『ふつつかな悪女』6話はどうなる?人物関係の変化と今後につながる伏線を考察

『ふつつかな悪女』6話は、玲琳が慧月を救うため破魔の弓を引き続け、二人の関係と「入れ替わり」の秘密が大きく動く回です。

第6話「死なせたりしない」で描かれたのは、単なる命の危機ではありません。玲琳と慧月、尭明、冬雪、そして皇后・絹秀――これまで外見だけを見て結ばれていた人間関係が、少しずつ「中にいる人間」へ近づき始めました。

『ふつつかな悪女』6話はどうなる?「死なせたりしない」の内容を整理

第6話「死なせたりしない」は、2026年8月16日にテレ東系列で放送されたエピソードです。ABEMAの元ページでは24分、ニコニコでは8月17日公開の第6話として掲載されています。公式系のあらすじでも、黄家女官・冬雪から玲琳が重篤だという知らせが入り、玲琳を救いたい慧月が皇后から試練を課される流れが示されていました。

ここで最初に、少しややこしい「誰の身体に誰が入っているのか」を整理しておきます。

  • 玲琳の身体に入っているのは慧月
  • 慧月の身体に入っているのは玲琳
  • 命の危機に陥ったのは、玲琳の身体に入っている慧月
  • 彼女を救おうとしたのは、慧月の身体に入っている玲琳

つまり第6話は、玲琳が「自分の身体」を助けようとしているように見えて、実際にはそこに宿っている慧月という一人の人間を救おうとしている話なのです。

ここが、とても大切です。

もし玲琳が自分の肉体を取り戻すことだけを考えているなら、「その身体を死なせるわけにはいかない」という理屈だけでも助ける理由は成立します。

けれど、第6話の玲琳から伝わってくるものは、それだけではありません。

彼女が恐れているのは器を失うことではなく、その中にいる慧月が消えてしまうことでした。

……ここまで来ると、もう「自分を陥れた相手だから」という言葉では二人を説明できないんですよね。

第5話の終盤では、玲琳が莉莉に嫌がらせを仕向けた「雅容」について追及し、金家の清佳から金家に雅容という人物はいないと知らされました。

さらに第6話では、簪をなくした女官の件が約1か月前だったことを確認しようとした矢先、冬雪が儀式の場へ駆け込みます。

「玲琳が高熱を出し、意識も朦朧としている」。

しかも普段の病弱さとは明らかに違い、薬も効かない。

そこで慧月の姿をした玲琳は、自分にも看病をさせてほしいと申し出ます。

しかし尭明からすれば、目の前にいるのは玲琳を害したと考えられている朱慧月です。

当然、信用できません。

公式の第6話あらすじでも、尭明が申し出を退け、皇后・黄絹秀が「破魔の弓を一晩中引いて誠意を示せたなら看病を許す」という条件を出す展開が明かされています。

そこで玲琳は、破魔の弓を引き続ける道を選びました。

一晩です。

まともに扱うことすら容易ではない弓を、手が傷ついても、身体が限界へ近づいても、やめない。

表面的には「玲琳らしい鋼の精神」で笑えるほど無茶な場面でもあります。

でも僕は、この無茶を今回はあまり笑えませんでした。

彼女はずっと病弱でした。

何かをしたくても身体が止まる人生を送り続け、鍛錬さえ思うようにならなかった。

その玲琳がいま、慧月から得た丈夫な身体を使って、慧月を生かそうとしている。

これ、あまりにも残酷で、あまりにも優しい構図です。

身体を奪われたはずの少女が、その身体を「奪った相手を救える力」として使っている。

第6話という物語の芯は、そこにあります。


玲琳と慧月の関係はどう変わった?敵同士から「生かしたい相手」へ

『ふつつかな悪女』6話で最も大きく変わったのは、玲琳と慧月の関係です。

第1話の時点では、この二人は明確に加害する側と被害を受ける側でした。

慧月は玲琳への強烈な嫉妬を抱き、身体を入れ替えます。

美貌、家柄、周囲からの愛情、そして「殿下の胡蝶」と呼ばれる立場。

慧月にとって玲琳は、自分が欲しかったものを何もかも持っている人間に見えていました。

しかし入れ替わったことで、慧月は玲琳の身体そのものを生きることになります。

そこで突きつけられたのが、第6話の高熱でした。

玲琳の身体は、美しいだけの「当たりの身体」ではなかった。

いつ命が途切れるか分からないほど脆く、思うように動くことすら許されない身体だったのです。

第6話では慧月の過去も掘り下げられます。

幼い頃から容姿を否定され、閉じ込められ、家族を失った後に朱雅媚に引き取られたこと。

一度はそこに救いを見いだしながら、後宮へ上がった後には玲琳と比べられ、心の傷がさらに深くなっていったことが描かれます。

慧月が玲琳を憎んだ理由は、単純な意地悪ではありません。

「自分には与えられなかったものを持っている人」への羨望が、長い時間をかけて憎悪へ変質していた。

だから身体さえ奪えば、自分も玲琳になれると思ってしまった。

けれど皮肉なことに、玲琳の身体に入ったことで、慧月は初めて玲琳の人生を知ることになります。

これは身体の交換というより、痛みの交換なのではないでしょうか。

玲琳は慧月の丈夫な身体を得たことで、「動けること」の喜びを知りました。

一方の慧月は玲琳の身体を得たことで、「今日も生きられるか分からないこと」の恐怖を知っていく。

相手が持っている幸福だけを羨んでいた二人が、相手にしか分からなかった不幸まで共有し始める。

僕は、この構造こそ『雛宮蝶鼠とりかえ伝』の本当の意味での「とりかえ」だと思っています。

肉体だけじゃないんです。

人生そのものを少しずつ交換している。

そして第6話で、ついに玲琳は慧月に対して「死なせたくない」と願うところまで来ました。

綺麗な友情の始まりに見えますが、そんな軽い言葉で片づけるには、少し重すぎます。

だって玲琳は、慧月に身体を奪われ、処刑されかけています。

普通なら恨んでもいい。

距離を置いてもいい。

それでも玲琳は、血がにじむ手で弓を引く。

相手を許したと宣言するわけでもなく、「あなたは大切な友達です」と美しい言葉を口にするわけでもありません。

ただ身体が先に動いている。

ここが、しんどい。

許したから救うのではなく、死んでほしくないから救う。

感情の順序が逆なんです。

玲琳自身も、まだ慧月に対する気持ちの名前を知らないのではないでしょうか。

でも名前のない感情だからこそ、本物に見えるんですよね。

※画像はAIによるイメージ

第6話後半では、慧月が苦しい夢の中に沈んでいく一方、玲琳は弓を引き続けます。

そして破魔の弓の矢が的を射抜いたタイミングと呼応するように、慧月の部屋に置かれていた香炉へ異変が起きる描写が入ります。

夢の中の慧月にも光が届き、玲琳が手を差し伸べる。

ここは「破魔の弓で病魔を祓った」という表面的な展開以上の意味を持っているように感じました。

慧月はずっと、他人の視線に追われてきた人です。

「醜い」「玲琳のようなら」と評価され続け、自分自身の価値を他人の目によって決められてきた。

その慧月が夢の中で追われる。

そこへ玲琳がやって来る。

玲琳だけは、慧月を「玲琳になれなかった女」として救っていません。

慧月を、慧月として生かそうとしている。

もう、しんどすぎる。

慧月が本当に欲しかったのは玲琳の顔でも立場でもなく、「あなたはあなたで生きていていい」と言ってくれる誰かだったのではないか。

そう考えると、「死なせたりしない」というタイトルが急に重くなるんです。

命だけの話じゃない。

慧月という人間そのものを、ここで終わらせない。

そんな祈りに聞こえてしまいます。


尭明・冬雪・莉莉との人物関係も変化|「外見」と「中身」のズレが限界に

第6話で変わったのは、玲琳と慧月の関係だけではありません。

むしろ今後の物語を大きく動かしそうなのは、周囲の人間が「見た目」と「中身」の矛盾に気づき始めたことです。

尭明は「玲琳の身体」だけを愛しているのか

尭明は、第6話でも玲琳の身体を案じています。

当然です。

彼が愛してきた玲琳が重篤になったのですから、平静ではいられません。

その一方で、慧月の姿をした玲琳の言動も、無視できないところまで来ています。

第5話では舞を見た尭明の心が揺れました。

自分の知る玲琳らしさが、なぜか嫌っていたはずの慧月から滲み出してくる。

そして第6話では、その慧月が手を傷だらけにしながら玲琳を救おうとする。

これまで尭明の世界では「玲琳=愛する人」「慧月=信用できない人」という線が明確でした。

しかし今、その境界が崩れ始めています。

ABEMA TIMESでも第6話について、玲琳の身体にいる慧月が命の危機に陥り、慧月の姿をした玲琳が破魔の弓を引き続ける展開が紹介されるとともに、尭明の髪を下ろした姿への視聴者の反響も伝えられています。

僕が気になるのは、外見以上に尭明の「行動」です。

慧月を信用していない。

でも、完全に無関心でもいられない。

彼が長年「玲琳」として愛してきたものは、顔だったのか、声だったのか、仕草だったのか、それとも玲琳の魂そのものだったのか。

入れ替わりものでは定番の問いですが、『ふつつかな悪女』はかなり意地悪な形でこれを突きつけています。

尭明が本当に玲琳を愛しているなら、いつか身体ではなく玲琳を見つけなければならない。

第6話は、その試験が始まった回だと考えています。

冬雪がついに「本物の玲琳」へ近づく

そして、第6話ラストで最も重要なのが冬雪です。

限界まで弓を引いた玲琳は、慧月が持ち直したことを知ると安堵し、自身も倒れてしまいます。

運ばれた後、感情を抑えきれず涙を流す玲琳。

そこへ冬雪が現れる。

冬雪は長く玲琳に仕えてきた女官です。

毎日顔を見てきた。

話し方も、考え方も、感情の揺れ方も知っている。

だからこそ、見た目だけでは騙し切れない。

第6話の最後では、冬雪が慧月の身体にいる人物を「玲琳ではないか」と察したことが強く示されます。

そしてこれは、単なる引きでは終わりません。

2026年8月21日に公開された第7話「武器を授けることの意味」の公式あらすじでは、冬雪が二人の入れ替わりを悟ることが明記されています。さらに玲琳の身体にいる慧月は、自分に贈られた物に呪いがかけられていることに気づくと予告されています。

つまり第6話ラストの冬雪の反応は、明確に次回へつながる転換点です。

この展開、僕はかなり好きです。

なぜなら最初に真実へたどり着くのが、政治的な推理に長けた人物でも、恋愛対象である尭明でもないから。

ずっと玲琳のそばで日常を見てきた冬雪なんです。

人は、愛している相手なら必ず見抜ける――そんな綺麗な話ではありません。

むしろ、一緒に過ごしてきた時間の細部こそが人間を見分ける。

言葉を置く間。

喜んだときの声。

困ったときの癖。

ふと気が緩んだ瞬間に出てしまう口調。

人間は顔だけでできていない。

冬雪が玲琳を見抜くという展開は、本作の「身体が変わっても、その人はその人である」というテーマを一番静かに証明しているように思えます。

莉莉はすでに「慧月という外見」を越えている

もう一人、忘れてはいけないのが莉莉です。

莉莉は玲琳の現在の生活を最も近くで支えてきた人物の一人です。

彼女にとって重要なのは、目の前にいるのが「嫌われ者の朱慧月」という肩書きを持つ人物かどうかではなくなっています。

第6話でも、限界まで無茶を続ける玲琳のそばにいる。

気遣いながらも、ただ崇拝するだけではなく、ツッコミを入れる。

この距離感がいいんです。

玲琳は以前、「殿下の胡蝶」として大切にされていました。

けれどそれは、美しく、儚く、守られる存在としての玲琳でもありました。

対して莉莉が知っている玲琳は、丈夫な身体を手にして暴走し、無茶をし、笑い、怒り、誰かのためなら自分の手を傷だらけにしてしまう人間です。

もしかすると莉莉は、入れ替わった後だからこそ見えるようになった玲琳の本来の輪郭を、最も早く愛した人物なのかもしれません。


『ふつつかな悪女』6話の伏線は?雅容・香炉・破魔の弓を考察

第6話は感情の回であると同時に、後宮を巡る謎が一気に深くなった回でもあります。

とくに注目したい伏線は3つです。

1.存在しない「雅容」は何者なのか

まず、第5話から続いている「雅容」の謎です。

莉莉への嫌がらせに関係していた人物として名前が挙がっていた雅容。

ところが清佳は、金家にはそのような人物はいないと答えます。

さらに玲琳は、簪をなくした女官がいた時期が約1か月前だったことへ注意を向けています。

ここで重要なのは、玲琳が「清佳が嘘をついている」とすぐ決めつけなかったことです。

名前が存在しない。

簪だけが存在する。

しかも、その簪が誰かの悪意を証明する証拠として機能している。

となれば考えられるのは、「雅容」という人物自体が偽装されている可能性です。

もちろん第6話の時点で黒幕を断定することはできません。

しかし、誰かが実在する人間の名前を隠したのか。

最初から架空の人物を作ったのか。

あるいは別人が雅容を名乗っていたのか。

この謎は、個人的な嫌がらせと思われていた事件が、より大きな仕掛けの一部である可能性を示しています。

本作公式の作品紹介でも、玲琳と慧月がやがて「後宮を揺るがす陰謀」に巻き込まれていくことが明示されています。

つまり「雅容がいない」という事実は、小さな名前の食い違いでは終わらないでしょう。

誰かが後宮の人間関係を操作している。

その気配が、ようやく形を持ち始めたように見えます。

2.香炉の異変は玲琳の高熱がただの病ではない証拠か

第6話では、玲琳の身体に入っている慧月が突然重篤になります。

冬雪も、病弱な玲琳でさえこれほどの状態は経験していないと感じるほど異常でした。

そして玲琳が破魔の弓を射抜いた場面と呼応するように、慧月の部屋にある香炉へ異変が起こります。

ここは、かなり分かりやすい伏線です。

ただの持病悪化なら、なぜ破魔の儀式と香炉の変化が結びつくのか。

そして2026年8月23日放送予定の第7話公式あらすじでは、玲琳の身体にいる慧月が自分への贈り物に呪いがかけられていることに気づくとすでに公表されています。

したがって第6話の高熱は、単なる玲琳の体質だけではなく、外部から何らかの作用を受けていた可能性が高いと見てよさそうです。

ここで物語の構造が一段変わります。

これまでは慧月が玲琳へ害をなした「悪女」として扱われてきました。

ところが、玲琳の身体そのものも誰かから狙われているとすればどうでしょう。

慧月は加害者であると同時に、その攻撃を玲琳の代わりに受けた被害者でもある。

そして玲琳は、自分を陥れた慧月を救うことで、結果的に自分へ向けられていたかもしれない悪意とも戦っている。

敵と味方の線が、どんどん崩れていきます。

この作品、ここからが怖いんですよね。

誰が「悪女」なのかという最初の分かりやすい図式そのものが、たぶん信用できなくなっていく。

3.破魔の弓は「病魔」だけでなく慧月の心まで射抜いた

破魔の弓には、弦の音や矢が的を射ることで邪を祓う意味があります。

物語上は、玲琳が自分に害意がないことを証明する試練でもありました。

でも僕は、それだけではないと思っています。

第6話の破魔の弓には、少なくとも三つの役割があります。

  • 皇后に対して玲琳の誠意を証明する
  • 慧月を苦しめる異常の原因へ作用する
  • 慧月の心に根を張った「自分には価値がない」という呪いを象徴的に壊す

三つ目は僕の解釈です。

けれど慧月の過去と、夢の中での演出を並べると、どうしてもそう見えてしまう。

慧月を長く苦しめてきたのは術だけではありません。

母親から浴びせられた言葉。

玲琳と比較された記憶。

愛されるためには別の誰かにならなければならないという思い込み。

それこそが、慧月を縛ってきた一番古い「呪い」だったのではないでしょうか。

そこへ玲琳が矢を放つ。

誰かに命じられたからではなく、自分の意思で。

慧月の手を取るために。

綺麗な救済に見えますが、僕はここで一度立ち止まりたい。

玲琳の優しさだけで、慧月が受けてきた傷が全部消えるわけではありません。

そんな簡単な話なら、たぶんこの作品はここまで痛くない。

でも、自分を終わらせようとしていた慧月に対し、「死なせたりしない」と言える人間が現れた。

傷が治ったのではなく、傷を抱えたまま生きる理由が一つ生まれた。

その違いが、とても大きいと思うんです。

※画像はAIによるイメージ

第6話で一番重要なのは「誰が玲琳を見抜くか」ではない

ここからは私見になります。

『ふつつかな悪女』第6話を「冬雪が入れ替わりに気づく回」と説明することはできます。

実際、第7話の公開済みあらすじでも冬雪が二人の入れ替わりを悟る展開が確認されています。

でも、本当に重要なのは「誰が最初に見抜いたか」だけではないと思うんです。

この作品が問うているのは、人を人たらしめるものは何かではないでしょうか。

玲琳は、玲琳の顔を失いました。

病弱さも失った。

周囲からの敬意も、愛されてきた立場も一度失った。

それでも、莉莉を守る。

困っている人に手を伸ばす。

身体が動くことを全力で喜ぶ。

そして、自分を陥れた慧月さえ見捨てられない。

つまり、玲琳を玲琳にしているものは、彼女の美貌でも病弱さでも「殿下の胡蝶」という称号でもなかった。

選択なんです。

何をされたとき、どう返すか。

誰かが苦しんでいるとき、自分がどう動くか。

玲琳という少女の正体は、毎回そこから漏れ出している。

だから冬雪は気づく。

そして、おそらく尭明もいずれ逃げられなくなる。

目の前の慧月があまりにも玲琳だから。

一方、慧月についても同じです。

玲琳の身体に入ったからといって、慧月が玲琳になれたわけではありませんでした。

それどころか、玲琳の身体を生きれば生きるほど、「自分は玲琳ではない」という事実と向き合うことになります。

これは残酷です。

ずっと玲琳になりたかった少女が、玲琳の身体を手に入れた結果、自分自身へ戻るしかなくなる。

だけど、それが救いにもなる。

他人にならなくても、生きていていい。

玲琳が命を削るように弓を引いた行為は、慧月にとって初めて受け取るその許可だったのではないでしょうか。

ただの優しい行為に見えます。

でも、その優しさは慧月にとってかなり残酷でもあります。

自分が憎み、陥れた相手が、自分を救おうとしている。

恨んでくれた方が楽だったはずです。

「お前のせいだ」と責められれば、慧月は悪女のままでいられる。

ところが玲琳は、その逃げ道を与えてくれない。

あなたは悪女だから死んでもいい、とは言わない。

生きろ、と手を伸ばしてしまう。

それは慧月に、自分がしたことと向き合いながら生き続ける未来を押しつけることでもあります。

……優しさって、ときどき恐ろしい。

慧月はもう、玲琳をただ憎むだけの場所には戻れないでしょう。

自分が最も憎んだ相手の手が、自分を死から引っ張り戻したのだから。

その記憶を抱えたまま、どうやって以前と同じように憎めばいいのか。

無理だよね。

だから第6話は、玲琳が慧月を救った話であると同時に、慧月の「玲琳を憎み続ける自由」を終わらせた回でもあると思っています。

これから二人がすぐ仲良くなればいい、とは思いません。

むしろ、簡単には仲良くなれないからこそ見たい。

恨み。

嫉妬。

罪悪感。

憧れ。

そして、自分を救った相手への感情。

全部混ざったままでもいい。

慧月には、玲琳ではなく慧月として生きてほしい。

そして玲琳にも、「強いから大丈夫」で済ませず、誰かに助けてもらえる人であってほしい。

この二人がいつか互いの身体ではなく、互いの人生を返し合える日が来るのなら。

そのとき初めて、本当の意味での「とりかえ伝」が完成するのではないでしょうか。


『ふつつかな悪女』6話への反応と今後の注目ポイント

第6話では、破魔の弓を引き続ける玲琳の姿や、尭明の普段とは異なる表情・装いなどにも反響が集まりました。

ABEMA TIMESは8月17日付の記事で、髪を下ろして登場した尭明について視聴者から好意的な反応が上がったことを紹介しています。また、ユーザーから提示されたニコニコの第6話ページでは、8月17日時点の表示として再生1.3万、コメント2,128、いいね461が確認できます。

ただ、第6話で今後もっと重要になりそうなのは、派手な場面そのものではありません。

秘密を共有する人間が増え始めることです。

これまで入れ替わりは、玲琳と慧月の二人を隔てる壁でした。

真実を言えない玲琳。

本物の玲琳になりきろうとする慧月。

そのため周囲との関係も、「偽物の姿を前提とした関係」になっていました。

ところが冬雪が真実へ到達すると、この閉じた構造に初めて穴が開きます。

誰か一人でも玲琳を玲琳として認識してくれるなら、玲琳はもう完全に孤独ではありません。

同時に、慧月も秘密の中へ逃げ続けられなくなる。

そして第7話では、冬雪だけでなく「玲琳への贈り物に仕込まれた呪い」と、皇后・絹秀と朱貴妃・雅媚の過去にも焦点が移ることが公式に予告されています。

ここからは、個人同士の嫉妬だけではなく「黄家と朱家」「親世代」「雛宮そのもの」の関係が絡んでくる可能性があります。

第6話冒頭で残された雅容の謎。

玲琳を襲った異常な高熱。

香炉の異変。

玲琳に贈られた物。

そして絹秀と雅媚の過去。

点だったものが、少しずつ一本の線へ近づいています。

個人的には、「慧月が悪女だったから事件が起きた」という最初の物語が、ここから完全に反転していくのではないかと見ています。

慧月は確かに過ちを犯しました。

そこをなかったことにしてはいけない。

しかし、慧月があそこまで追い詰められた背景や、彼女を玲琳と比較し続けた環境、さらに後宮で進んでいる別の陰謀まで見えてくると、「悪女」という一語で彼女を切り捨てることもできなくなります。

タイトルにある「ふつつかな悪女」は、誰を指しているのか。

第6話を見終えた今、その問い自体が最初とは違って見えてきました。


まとめ|『ふつつかな悪女』6話は二人の「入れ替わり」が心にまで届いた回

『ふつつかな悪女』第6話「死なせたりしない」では、玲琳の身体に入った慧月が原因不明の高熱で命の危機に陥り、慧月の身体に入った玲琳が彼女を救うため、一晩中破魔の弓を引き続けました。

この出来事によって、玲琳と慧月は単純な加害者と被害者ではいられなくなります。

玲琳は、自分を陥れた慧月を「死なせたくない相手」として救った。

慧月は、自分が羨み続けた玲琳の身体が抱えてきた苦しさを知った。

尭明は「玲琳の姿」と「玲琳らしさ」の食い違いに揺さぶられ、冬雪はついに慧月の姿の中に本物の玲琳を見つけ始めます。

さらに、存在しない雅容、約1か月前になくなった簪、異常な高熱、破魔の弓と連動するように変化した香炉が、後宮に別の悪意が潜んでいることを示唆しています。

第7話では冬雪が入れ替わりを悟り、玲琳への贈り物にかけられた呪いへ踏み込むことも公表済みです。

でも、第6話を振り返って僕の胸に一番残るのは、やはり謎ではありません。

血がにじんでも弓を離さなかった玲琳です。

綺麗な友情と呼ぶには、まだ二人の間には傷が多すぎます。

慧月は玲琳を傷つけた。

玲琳も、その事実を忘れたわけではないでしょう。

それでも死なせない。

感情に名前をつけるより先に、手を伸ばす。

その選択だけで、もう十分なんじゃないかな。

どうか慧月が、誰かになるためではなく、自分として生きたいと思える日が来てほしい。

そして玲琳にも、誰かを救うために自分を壊さなくていい日が来てほしい。

第6話は、身体を取り替えた二人が初めて、互いの痛みまで取り替え始めた回だったのだと思います。


よくある質問

『ふつつかな悪女』6話のタイトルは?

第6話のタイトルは「死なせたりしない」です。2026年8月16日にテレ東系列で放送され、玲琳の身体に入った慧月の命を救うため、慧月の身体にいる玲琳が破魔の弓へ挑む展開が描かれました。

第6話で冬雪は玲琳と慧月の入れ替わりに気づいた?

第6話ラストで冬雪が真実へ近づいたことが示されます。さらに8月21日に公開された第7話公式あらすじでは、「二人の入れ替わりを悟る冬雪」と明記されているため、次回では冬雪が真相を認識した状態から物語が進みます。

玲琳の高熱はただの病気だった?

第6話だけでは原因の全貌は確定していませんが、香炉の異変など不自然な描写がありました。第7話の公開済みあらすじでは、玲琳の身体にいる慧月が自分への贈り物に「呪い」がかけられていることに気づくと示されており、通常の体調悪化だけではなかった可能性が高まっています。

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