが、息を吹き返したのです。
この瞬間から、第48話は悲劇の後始末ではなく、命を取り戻す物語へと変わっていきます。
PR
アニメの続き、原作で先に読みませんか?
ブックライブは登録無料・月額なしの買い切り型。初回登録の70%OFFクーポンで、好きな1冊が約7割引で読めます。
※クーポンは1冊分・受け取りから24時間有効。一部対象外あり。価格は変動する場合があります。
登録は無料。無料作品・試し読みは登録なしでも使えます
まずアニメを見返したい人へ。
DMM TV は14日間無料。対象作品は見放題、登録で550ポイント付き(以降は月額550円)。
楼蘭は何を守った?子どもたちの復活と託された願い
第48話の中心にある謎は、楼蘭が子どもたちに薬を飲ませた理由です。
その答えは、子どもたちを本当に死なせるためではなく、死んだように見せて生き延びさせるためだったというものでした。
死んだはずの子どもたちが目を覚ます
子の一族の鎮圧では、一族に属する者たちの命が危険にさらされていました。
とくに子どもたちは、自分の意思で反乱に加わったわけではありません。それでも、一族の血を引くという理由だけで処罰される可能性があったのです。
楼蘭は、そんな子どもたちに仮死状態を引き起こす薬を使っていました。
この薬は翠苓が関わってきた蘇生薬に通じるもので、一時的に生命活動を極端に弱め、死んだような状態にするものでした。
猫猫が子どもの異変に気づいたことで、彼らの命がまだ失われていないと判明します。
そして、猫猫や翠苓たちによる対応が始まるのです。ANIME FREAKS+1
ただし、ここには厳しい現実もありました。
蘇生薬は安全性が確立されたものではなく、目覚めたとしても身体への影響が残る危険があります。
実際に、子どもの一人である響迂には、記憶や身体機能に障害が残りました。
命を救うことと、以前と同じ生活に戻れることは違う。
その事実が、この奇跡を単純な幸福の物語にしていないのだと思います。
楼蘭はなぜ猫猫を必要としたのか
楼蘭は、子どもたちを生き延びさせるために、二つの条件を整えようとしていたと考えられます。
一つは、彼らを死亡したものとして扱わせること。
もう一つは、仮死状態から回復した子どもたちを救える人物を、その場に置くことです。
猫猫には薬に関する知識があり、普通なら見逃してしまう身体のわずかな変化にも気づく力があります。
楼蘭が猫猫を後宮から連れ出した背景には、彼女の知識を頼りにする意図があったと読み取れます。
さらに楼蘭は、壬氏に対しても、一度死んだことになった者たちを自由にしてほしいという趣旨の願いを残していました。
これは、非常に重い意味を持ちます。
子どもたちの命が助かっても、反逆者の一族として再び追われるのであれば、本当の意味で救われたことにはならないからです。
楼蘭は単に命をつなぐだけでなく、その先の人生まで守ろうとしていたのでしょう。
……でも、その未来に自分自身が含まれていなかったように見えることが、どうしても苦しい。
彼女は多くの選択肢を持ちながら、最後まで自分の自由より、他者が生き延びる可能性を優先したように見えるのです。
響迂は趙迂になり、子どもたちは新しい居場所へ
生き残った子どもたちのうち、響迂は記憶を失い、身体にも後遺症を抱えることになります。
その後、名前を趙迂と改め、猫猫のいる花街で生活することになりました。
ほかの子どもたちは、元妃である阿多の保護を受けることになります。
また、翠苓も生き残り、監視を受けながら阿多のもとに身を置くことになりました。
一族としての立場や、それまで暮らしていた環境は失われました。それでも、彼らには新しい生活が与えられたのです。
僕はここに、楼蘭が本当に望んだ結末があったのではないかと感じます。
子どもたちが子の一族として生き続けることではなく、一族の運命から切り離された、一人の人間として生きること。
命だけではなく、名前や居場所まで変わるという展開には、その願いが静かに表れているように思えるのです。

猫猫と壬氏の関係はどうなった?第48話に描かれた変化
第48話では、猫猫と壬氏の距離も大きく変化しました。
しかし、二人が正式に結ばれたわけではありません。互いを気遣う感情が強く表れる一方で、身分や立場、そして猫猫自身の気持ちについては、まだ答えが出ていないのです。
傷ついた壬氏を猫猫はどう見ていたのか
壬氏はこれまで、周囲から美しさや身分によって評価されることの多い人物でした。
そんな彼の顔に残った傷を、猫猫は単なる欠点として扱いません。
この違いは重要です。
壬氏が猫猫に惹かれる理由の一つは、彼女が周囲の人々とは違う視点で自分を見ることにあるのでしょう。
容姿に惑わされず、ときには容赦のない態度を取り、必要なら正面から意見する。
そうした猫猫の態度は、壬氏にとって、自分を特別扱いしない関係を与えてきました。
今回、猫猫が傷を負った壬氏を肯定的に受け止めた場面も、その延長線上にあると思います。
美しいから価値があるのではない。
傷を負い、責任を背負った今のあなたも、あなたなのだと。
猫猫がそこまで意識して言ったかどうかは分かりません。それでも、壬氏にとってその言葉が特別だったことは、二人の距離の変化から感じ取れます。
花街での再会と、縮まりそうで縮まらない距離
騒乱の後、猫猫は後宮を離れ、花街の薬屋としての日常へ戻ります。
養父の羅門は宮中に残り、猫猫自身は趙迂の世話をしながら、新しい生活を始めることになりました。
そこへ壬氏が訪ねてきます。
壬氏は、砦で近づきかけた二人の関係を進めようとしますが、趙迂が現れたことで、その場は中断されます。
その後、疲れ切った壬氏は、猫猫に身を預けるように眠ってしまいます。
ここで僕が気になったのは、壬氏が積極的に迫った場面以上に、最後に眠ってしまうところです。
彼は国の問題を背負い、子の一族の事件でも重い判断を迫られてきました。
そんな人物が、猫猫のそばでは無防備な姿を見せる。
恋愛感情だけでは説明しきれない信頼が、ここにはあるように感じます。
一方で、壬氏の強引な接近については、単純に愛情表現として美化できない部分もあります。
猫猫がどのような関係を望み、どこまで受け入れるのかは、壬氏の思いとは別の問題だからです。
二人の関係が進展したことと、二人の気持ちが完全に一致したことは同じではありません。
この微妙な距離感こそ、『薬屋のひとりごと』の二人らしいところだと思います。
小蘭からの手紙と、猫猫が流した涙
第48話でもう一つ忘れられないのが、小蘭から届いた手紙です。
翡翠宮の侍女である赤羽が、花街に戻った猫猫のもとを訪れ、小蘭から託された手紙を届けます。
小蘭は後宮を離れ、別の場所で働くことになっていました。
彼女の手紙には、猫猫や子翠を懐かしみ、また一緒に過ごしたいという思いが込められています。
その内容に触れた猫猫は、涙を流します。
普段の猫猫は、感情を表に出しすぎない人物です。
危険な事件に巻き込まれても、まず状況を観察し、必要なことを考えようとします。
けれど、小蘭の手紙は違いました。
そこには解くべき謎も、暴くべき陰謀もありません。ただ、友人と過ごした時間への懐かしさがあるだけです。
だからこそ、猫猫は自分の感情をごまかせなかったのかもしれません。
猫猫、小蘭、子翠。
三人で過ごした後宮の日々は、政治や身分とは別のところにあった、ささやかな友情の時間でした。
事件によってその日常が失われたことを、猫猫は手紙を通して改めて実感したのでしょう。
……あの涙を思うと、胸が締めつけられます。
猫猫が失ったと感じているものは、単に友人と会えなくなったことだけではない。
もう二度と同じ形では戻ってこない、三人で笑っていた時間そのものなのだと思います。

『薬屋のひとりごと』48話ラストの意味とは?玉藻の正体と簪の謎
第48話のラストで、最も重要なのは港町に現れる「玉藻」という女性です。
彼女は、楼蘭が別の名前と姿で生き延びたことを強く示す存在として描かれています。
楼蘭は本当に死んだのか?
第47話で、楼蘭は銃撃を受け、砦の高所から落下しました。
そのため、彼女は死亡したと思われていました。しかし、第48話でも遺体は発見されていません。
そして物語の最後、港町に一人の女性が登場します。
彼女は「玉藻」と名乗り、露店で蝉の形をした玉の飾りに興味を示します。
さらに、店主との物々交換に使おうとしたのが、猫猫から楼蘭に渡されたものとよく似た簪でした。
その簪には、銃弾が当たったような痕跡があります。
髪型こそ違いますが、女性の容姿や表情は子翠を思わせるものであり、声を担当しているのも楼蘭役の瀬戸麻沙美さんです。
こうした描写を合わせると、玉藻は生き延びた楼蘭、つまり子翠本人であると解釈するのが自然でしょう。 ANIME FREAKS
この場面は、単なる意外な展開ではありません。
猫猫が救いたいと願っていた友人にも、新しい人生が残されていたことを知らせる結末なのです。
ただし、劇中だけでは、楼蘭が落下後にどのように救助され、回復したのかという経緯のすべてが説明されるわけではありません。
簪の痕跡は重要な手がかりですが、それだけで身体のどの部分を守ったのかまで厳密に確定できるわけではない点には注意が必要です。
簪が持つ意味は「約束」から「生存の証」へ
楼蘭の生存を考えるうえで、猫猫から渡された簪は欠かせない存在です。
もともとは壬氏から猫猫へ渡されたものでしたが、猫猫はそれを楼蘭に託していました。
彼女にとって、その行動には生きて戻ってほしいという願いが込められていたと考えられます。
そしてラストでは、その簪を持つ女性が生きた姿で現れます。
ここで一つ、注目したいことがあります。
簪は、持ち主が変わるたびに意味も変化しているのです。
壬氏から猫猫へ渡ったとき、それは二人の関係を感じさせる品でした。
猫猫から楼蘭へ渡ったときには、友人の生存を願う品となります。
そして最後には、楼蘭が生き延びたことを示す手がかりになりました。
それほど重要な簪を、玉藻は蝉の飾りと交換してしまいます。
最初は少し意外に思える行動かもしれません。
しかし、僕にはこの選択が、楼蘭という人物の未来を象徴しているように感じられます。
彼女は簪を持ち続けることで過去を忘れずにいるのではなく、それを手放して前へ進む道を選んだ。
猫猫から託された「生きてほしい」という願いを、もう形ある品として持っている必要はなかったのかもしれません。
蝉の飾りは何を象徴しているのか
玉藻が手に入れたのは、蝉をかたどった玉の飾りです。
蝉は地中で長い時間を過ごし、地上へ出ると姿を変えます。その生態は、古くから再生や変化の象徴として捉えられることがあります。
また、古代中国では、玉で作られた蝉を葬送に用いる文化もありました。
こうした背景を踏まえると、蝉の飾りを選んだ場面には象徴的な意味を読み取れます。
楼蘭としての人生は、一度終わった。
しかし、玉藻としての人生は、これから始まる。
蝉が殻を脱ぐように、彼女はかつての身分や名前から抜け出したのではないでしょうか。
さらに、子翠はもともと虫に強い関心を示す人物でした。
その彼女が最後に蝉の飾りを選ぶことも、単なる偶然とは思えません。
楼蘭という役割を捨てても、子翠として持っていた好奇心は失われていない。
僕はそこに、彼女が自分自身を取り戻した証を見るのです。

第48話「はじまり」の考察|残された謎と登場人物たちの本音
第48話が「おわり」ではなく「はじまり」と名付けられている理由は、事件が収束しても、それぞれの人生がまだ続いているからだと僕は考えています。
ただし、この結末を美しい再出発の物語としてだけ受け取ることには、少し抵抗があります。
なぜなら、登場人物たちは新しい未来を得るために、多くのものを失っているからです。
楼蘭の優しさは、本当に救いだったのか
楼蘭は子どもたちを救い、子の一族の運命から解放しようとしました。
結果だけを見れば、非常に献身的な行動です。
けれど、その優しさはあまりにも自分自身を犠牲にしています。
彼女は、猫猫や壬氏に自分の意図をすべて説明するのではなく、限られた言葉と行動によって未来を託しました。
そこには、自分が理解されることを諦めているような寂しさも感じられます。
人は本当に苦しいときほど、助けてほしいと言えなくなることがあります。
楼蘭もまた、誰かを救う方法を考えることには長けていても、自分自身が救われる未来については、最後まで十分に信じられなかったのではないでしょうか。
ここで僕が注目したいのは、猫猫との関係です。
子翠として過ごした時間には、政治的な役割とは違う彼女の一面がありました。
虫に興味を持ち、友人と過ごし、何気ない会話を交わす。
それは、後宮で淑妃として振る舞う楼蘭とは別の、自然な姿だったのでしょう。
もし彼女が本当に望んでいたものが、自分の意思で生きることだったなら。
子どもたちを救う計画も、一族の責任から彼らを解放すると同時に、自分自身が背負ってきた運命に終止符を打つ行動だったのかもしれません。
ただの優しい犠牲には見えないのです。
誰かを守るために、相手との未来を自分から切り離してしまう。
そこには、愛情と諦めが混ざり合った、非常に複雑な感情があるように思います。
……どうして、自分が幸せになる可能性まで捨てようとしたんだろう。
そう問いかけたくなるほど、楼蘭の行動は静かで、重いものでした。
だからこそ、最後の玉藻の姿には救われます。
彼女にも、自分のために生きる時間が残されていた。
それだけで、この結末を見る意味があったと思えるのです。
猫猫が泣いた理由は、楼蘭を失った悲しみだけではない
小蘭の手紙を読んだ猫猫が涙を流す場面も、単なる友情の美談として片づけられません。
この場面では、猫猫が感情を抑えてきた時間そのものに注目したいのです。
猫猫は、事件が起これば観察し、推理し、解決策を考えます。
危険に直面しても、感情より先に頭を働かせようとする人物です。
しかし、事件が終わった後はどうでしょう。
謎を解いても、子翠が友人として隣にいた時間は戻りません。
薬の知識があっても、小蘭と三人で過ごした日々を元どおりにすることはできません。
ここに、猫猫がこれまで向き合ってきた事件とは異なる、どうしようもなさがあります。
僕は、彼女の涙は単なる喪失感だけでなく、失った日常がどれほど大切だったのかを知った涙でもあると思います。
後宮という閉ざされた場所で、三人はそれぞれ異なる事情を抱えていました。
それでも、一緒にいる時間だけは、身分や政治的な立場とは関係のない友人でいられた。
その小さな自由が、実はかけがえのないものだったのでしょう。
手紙に触れた猫猫は、きっとその時間の温かさを思い出したはずです。
だから泣けたのではないでしょうか。
強くあろうとしなくてもいい時間が、ようやく訪れたから。
もう、しんどすぎる。
謎を解いてきた猫猫が、最後に自分自身の感情と向き合わなければならない。
この構造が、僕にはたまらなく切なく感じられます。
壬氏と猫猫の関係には、まだ答えが出ていない
壬氏と猫猫についても、第48話は明確な結論を出していません。
二人の距離は確かに縮まりました。しかし、壬氏の身分に関わる事情や、猫猫がこれからどのような人生を望むのかという問題は残されています。
とくに壬氏の出生や立場は、物語の初期から積み重ねられてきた重要な要素です。
彼が猫猫と個人的な関係を深めることは、単に二人の恋愛感情だけで決められる問題ではないでしょう。
ここで興味深いのは、壬氏が猫猫のそばで眠る場面です。
彼は猫猫に対して強い思いを抱き、関係を進めようとします。
しかし、最終的には疲れ切って眠ってしまう。
この一連の流れを、僕は壬氏の抱える矛盾として受け止めています。
彼は猫猫を自分のそばに置きたいと思っている。
けれど、猫猫が自分の意思で選ぶ存在であることも、本来なら理解しているはずです。
近づきたい気持ちと、相手の自由を尊重しなければならない現実。
その二つが、壬氏の中でまだ完全には整理されていないように見えます。
ただ、眠るという行為には、誰かを支配しようとする意志はありません。
そこにあるのは、疲れと信頼です。
だから僕は、二人が接近する場面よりも、最後に壬氏が安心して休む姿に、関係の深まりを感じました。
第48話で残された謎は何か
子の一族の反乱は収束しましたが、物語全体では複数の問題が残されています。
とくに気になるのは、次の点です。
- 玉藻として生き延びた楼蘭は、今後どこへ向かい、どのような人生を送るのか。
- 壬氏の身分や出生に関わる秘密は、猫猫との関係にどのような影響を与えるのか。
- 楼蘭が残した情報は、その後の宮廷や国の情勢にどう関わってくるのか。
- 猫猫と小蘭、子翠の三人が再び顔を合わせる機会はあるのか。
これらは、同じ種類の謎ではありません。
政治的な問題もあれば、人間関係の問題もあります。
そして、最も大きな違いは、すべての問いが事件の真相を知るだけでは解決しないということです。
たとえば、玉藻の正体については、第48話のラストから強い答えを読み取れます。
しかし、彼女がこれから幸せになれるかどうかは、別の問いです。
壬氏の身分が明らかになっても、それだけで猫猫との関係が決まるわけではありません。
この作品が描いているのは、謎を解くことで人生のすべてが解決する世界ではないのです。
第48話の本当の主題は「生き残った人の責任」ではないか
ここからは、僕自身の考察です。
第48話を見ていて感じたのは、この物語が「何が失われたか」以上に、「残された人がどう生きるか」を描こうとしているのではないかということでした。
楼蘭は子どもたちを守ろうとしました。
猫猫は、その子どもたちの命を救うために動きました。
壬氏は、一族の反乱を鎮圧する立場にありながら、楼蘭が託した命と向き合います。
三人が担った役割は、それぞれ異なります。
しかし、最終的には同じ問いに向き合っているように思えるのです。
誰かが必死につないだ命を、これからどう守っていくのか。
重要なのは、ここに簡単な正解がないことです。
子どもたちを助けても、響迂の失われた記憶はすぐには戻りません。
楼蘭が生き延びても、彼女は以前と同じ立場には戻れません。
猫猫と壬氏が生き残っても、彼らの関係を取り巻く問題がなくなるわけではありません。
それでも、生きている限り、その先を選ぶことはできる。
だからこそ、第48話は「はじまり」なのではないでしょうか。
そして、僕がとくに気になるのは、最終回が「命の再生」と「関係の再生」を並べていることです。
仮死状態から子どもたちが目覚める場面では、失われたと思われた命が戻ります。
猫猫と壬氏の場面では、騒乱によって途切れかけた二人の時間が再び動きます。
小蘭の手紙では、離ればなれになった友情が、言葉を通してつながり続けます。
最後の玉藻の場面では、死んだと思われた人物が、新しい名前で歩き始めます。
つまり、第48話では、それぞれ異なる形の「もう一度」が描かれているのです。
この構成は、とても美しいと思います。
ただし、元に戻ることが救いなのではありません。
以前とは違う形でも、もう一度生きていけること。
そこに、この最終回の希望があるのだと感じます。
楼蘭が玉藻として港町を歩く姿は、その象徴なのでしょう。
彼女がこれから何を見て、誰と出会い、どんな選択をするのか。
そのすべてを知らなくても、一つだけ願いたいことがあります。
どうか、今度こそ自分自身のために生きてほしい。
子どもたちの未来だけでなく、自分の未来も大切にしてほしい。
そんな祈りを抱かせることこそ、第48話のラストが持つ特別な力なのだと思います。
まとめ|『薬屋のひとりごと』48話は終わりではなく、新たな人生の始まり
『薬屋のひとりごと』第48話「はじまり」は、子の一族の騒乱に一つの区切りをつけながら、登場人物たちの未来を描いた最終回でした。
楼蘭が子どもたちに使った薬は、彼らを生き延びさせるためのものでした。子どもたちは救われ、それぞれ新しい居場所を得ることになります。
猫猫は花街に戻り、壬氏との関係にも変化が訪れました。
さらに、小蘭の手紙を通して三人の友情が描かれ、最後には玉藻という名で生きる楼蘭の姿が示されました。
しかし、最終回の意味は、単に登場人物が生き残ったということではありません。
大切なのは、失ったものを抱えながらも、それぞれが次の人生へ進んでいくことです。
猫猫と壬氏の関係にも、玉藻の未来にも、まだ語られていない部分が残されています。
だからこそ、物語は終わらない。
第48話のタイトル「はじまり」には、そんな静かな希望が込められているのではないでしょうか。
よくある質問
『薬屋のひとりごと』48話で楼蘭は死亡したのですか?
第48話のラストでは、楼蘭に酷似した「玉藻」という女性が港町に現れます。
彼女は猫猫が楼蘭に渡した簪とよく似たものを持っており、声優も楼蘭と同じ瀬戸麻沙美さんです。
この描写から、楼蘭は生存し、新しい名前で人生を始めたと解釈できます。
第48話で子どもたちが生き返ったのはなぜですか?
楼蘭が飲ませた薬によって、子どもたちは一時的に仮死状態になっていました。
猫猫が生命の兆候に気づき、救命のために動いたことで、子どもたちは生き延びます。
ただし、薬の影響で後遺症が残った子どももおり、全員が完全に元の状態へ戻ったわけではありません。
第48話で猫猫と壬氏は結ばれましたか?
第48話では、二人の距離が縮まる場面が描かれましたが、正式に恋人同士になったわけではありません。
壬氏の身分に関する問題や、猫猫自身の意思など、二人の関係にはまだ向き合うべき課題が残されています。
一方で、互いを気遣い、壬氏が猫猫のそばで安心して眠る姿からは、以前より深まった信頼関係を感じ取れます。
相沢 透(あいざわ・とおる)
PR
アニメの続き、原作で先に読みませんか?
ブックライブは登録無料・月額なしの買い切り型。初回登録の70%OFFクーポンで、好きな1冊が約7割引で読めます。
※クーポンは1冊分・受け取りから24時間有効。一部対象外あり。価格は変動する場合があります。
登録は無料。無料作品・試し読みは登録なしでも使えます
まずアニメを見返したい人へ。
DMM TV は14日間無料。対象作品は見放題、登録で550ポイント付き(以降は月額550円)。



コメント