『薬屋のひとりごと』ねこクラゲ版漫画ガイド|掲載誌・単行本と作画の魅力

華やかな中華風の後宮を背景に、薬草の小瓶と古い書物が置かれた机、繊細な装飾と柔らかな光が印象的な幻想的イラスト 未分類

『薬屋のひとりごと』ねこクラゲ版は、月刊ビッグガンガンで連載される漫画で、2026年10月時点の単行本は17巻まで発売されています。

原作は日向夏さん、作画はねこクラゲさん、構成は七緒一綺さん。緻密な表情描写と美しい後宮の世界観が特徴で、もう一つの漫画版とは掲載誌も作画担当も異なります。

  1. 『薬屋のひとりごと』ねこクラゲ版とは?掲載誌と作者を確認
    1. ねこクラゲ版の基本情報
    2. 物語は猫猫が後宮の謎を調べるところから始まる
    3. ねこクラゲ版が持つ独特の読み心地
  2. ねこクラゲ版の単行本は何巻まで?最新17巻と収録内容
    1. 15巻から17巻までの発売状況
    2. 第17巻では「砦編」が完結する
    3. 原作小説と漫画の巻数は同じではない
  3. 『薬屋のひとりごと』の漫画は2種類ある?ねこクラゲ版との違い
    1. 2つの漫画版の比較
    2. ねこクラゲ版は人物の美しさと感情表現が印象的
    3. 倉田三ノ路版は謎解きの展開を追いやすい
  4. ねこクラゲ版の作画はなぜ魅力的?猫猫と壬氏の表情を考察
    1. 猫猫の無表情は、本当に感情がないことを意味するのか
    2. 壬氏の美しい表情に隠された不自由さ
    3. 猫猫と壬氏の関係は、ただの恋愛として見られない
  5. ねこクラゲ版の連載は続いている?2024年の報道とその後
    1. 2024年に報じられた経緯
    2. スクウェア・エニックスは連載中止を予定していなかった
  6. ねこクラゲ版が描く後宮の人間関係を深掘り考察
    1. 美しい後宮は、本当に幸せな場所なのか
    2. 壬氏の出生をめぐる秘密が示すもの
    3. 何気ない視線や沈黙に、本音が隠れている
    4. 猫猫が他人の秘密を暴くことの意味
  7. ねこクラゲ版の今後は?作画の魅力と物語の見通し
    1. 事件の規模が大きくなるほど、人物描写が重要になる
    2. アニメとは異なる感情の読み取り方ができる
    3. 今後も注目したいのは猫猫と壬氏の「距離」
  8. まとめ|ねこクラゲ版は作画から物語の感情を読み解ける漫画
  9. よくある質問
    1. ねこクラゲ版『薬屋のひとりごと』はどこの出版社ですか?
    2. ねこクラゲ版の漫画は何巻まで発売されていますか?
    3. ねこクラゲ版と倉田三ノ路版はどちらが原作ですか?
    4. ねこクラゲ版の漫画は打ち切りになったのですか?
    5. ねこクラゲ版はどこで読めますか?

『薬屋のひとりごと』ねこクラゲ版とは?掲載誌と作者を確認

『薬屋のひとりごと』のねこクラゲ版は、スクウェア・エニックスの「月刊ビッグガンガン」に掲載されている漫画作品です。

原作小説をもとに、猫猫(マオマオ)が後宮の謎に向き合う姿を、華やかな絵と繊細な人物描写によって表現しています。

この作品について最初に押さえておきたいのは、「ねこクラゲさんが原作者」というわけではないことです。

物語そのものを生み出したのは日向夏さんであり、漫画としての作画をねこクラゲさん、構成を七緒一綺さんが担当しています。

ねこクラゲ版の基本情報

項目 内容
作品名 薬屋のひとりごと
原作 日向夏
作画 ねこクラゲ
構成 七緒一綺
キャラクター原案 しのとうこ
掲載誌 月刊ビッグガンガン
出版社 スクウェア・エニックス
単行本 既刊17巻(2026年10月時点)
連載状況 連載中
主なジャンル 後宮ミステリー・歴史風ファンタジー

月刊ビッグガンガンは、通常毎月25日に発売される漫画雑誌です。

また、スクウェア・エニックスの漫画アプリ「マンガUP!」でも、ねこクラゲ版のエピソードが公開されています。

つまり、ねこクラゲ版の掲載元を探している人は、まず「月刊ビッグガンガン」と「マンガUP!」の二つを覚えておくと整理しやすいでしょう。

物語は猫猫が後宮の謎を調べるところから始まる

主人公の猫猫は、もともと花街で薬師として働いていた少女です。

しかし、人さらいに遭ったことで後宮へ連れてこられ、宮中の下働きをすることになります。

猫猫の人生を大きく変えたのは、帝の子どもたちが相次いで短命に終わっているという噂でした。

薬や毒に関する知識を持つ彼女は、その原因に興味を抱き、自ら調べ始めます。

周囲が不吉な噂として恐れる出来事を、猫猫は知識と観察によって解き明かそうとする。

僕は、この物語の出発点がとても好きです。

猫猫は、誰かに頼まれて英雄になろうとしたわけではありません。自分の知りたいという欲求に従った結果、後宮の複雑な人間関係へと足を踏み入れていくのです。

そして、そんな猫猫の行動に興味を示すのが、美しい容姿と謎めいた立場を持つ壬氏(ジンシ)でした。

ここから、単なる事件解決では終わらない物語が動き出します。

ねこクラゲ版が持つ独特の読み心地

同じ原作を漫画にする場合でも、どの場面を大きく描くか、誰の表情を強調するかによって、読後に残る印象は変わります。

ねこクラゲ版は、とりわけ人物の感情を絵によって伝えることに魅力があると僕は感じています。

猫猫の淡々とした態度と、その内側にある激しい好奇心。

壬氏の優雅な振る舞いと、猫猫を前にしたときに見せる人間らしい反応。

こうした二面性が、漫画ならではの表情や画面構成を通して浮かび上がってくるのです。

美しい絵が物語を飾っているだけではありません。

その美しさの奥に、登場人物たちが隠している本心まで描き込まれているように思える。

だからこそ、何度もページを戻って確かめたくなるのでしょう。


ねこクラゲ版の単行本は何巻まで?最新17巻と収録内容

2026年10月時点で、ねこクラゲ版『薬屋のひとりごと』の単行本は第17巻まで発売されています。

第17巻の発売日は2026年7月24日。スクウェア・エニックスから刊行され、原作小説第4巻のクライマックスにあたる「砦編」の完結部分が収録されています。

15巻から17巻までの発売状況

直近の単行本について、発売日と内容を整理します。

巻数 発売日 主な内容
第15巻 2025年3月25日 子の一族をめぐる物語が進展
第16巻 2025年11月25日 猫猫が砦へ連れていかれ、戦の気配が強まる
第17巻 2026年7月24日 砦編の決着と楼蘭をめぐる展開

第16巻では、狐の里での行動がきっかけとなり、猫猫は薬師として砦に連れていかれます。

一方、都では羅漢が子昌を討つために軍を動かすよう壬氏へ進言し、事態は緊迫していきます。

猫猫自身も、砦にいる響迂たち子どもが争いに巻き込まれることを案じています。

ここで僕が注目したいのは、猫猫の関心が単純な謎解きだけに収まらなくなっていることです。

自分の身を守ることだけでなく、状況に翻弄される人々のことまで考えざるを得ない。

そんな物語の広がりが、第16巻から第17巻にかけて強く感じられます。

第17巻では「砦編」が完結する

第17巻の中心となるのは、子の一族をめぐる反乱と、猫猫たちの運命が交差する展開です。

猫猫は楼蘭との再会によって、自分が砦に連れてこられた意味を知ることになります。

そのころ、壬氏たちは反乱を鎮圧し、猫猫を確保するために砦へ踏み込みます。

そして壬氏は、楼蘭から反乱に至った背景を聞くことになるのです。

ここでは細かな結末を明かしませんが、僕はこの展開を、単純な善悪の対立として読むだけでは足りないと感じています。

誰かが間違った選択をしたとしても、その選択に至るまでには、その人物だけが背負ってきた時間がある。

その背景を知った瞬間、それまで見えていた景色が別の色に変わってしまうことがあります。

第17巻は、そうした『薬屋のひとりごと』らしい複雑さを味わえる巻だと考えています。

なお、第17巻の公式案内に掲載されている紙版の定価は税込770円です。価格や電子版の販売条件は変わる場合があるため、最新の情報は出版社や各販売サービスで確認してください。

原作小説と漫画の巻数は同じではない

ここは間違えやすい部分です。

『薬屋のひとりごと』には原作小説があり、それを漫画として描いたものがねこクラゲ版です。

そのため、小説第4巻と漫画第4巻が同じところまで進んでいるわけではありません。

実際、漫画第17巻には原作小説第4巻のクライマックスが収録されています。

巻数だけを見て物語の進行状況を比較すると、思っていた場面と違うところを読んでしまう可能性があります。

アニメの続きや原作小説との対応関係を調べる場合も、巻数だけではなく、収録されている事件や登場人物を基準に確認することが大切です。

※画像はAIによるイメージ

『薬屋のひとりごと』の漫画は2種類ある?ねこクラゲ版との違い

『薬屋のひとりごと』には、同じ日向夏さんの原作をもとにした主要な漫画版が2種類あります。

一つは、ねこクラゲさんが作画を担当するスクウェア・エニックス版。

もう一つは、倉田三ノ路さんが作画を担当する小学館版『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』です。

これは、ねこクラゲ版の続編として倉田三ノ路版が存在するという関係ではありません。

それぞれ別の作画担当者によって、同じ原作が漫画化されているのです。

2つの漫画版の比較

比較項目 ねこクラゲ版 倉田三ノ路版
タイトル 薬屋のひとりごと 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
作画 ねこクラゲ 倉田三ノ路
掲載誌 月刊ビッグガンガン 月刊サンデーGX
出版社 スクウェア・エニックス 小学館
既刊 17巻 20巻
原作 日向夏 日向夏
作品の印象 華やかさと繊細な感情表現 謎解きの流れと人物の掛け合い

巻数はいずれも2026年10月時点の情報です。

両作品は異なる出版社から刊行されているため、単行本を探す際はタイトルだけでなく、作画担当者と出版社を確認すると取り違えを防げます。

ねこクラゲ版は人物の美しさと感情表現が印象的

ねこクラゲ版について、僕が特に魅力を感じるのは、人物を描くときの繊細さです。

後宮には身分の違いがあり、それぞれの人物が立場に応じた振る舞いを求められています。

本心をそのまま口にできない環境だからこそ、言葉では説明されない感情をどう描くかが重要になります。

ねこクラゲ版は、華やかな衣装や美しい人物描写と同時に、感情が一瞬だけ表へ現れる場面を丁寧に見せる作品だと思います。

壬氏が猫猫へ向ける反応も、その一例でしょう。

彼は美しい容姿と高い地位にふさわしい振る舞いを見せながら、ときに猫猫の言動に調子を狂わされます。

整った外見と、思いどおりにならない内面。

この落差が、漫画では表情の変化によって強く伝わってきます。

倉田三ノ路版は謎解きの展開を追いやすい

一方、倉田三ノ路版は、事件の経緯や人物同士のやり取りを追う楽しさが印象的です。

猫猫の観察や推理の過程に注目したい読者にとって、こちらの表現が読みやすく感じられることもあるでしょう。

ただし、どちらか一方が優れているという単純な話ではありません。

同じ物語でも、漫画家が何を強調して描くかによって読者の受け取り方は変わります。

僕自身は、人物の表情から感情を読み取りたいときにはねこクラゲ版の魅力が強く感じられます。

一方で、事件の構造を整理しながら物語を追いたい場合には、倉田三ノ路版の表現にも違った面白さがあります。

同じ出来事が、異なる作画によってどのように見えるのか。

それを比べられること自体が、『薬屋のひとりごと』という作品の珍しい楽しみ方なのかもしれません。


ねこクラゲ版の作画はなぜ魅力的?猫猫と壬氏の表情を考察

ねこクラゲ版の作画の魅力は、単に登場人物が美しく描かれていることだけではありません。

僕がより重要だと考えているのは、登場人物が言葉にしない感情を、表情や画面の空気から感じ取れることです。

とくに猫猫と壬氏は、内面と外面の距離が大きい人物として描かれています。

だからこそ、その距離が一瞬だけ縮まる場面に、不思議な緊張感が宿るのです。

猫猫の無表情は、本当に感情がないことを意味するのか

猫猫は、一般的な恋愛漫画の主人公のように、すべての感情を素直に表現する人物ではありません。

むしろ、余計なことに巻き込まれないよう、自分の関心や感情を抑えて振る舞う場面が少なくありません。

それなのに、薬や毒に関することになると、その好奇心が隠しきれなくなります。

僕は、この落差こそが猫猫を魅力的にしていると考えています。

感情が乏しいのではなく、感情を向ける対象が周囲の期待と違っているのです。

身分の高い人物に気に入られることより、目の前の謎を解くこと。

華やかな場所で注目されることより、知識を深めること。

その価値観が、表情や態度の変化として伝わってきます。

そして、普段は冷静な猫猫がわずかに動揺すると、読者はそこに特別な意味を感じてしまう。

たった一つの表情が、長い説明より雄弁になる。

ねこクラゲ版には、そんな漫画表現の強さがあると思うのです。

壬氏の美しい表情に隠された不自由さ

壬氏は、後宮を取り仕切る美貌の人物として登場します。

公式の人物紹介でも、その容姿は男性からも女性からも人を惹きつけるほどのものとして描かれています。

しかし、僕が壬氏を読んでいて気になるのは、その美しさが必ずしも本人の自由につながっていないことです。

美しいから注目される。立場があるから期待される。

周囲が彼に理想的な姿を求めるほど、壬氏自身の感情は見えにくくなっていきます。

そんな彼に対して、猫猫は外見の魅力だけでは動かされません。

壬氏にとって、それは単なる珍しい反応というだけではなかったのではないでしょうか。

自分を特別扱いしない人間の前でこそ、初めて肩の力を抜けることがある。

けれど、相手が思いどおりにならないことは、同時に強いもどかしさも生みます。

この矛盾が、二人の関係を面白くしていると僕は感じています。

猫猫と壬氏の関係は、ただの恋愛として見られない

猫猫と壬氏のやり取りは、ときに軽妙で、思わず笑ってしまうような場面もあります。

けれど、その関係を単純な恋愛の駆け引きとして整理してしまうと、大切な部分が抜け落ちてしまうように思うのです。

二人の間には、身分や立場、知識、経験、そして互いへの理解の違いがあります。

好意らしきものが存在したとしても、それを同じ形で受け取れるとは限りません。

僕が着目したいのは、猫猫が壬氏の意図を素直に受け取らない場面や、壬氏の期待が空振りする瞬間です。

表面的にはコミカルなやり取りに見えます。

しかし、その奥には、自分の望む距離まで相手が近づいてくれないという切なさもあるのではないでしょうか。

人は誰かを好きになったからといって、相手の人生を自由に動かせるわけではありません。

当然のことです。

でも、当事者にとっては、どうしようもなく難しい。

その当たり前の不自由さが、二人のすれ違いに重なって見えてしまうのです。

※画像はAIによるイメージ

ねこクラゲ版の連載は続いている?2024年の報道とその後

ねこクラゲ版『薬屋のひとりごと』は、2026年10月時点で連載が継続しています。

ただし、作画担当のねこクラゲさんについては、2024年に所得税法違反に関する裁判が報じられました。

連載への影響を気にして検索する人もいると思うので、作品そのものの評価と分けて事実を整理しておきます。

2024年に報じられた経緯

2024年4月、ねこクラゲさんが確定申告を行わず、所得税約4700万円を脱税したとして、所得税法違反に問われたことが報じられました。

同年7月には、懲役10カ月、執行猶予3年、罰金1100万円の有罪判決が言い渡されたと報道されています。

その後、2024年9月9日、ねこクラゲさんは自身のXで一連の問題について謝罪しました。

報道によると、本人は再発させないことを表明するとともに、税理士の支援を受けていることも明らかにしています。

また、作品を読み続けたいという読者や、制作を続ける判断をした関係者への感謝を示し、今後の創作活動に向き合う意向を伝えました。

スクウェア・エニックスは連載中止を予定していなかった

この問題が報じられた当時、月刊ビッグガンガンを発行するスクウェア・エニックスは、作品の連載を中止することは特に考えていないという方針を示していました。

そして実際に、2025年11月25日には第16巻、2026年7月24日には第17巻が発売されています。

2026年8月25日発売の月刊ビッグガンガンVol.09では、『薬屋のひとりごと』が表紙と巻頭カラーを飾りました。

したがって、過去の報道だけを見て「ねこクラゲ版は打ち切りになった」と判断するのは正確ではありません。

なお、判決の事実と作品の継続は、それぞれ分けて考える必要があります。

法律上の問題は軽視できません。一方で、実際に刊行されている漫画の内容や作画については、作品そのものを確認したうえで評価するのが妥当でしょう。

僕も、この二つを混同しないことが大切だと考えています。


ねこクラゲ版が描く後宮の人間関係を深掘り考察

ここからは、ねこクラゲ版の作画と物語の関係について、少し踏み込んで考えてみたいと思います。

僕が『薬屋のひとりごと』を読みながら何度も感じるのは、後宮という場所が、秘密を隠すための空間であると同時に、秘密が生まれてしまう空間でもあるということです。

身分があり、役割があり、立場によって口にしてはいけないことがある。

そうした場所では、誰かの沈黙が必ずしも納得や同意を意味するわけではありません。

そして、ねこクラゲ版の漫画表現は、そんな沈黙の重さと相性がよいように思うのです。

美しい後宮は、本当に幸せな場所なのか

華やかな後宮の描写を見ると、最初はその美しさに目を奪われます。

整った衣装、手入れの行き届いた室内、身分の高い人物たちの優雅な振る舞い。

しかし、この美しさを単純に幸福の象徴として見ることはできません。

後宮に暮らす人々は、立場によって生活や人間関係を制限されています。

望むことを望むと言えない人もいるでしょう。

本当は嫌だと思っていても、それを表情に出せない人もいるはずです。

だからこそ、僕は後宮の華やかな場面に、どこか不自由な空気を感じることがあります。

美しく描かれた世界ほど、そこで生きる人間の苦しみが鮮明になる。

これは、ねこクラゲ版を読むときの一つの視点になるのではないでしょうか。

壬氏の出生をめぐる秘密が示すもの

ねこクラゲ版には、壬氏の出生をめぐる複雑な事情も描かれています。

マンガUP!で公開されている第五十五話「皇太后(前編)」には、壬氏と皇帝、阿多妃の関係をめぐる読者のコメントが寄せられています。

2023年3月から4月にかけて投稿されたコメントには、壬氏の出生に関する情報を整理しようとする声や、人物関係が難しいという声が見られました。

ここから分かるのは、この物語の謎が単純な犯人当てにとどまっていないということです。

誰が誰の子どもなのか。

誰が真実を知っていて、誰が知らされていないのか。

その違いによって、同じ出来事でも意味が変わってしまうのです。

僕は、こうした秘密が登場人物の感情をいっそう複雑にしていると感じています。

知らなければ傷つかなかったかもしれない。

けれど、知らないまま生きることにも別の痛みがある。

そのどちらが救いになるのか、簡単には決められません。

そして重要なのは、秘密を知っている人物が、必ずしも自由にそれを話せるわけではないという点です。

誰かを守るための沈黙が、別の誰かを孤独にしてしまうこともあるのでしょう。

何気ない視線や沈黙に、本音が隠れている

ここで僕が注目しているのは、登場人物が感情を説明しない瞬間です。

例えば、猫猫が相手の意図を察しながらも、その場で踏み込まないという振る舞い。

あるいは、壬氏が思ったような反応を得られず、普段の余裕とは違う表情を見せるやり取り。

こうした場面は、表面的には軽いやり取りとして通り過ぎてしまうかもしれません。

しかし、相手の心に近づきたいという願いと、近づくことで何かを壊してしまうかもしれないという恐れが、同時に存在しているようにも読めます。

ここは僕自身の解釈ですが、猫猫と壬氏の関係には、相手を思うからこそ本音を押し殺してしまう危うさがあります。

相手に何かを望めば、相手を困らせるかもしれない。

だから何も望まないふりをする。

でも、望まないふりをしているうちに、本当の気持ちまで見失ってしまうことがある。

もう、それがしんどい。

綺麗な恋愛として眺めるには、二人が置かれた立場はあまりにも複雑です。

そして僕は、この複雑さを単なる障害ではなく、二人の感情の形そのものだと考えています。

猫猫が他人の秘密を暴くことの意味

『薬屋のひとりごと』において、猫猫はさまざまな事件の真相に近づいていきます。

しかし、謎が解けることと、関係者が幸せになることは同じではありません。

真相が分かれば救われる人もいます。

一方で、知らなかった現実を突きつけられる人もいるでしょう。

つまり、猫猫の知識は誰かを助ける道具であると同時に、見たくなかった現実を明らかにする力でもあるのです。

僕は、ここに『薬屋のひとりごと』という作品の奥深さがあると思います。

知識を持つことは、世界を理解するための武器になります。

けれど、理解したからといって、すべてを自分の思いどおりに変えられるわけではありません。

猫猫が謎を解くたびに、読者は少しずつ後宮の事情を知っていきます。

そして同時に、簡単には救われない人々の姿も見えてくる。

ねこクラゲ版の美しい絵が、その切なさをより強く感じさせるのではないでしょうか。

※画像はAIによるイメージ

ねこクラゲ版の今後は?作画の魅力と物語の見通し

ねこクラゲ版は第17巻で「砦編」の区切りを迎えましたが、漫画全体が完結したわけではありません。

今後の注目点は、物語が進むにつれて複雑になる人物関係や、猫猫と壬氏の距離がどのように漫画で描かれていくかでしょう。

事件の規模が大きくなるほど、人物描写が重要になる

物語の序盤では、猫猫の薬学知識や観察眼によって身近な謎が解き明かされていきます。

しかし、物語が進むにつれて、扱われる事件にはより多くの人物や利害関係が絡むようになります。

第16巻から第17巻にかけて描かれた砦編は、その変化がよく分かる部分です。

個人の疑問や好奇心から始まった物語が、やがて組織や権力、複雑な人間関係へとつながっていきます。

こうした展開では、事件の規模だけを大きくしても、読者の感情が追いつかなくなることがあります。

だからこそ、一人ひとりの人物が何を恐れ、何を守ろうとしているのかを丁寧に描くことが重要になるのでしょう。

僕は、ねこクラゲ版の強みは、まさにその部分で発揮されると考えています。

大きな出来事が起きているときほど、人物の小さな表情に物語の核心が表れる。

そんな場面を、これからも期待したいところです。

アニメとは異なる感情の読み取り方ができる

『薬屋のひとりごと』はアニメ化によっても広く知られる作品となりました。

アニメには声優の演技、音楽、動き、時間の流れを使って感情を伝えられる強みがあります。

一方、漫画では読者自身がページをめくる速度を決められます。

一つの表情を長く見つめてもいい。

気になった場面へ戻ってもいい。

台詞がないコマを、何度も確かめてもいい。

僕は、この違いが『薬屋のひとりごと』のような、登場人物の本心を読み解く作品では特に重要だと思っています。

アニメでは一瞬で通り過ぎた感情が、漫画では読み手の時間の中に残り続けることがあるからです。

例えば、猫猫が何かを考えているように見える場面でも、その表情をどう解釈するかは読者によって変わります。

困惑なのか、警戒なのか、それとも別の感情なのか。

答えを一つに決めず、複数の可能性を考える楽しさがあります。

だから、アニメで物語を知っていても、ねこクラゲ版の漫画には別の読み応えがあるのです。

今後も注目したいのは猫猫と壬氏の「距離」

今後の物語について、僕が最も気にしているのは、猫猫と壬氏の関係です。

もちろん、二人がどうなるのかという結末も重要でしょう。

けれど、それ以上に注目したいのは、互いの立場や事情を知ることで、相手を見る目がどのように変化していくかという点です。

最初は理解できなかった相手の振る舞いも、背景を知れば違う意味を持つことがあります。

ただし、理解が深まったからといって、必ずしも関係が簡単になるわけではありません。

むしろ、理解してしまったからこそ、言えなくなることもある。

それでも、いつか二人が自分の本心を見失わずに向き合えるとしたら。

その瞬間は、きっと大げさな言葉よりも、何気ない表情で描かれるのではないかと思います。

どうか、二人が自分自身の気持ちを大切にできる未来であってほしい。

そんな願いを抱きながら、これからの物語を見守っていきたいです。


まとめ|ねこクラゲ版は作画から物語の感情を読み解ける漫画

『薬屋のひとりごと』ねこクラゲ版は、日向夏さんの原作をもとに、ねこクラゲさんの作画と七緒一綺さんの構成によって描かれる漫画です。

スクウェア・エニックスの月刊ビッグガンガンで連載されており、2026年10月時点では第17巻まで発売されています。

もう一つの漫画版『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』とは作画担当者と掲載誌が異なるため、単行本を探す際には確認が必要です。

ねこクラゲ版の特徴として、僕が最も強く感じるのは、人物の表情を通して心の揺れを描く力です。

猫猫が抱える好奇心と警戒心。

壬氏が見せる余裕と、その内側にあるもどかしさ。

後宮の華やかさと、そこで暮らす人々が背負う不自由さ。

それぞれが重なり合うことで、単なる謎解きとは違う物語の奥行きが生まれています。

そして、第17巻で砦編が完結したことによって、猫猫を取り巻く世界の広さや複雑さも改めて印象づけられました。

これから先、物語がどのように展開していくのか。

僕は事件の結末だけでなく、登場人物たちが何を言えず、何を抱えたまま生きていくのかという部分にも注目していきたいと思います。

美しい一コマの奥に、誰にも伝えられなかった感情が眠っているかもしれない。

そう考えると、何度読んでも、まだ見落としているものがあるような気がするのです。


よくある質問

ねこクラゲ版『薬屋のひとりごと』はどこの出版社ですか?

スクウェア・エニックスです。

掲載誌は月刊ビッグガンガンで、作画はねこクラゲさん、構成は七緒一綺さん、原作は日向夏さんが担当しています。

ねこクラゲ版の漫画は何巻まで発売されていますか?

2026年10月時点では、第17巻まで発売されています。

第17巻は2026年7月24日発売で、原作小説第4巻のクライマックスにあたる砦編の完結部分を収録しています。

ねこクラゲ版と倉田三ノ路版はどちらが原作ですか?

どちらも日向夏さんの小説を原作とする漫画版です。

ねこクラゲ版はスクウェア・エニックス、倉田三ノ路版は小学館から刊行されています。原作小説はヒーロー文庫から刊行されています。

ねこクラゲ版の漫画は打ち切りになったのですか?

いいえ。2026年10月時点では連載が続いています。

2024年には作画担当者の所得税法違反に関する報道がありましたが、出版社は当時、連載中止を考えていないとの方針を示しました。その後も単行本の刊行が続いています。

ねこクラゲ版はどこで読めますか?

月刊ビッグガンガン、単行本の紙版・電子版のほか、スクウェア・エニックスの漫画アプリ「マンガUP!」でも読むことができます。

マンガUP!では「後宮の呪い」から始まるエピソードが公開されており、作品の雰囲気を確かめられます。

公開範囲や無料閲覧の条件は変更される場合があるため、最新の配信状況は公式サービスで確認してください。

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