『正反対な君と僕』平がかっこいい理由|ノーセット・笑顔・私服に見るイケメン像

平がかっこいい理由は、髪形や服装の完成度より、隠してきた素顔がふと見える瞬間にあります。

原作では、第41話の濡れた髪、第47話の我慢をやめた笑い方、第40話のモッズコート姿など、具体的な場面を通して平の外見と内面の変化が描かれています。

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『正反対な君と僕』平がかっこいい理由とは?

『正反対な君と僕』の平がかっこいい最大の理由は、見た目を整える努力と、自分を肯定できない内面が同居していることです。

TVアニメ公式サイトでは、平は鈴木や谷のクラスメイトで、斜に構えた性格の男子と紹介されています。自分に自信を持てず、周囲と比較して気にしたり落ち込んだりする人物です。

ただし、平は外見に無関心なキャラクターではありません。

原作第35話「ピエロ」では、中学時代の服装をからかわれた経験と、その後に服装や髪形を研究して現在の姿へ変わった経緯が描かれています。平の整った印象は、生まれつきの容姿だけで完成したものではなく、傷ついた後に身につけた努力の結果なのです。

ここが、とても重要だと思います。

平の髪形や私服は、単なるキャラクターデザインではありません。それらは、中学時代の自分から離れ、新しい人間関係の中で生き直そうとした彼の「防具」でもあります。

けれど、どれだけ外見を整えても、本人の内側には「本当の自分を知られたら失望される」という恐れが残っています。

だからこそ、髪が崩れたとき、笑い方を隠さなかったとき、休日の服を誰かに褒められたときに、平の物語は大きく動くのです。

まずは、タイトルに挙げた場面を整理しておきましょう。

注目ポイント 原作の主な場面 かっこよく見える理由
ノーセットに近い髪形 第6巻・第41話「寒暖差」、第8巻・第65話 作り込んだ印象が薄れ、努力を楽しめるようになる変化が見える
笑顔 第4巻・第27話、第6巻・第47話、第7巻・第55話 笑い方を隠してきた背景を知るほど、表情の変化が強く響く
私服 第5巻・第40話「初詣」、第7巻・第56話「右往左往」 制服では見えない本人の美意識と生活感が表れる
イケメン像の原点 第5巻・第35話「ピエロ」 過去に傷つきながら、自分なりに外見を研究した努力が分かる

なお、「ノーセット」は原作や公式プロフィールで使われている設定名ではありません。

読者が、普段より前髪の動きが抑えられた姿や、濡れて輪郭が変わった髪形、卒業後のウェットなスタイルをまとめて「ノーセットっぽい」と表現しているものと考えるのが正確です。


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『正反対な君と僕』平のノーセット姿は何巻・何話?

平の「ノーセット姿」として最も近い場面は、第6巻収録の第41話「寒暖差」です。

第41話では、雨の中を走ったことで平の髪が濡れ、普段とは異なる髪形になります。そこで東は、濡れた髪の印象を否定するのではなく、新しいスタイリングとして肯定的に捉えます。

第41話「寒暖差」では濡れた髪を東が肯定する

第41話は、平の外見と自己評価のずれが、かなり鮮明に表れた回です。

雨に降られた平と東は、濡れた状態で電車に乗ります。普段きちんと作られている平の髪形も崩れ、顔の輪郭や眉がいつもより見えやすくなります。

東は、その姿をからかうのではありません。

むしろ、濡れた髪を生かしたスタイルを提案し、平が高校に入ってから服装や外見を変えるために努力してきたことも肯定します。平が「変わったこと」を、高校デビューとして嘲笑するのではなく、本人が積み重ねた努力として見ているのです。

平にとって、これは簡単に受け取れる言葉ではありません。

外見を変えた理由の根には、中学時代の苦い経験があります。本人は「昔の自分を隠すために整えている」という感覚を、完全には捨てられていないのでしょう。

そのため、髪形を褒められても、素直に喜ぶより先に戸惑います。

しかし読者の側から見ると、この濡れ髪には二つの魅力が重なっています。

一つは、前髪が落ちて普段より無防備に見えるという、純粋なビジュアル上の変化です。

もう一つは、崩れた姿を見られても、東が平を低く評価しなかったという物語上の意味です。

つまり、第41話の平がかっこよく見えるのは、髪が濡れて顔立ちが強調されたからだけではありません。

外見という防具が一時的に崩れたのに、人間関係までは崩れなかった。

この安心が、雨上がりの空気のように場面全体へ広がっているからです。

第65話では東の提案を取り入れた髪形になる

第41話の髪形に関する会話は、その場限りの小ネタでは終わりません。

第8巻収録の最終第65話では、高校卒業後の平が、それまでとは異なる黒髪のウェットなスタイルで描かれています。読者の間では、第41話で東が提案した髪形を平が取り入れた場面として受け止められています。

もちろん、作中で平自身が「東に言われたからこの髪形にした」と説明するわけではありません。

それでも、第41話での提案と最終話のデザインを並べると、そこには明確なつながりを感じます。

かつての平は、他人の評価に傷つかないために外見を整えていました。

ところが最終話の髪形は、自分を隠すためだけではなく、誰かが見つけてくれた可能性を、自分なりに楽しんでいるようにも見えます。

ここに、平の大きな変化があります。

同じ「髪を整える」という行為でも、出発点が恐怖なのか、好奇心なのかで意味はまったく違う。

個人的には、最終話の平は急に自信満々になったのではなく、「これも悪くないか」と試せるところまで来たのだと読んでいます。

その小さな余裕が、何よりかっこいい。

髪形だけを画像で見れば、落ち着いた雰囲気のイケメンです。しかし、第35話や第41話を知った後に見ると、その髪には高校生活で受け取った肯定が一本ずつ編み込まれているように感じられます。

原作を順番に読む価値は、こういうところにあります。

最終話の数コマだけを見ても髪形の変化は分かりますが、第41話の雨、第35話の過去、東の何気ない言葉まで知っていると、その変化が「おしゃれ」から「回復」へ変わるのです。


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『正反対な君と僕』平の笑顔は何巻・何話?

平の笑顔を語るうえで外せないのは、第4巻収録の第27話と、第6巻収録の第47話「ひねくれ者の進行」です。

第27話では、周囲が声を上げて喜ぶ場面でも、平は口角を指で押し上げるような控えめな表情を見せます。

そして第47話では、東から笑い方を我慢していることを指摘され、平がその理由を打ち明けます。最後には東の豪快な笑いにつられ、自分の笑い方を隠さずに笑う姿が描かれました。

第27話では笑顔を小さく抑えている

第27話の平は、修学旅行を楽しむ友人たちの近くにいながら、喜び方を大きく外へ出しません。

周囲が分かりやすく盛り上がる中、平は一人だけ口角を上げるような笑い方をしています。楽しんでいないわけではなく、楽しさをそのまま表に出さないのです。

この時点では、読者は「平らしい控えめなリアクション」として見ることもできます。

しかし、第47話を読んだ後では印象が変わります。

笑顔が小さいのは、単にクールな性格だからではありません。

平は過去に自分の笑い方を否定された経験があり、それ以来、声を出して笑うことを無意識に抑えるようになっていました。

誰かに一度笑われた記憶が、何年も後まで表情の筋肉を縛っている。

それは大げさな傷ではないように見えるかもしれません。けれど、日常の何気ない一言ほど、逃げ場のない場所へ深く残ることがあります。

平のかっこよさを「無表情でクール」とだけ捉えると、この部分を取りこぼします。

彼の静かな表情は、生まれつきの余裕ではなく、傷つかないために身につけた制御でもあるのです。

第47話では笑い方を隠さず東に見せる

第47話では、山田と西の関係が進んだことを友人たちが祝います。

その様子を見ていた東は、平が笑いそうになるたびに、笑いを抑えていることに気づきます。

東に指摘された平は、小学生の頃に笑い方を否定された経験を話します。これまで自分の弱さを言葉にすることが苦手だった平が、東にはその記憶を打ち明けるのです。

ここで注目したいのは、東が無理に「気にする必要はない」と説得しないことです。

過去の言葉を簡単に消すことはできません。笑い方を否定された本人に、「そんなの気にしすぎ」と言っても、傷の存在まで否定することになってしまいます。

東は、平を傷つけた相手に腹を立てます。

そして、自分が以前、平の言葉によって救われたことを伝えます。

平は完全に吹っ切れたわけではありません。けれど最後には、東の大きな笑い声につられ、自分の引き笑いを隠さずに声を上げます。

この瞬間の平は、本当にかっこいい。

表情が整っているからではありません。

自分が恥ずかしいと思ってきた部分を、信頼できる相手の前で一瞬だけ隠さなかったからです。

笑顔は、顔の形だけを見れば柔らかな表情です。

しかし平の場合、その奥には「笑ったら変に思われるかもしれない」という警戒があります。その警戒を越えた笑顔だからこそ、一つの表情に長い時間が折り畳まれています。

私は、平の笑顔を「レアだから魅力的」とだけ説明したくありません。

珍しさは、確かに視覚的なギャップを生みます。

けれど本当に胸を打つのは、彼が笑える場所をようやく手に入れたことです。

第55話では東を見つけて安堵する表情を見せる

第7巻収録の第55話「未定/暫定/確定」にも、平のかっこよさがよく表れた表情があります。

人影にぶつかりそうになった平は相手を支え、それが東だと分かると、緊張がほどけたような表情を見せます。第49話の別れ際に見せた硬い表情と比べると、東に対する警戒や気まずさが薄れ、安心が先に出ていることが分かります。

この場面は、大きく笑っているわけではありません。

それでも、平の表情を追ってきた読者には、わずかな緩みが強く響きます。

東だから安心した。

その事実を、平自身がどこまで理解しているかは分かりません。

しかし、理解より先に顔が答えてしまっている。言葉で自分を守ることに長けた平だからこそ、考える前に現れた表情には嘘がありません。

これもまた、平の「無自覚なかっこよさ」です。

相手に好かれるために作った笑顔ではない。

安心した心が、ほんの少しだけ顔に漏れてしまった。

そんな無防備さがあるから、平の表情は派手な決め顔よりも深く残るのでしょう。

※画像はAIによるイメージ

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『正反対な君と僕』平の私服は何巻・何話?

平の私服を具体的に確認しやすいのは、第5巻収録の第40話「初詣」と、第7巻収録の第56話「右往左往」です。

第40話では初詣へ出かけた平がモッズコートを着ており、東から服について声をかけられます。

第56話では、自習室で勉強する平と東が、制服よりもラフな格好で描かれています。

第40話「初詣」のモッズコート姿

第40話「初詣」では、冬休み中の平たちが神社へ出かけます。

平は制服ではなくモッズコート姿で登場し、東はそのコートに気づいて、どこで手に入れたのかを尋ねます。さらに、平が服を好きなのかという話題にもつながります。

この場面では、私服そのものだけでなく、褒められたときの平の反応が重要です。

東は、現在の平がおしゃれになったことを素直に評価しています。

ところが平は、「高校に入ってからいろいろあった」という背景を意識し、どこか居心地の悪そうな反応を見せます。

本人にとって、服装の変化は中学時代と切り離せません。

第35話では、七分袖の服装をめぐって中学生時代の平がからかわれた経験が描かれています。周囲から容姿を持ち上げられながら、性格や服装を材料に笑われるという、逃げ場のない扱いを受けていました。

その後、平は服について調べ、自分の見せ方を変えています。

だから第40話のモッズコートは、ただ似合う冬服というだけではありません。

それは、他人の言葉に傷つけられた少年が、自分の輪郭をもう一度組み立てた証拠です。

ただし、ここには苦さも残っています。

外見を褒められた平は、それを「自分のセンスが認められた」とまっすぐ受け取れません。

以前の自分を否定された結果として得た姿なのだから、褒め言葉が過去の痛みまで連れてきてしまうのです。

それでも東は、高校デビューを悪いこととして扱いません。

変わろうとしたことを努力として見る。

現在の平を褒めながら、過去の平を笑わない。

この視線があるため、第40話の私服姿には単なるファッション以上の温度があります。

モッズコートが平をかっこよく見せているのは確かです。

しかし本当に注目したいのは、その服を選べるようになるまでに、平が自分なりに考え、調べ、試してきたことです。

「何を着ても似合うイケメン」ではない。

似合うものを探すために、傷つきながら歩いてきた。

その過程を知ると、私服の一着が急に重く、まぶしく見えてきます。

第56話「右往左往」のラフな私服姿

第56話「右往左往」では、自習室を利用する平と東が、学校の制服ではないラフな服装で描かれています。

第56話は第7巻に収録されており、東が平への気持ちを自覚していく流れの中に置かれたエピソードです。

制服姿の平は、学校という集団の中にいる人物です。

友人との距離、クラス内での立ち位置、過去の自分を知られたくない気持ち。平が抱える自意識の多くは、学校という空間と結びついています。

一方、自習室での私服姿には、学校の枠から少し離れた生活感があります。

服装がラフになると、普段の鋭さや構えた印象が弱まり、年相応の青年らしさが前に出ます。

ただ静かに勉強しているだけなのに、制服姿より距離が近く感じられる。

これが、私服の持つ力です。

制服は所属を示しますが、私服は選択を示します。

色や形が派手かどうかだけではありません。自分が落ち着ける服をどう選んでいるかに、その人物の日常が現れます。

平は、自分の内面を積極的に説明する人物ではありません。

だから彼の私服は、言葉の代わりに「学校の外でどう過ごしているのか」を教えてくれます。

第40話のモッズコートは、努力して作った外向きのスタイルという印象が強い場面でした。

それに対して第56話のラフな姿は、誰かに見せるための完成形というより、日常の中で力を抜いている平に近い。

この二つを並べると、同じ私服でも意味が違うことが分かります。

モッズコートには「選んだかっこよさ」がある。

自習室の服装には「暮らしているかっこよさ」がある。

どちらも平ですが、見えてくる距離が違うのです。

第35話「ピエロ」を読むと私服の意味が変わる

平の私服が好きな人にこそ、確認してほしいのが第35話「ピエロ」です。

第35話は第5巻に収録され、平の中学時代と、現在の外見へつながる背景が描かれています。第5巻には第32話から第40話までが収録されています。

この回を読む前と後では、平のおしゃれに対する印象が大きく変わります。

読む前は、「落ち着いた服が似合う」「雰囲気のあるイケメン」という感想で終わるかもしれません。

読むと、その服装が過去への抵抗であり、自分を作り直す作業だったと分かります。

平は自信があるから服に気を使うのではありません。

むしろ、自信を失った経験があるから、どう見られるかを考え続けました。

その結果として洗練された姿になったのに、本人だけは、その努力を自分の価値として数えられていません。

ここが切ない。

そして、ここがかっこいい。

「何もしなくても完成されている人」より、「傷ついた後で自分を立て直そうとした人」のほうが、私は強く見えます。

平の私服には、その静かな踏ん張りがにじんでいるのです。


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平のノーセット・笑顔・私服がイケメンに見える理由を考察

ここからは、原作の場面を踏まえた筆者の考察です。

平のノーセットに近い髪形、笑顔、私服には、一つの共通点があります。

それは、周囲に評価されるために作った平と、誰かを信頼しているときの平の境界が見えることです。

平の外見はコンプレックスを隠す「防具」だった

平は、高校へ入ってから服装や髪形を変えています。

外から見れば、それは成功した高校デビューです。落ち着いた雰囲気があり、私服も似合い、友人たちの中に自然に溶け込んでいます。

しかし本人は、新しい姿を完全には信用していません。

現在の自分が受け入れられているのは、本当の自分を知られていないからだと考えてしまいます。

そのため、平の整った外見には、二つの方向性があります。

  • 自分の好きな服や髪形を楽しもうとする気持ち
  • 昔の自分を知られないよう守ろうとする気持ち

この二つが重なっているから、平のおしゃれは単純な自己表現になりません。

楽しんでいるはずなのに、褒められると過去を思い出す。

変わったはずなのに、「調子に乗っていると思われるかもしれない」と怖くなる。

平の外見には、前へ進む足と、後ろへ引く足が同時に映っています。

だから目が離せないのでしょう。

ノーセットは「崩れても嫌われない」と知る場面

第41話で髪が濡れた平は、普段より整っていない状態です。

それでも東は否定せず、むしろ新しい髪形として褒めます。

平にとって大切なのは、「濡れ髪も似合う」と言われたことだけではありません。

整えていない部分が見えても、相手の態度が変わらなかったことです。

人は、傷ついた経験があるほど、欠点を隠すことに力を使います。

声、笑い方、服装、過去の友人関係。

一つでも知られたら、今の居場所を失うのではないかと考えてしまう。

けれど平は、高校生活の中で少しずつ、崩れた姿を見せても関係が終わらないことを知ります。

髪形が崩れても、東は笑わない。

笑い方を見せても、東は離れない。

昔の自分を知っていても、東は現在の努力を認める。

こうして考えると、ノーセットに近い姿がかっこよく見えるのは、無防備だからです。

ただし、その無防備さは偶然ではありません。

信頼が積み重なった結果、ようやく生まれた隙なのです。

笑顔は「自分を隠さなくていい」という合図

平の笑顔は、単なるギャップ効果では説明しきれません。

無表情な人物が笑えば、誰でも魅力的に見えるわけではないからです。

平の場合、笑わない理由が作品内で描かれています。

過去に否定された経験があり、笑い方を抑える癖がついた。

その事実を知ったうえで第47話の笑顔を見ると、表情の意味が変わります。

彼は笑い方を克服したわけではありません。

過去の記憶が消えたわけでもない。

ただ、その瞬間だけは、自分を評価する視線より、東と一緒に笑う楽しさが勝ったのです。

これは、とても大きい。

平は頭の中で物事を言語化し、悪い可能性を先回りして考えます。平役の加藤渉さんも公式コメントで、平は感じたことを脳内で言語化し、自分が傷つかないように予防線を張る人物だと捉えています。

そんな平の思考が、笑いによって一瞬途切れる。

考える前に声が出る。

警戒する前に表情が崩れる。

だから、第47話の笑顔は平のビジュアルを語るうえで欠かせません。

顔立ちの美しさよりも先に、心が自由になったことが見えるからです。

私服は平が自分で選び直した人生の一部

私服は、その人物が何を選ぶかを映します。

平の場合、選ぶという行為そのものに意味があります。

中学時代の平は、周囲の評価によって自分の位置を決められていました。

服装や笑い方をからかわれ、現在の自分まで低く見積もるようになります。

しかし高校に入った平は、服を研究します。

似合うものを探し、髪形を変え、新しい人間関係の中へ入っていきます。

最初の動機には、周囲から悪く見られたくないという恐れもあったでしょう。

それでも、選び直したこと自体は平の行動です。

誰かが平を一方的に変えたのではありません。

傷ついたまま立ち止まらず、自分なりの方法で次の場所へ進んだ。

その行動が、現在のモッズコート姿やラフな私服姿につながっています。

だから平の私服には、ブランド名や価格では測れないかっこよさがあります。

一着の服の向こう側に、「以前とは違う自分でいたい」と願った時間が見えるのです。

平の本当のかっこよさは未完成であること

平は、自分の魅力を理解して堂々と振る舞うタイプではありません。

褒められれば疑い、好意を感じれば勘違いではないかと考え、安心できる場所にいても「本当の自分が知られていないからだ」と理由をつけます。

けれど、完全に変わっていないからこそ、外見の小さな変化が響きます。

濡れた髪を否定されなかった。

笑い方を見せても嫌われなかった。

私服を努力として認めてもらえた。

こうした経験が一つずつ積み重なり、最終話の新しい髪形へつながっていく。

劇的な変身ではありません。

誰かの一言ですべてのコンプレックスが消えるわけでもない。

それでも平は、以前なら選ばなかった髪形を選び、以前なら隠した笑い方を見せ、以前なら避けたかもしれない関係を残そうとします。

この歩幅が、現実的でいいんです。

強くなったからかっこいいのではない。

弱さを残したまま、選択を少しずつ変えられるようになったからかっこいい。

平のノーセット、笑顔、私服は、その変化を目で確認できる記号なのだと思います。


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まとめ|平は「素の自分」を見せられるほどかっこよくなる

『正反対な君と僕』の平がかっこいい理由は、整った顔立ちだけではありません。

第6巻・第41話「寒暖差」では、雨に濡れて普段の髪形が崩れた平を東が肯定し、その提案は第8巻・第65話の新しい髪形へつながるように描かれています。

第4巻・第27話では笑顔を小さく抑えていましたが、第6巻・第47話では笑い方を隠してきた理由を東に話し、最後には声を上げて笑います。

第5巻・第40話ではモッズコート姿、第7巻・第56話では自習室でのラフな服装が描かれ、制服とは異なる平の日常や美意識が見えてきます。

そして、それらの原点にあるのが、第5巻・第35話で明かされる中学時代の経験です。

平は、何もしなくても完璧なイケメンではありません。

傷ついた経験から服や髪形を研究し、笑い方を隠し、他人に失望されない姿を作ろうとしてきました。

だからこそ、その姿が少し崩れた瞬間に、本当の魅力が現れます。

濡れた髪。

抑えきれなかった笑い声。

休日に自分で選んだコート。

どれも派手な告白や決めぜりふではありません。

けれど平という人物を追ってきた読者には、その小さな変化が「もう少し自分を好きになってもいい」という兆しに見えます。

平の本当のイケメン像は、完成された外見の中だけにはありません。

隠してきた自分を誰かに見せ、それでも関係が続くと知っていく過程。

そこにこそ、平がかっこいいと感じられる最大の理由があるのだと思います。


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よくある質問

平のノーセット姿は何巻・何話ですか?

「ノーセット」は公式名称ではありませんが、最も近い場面は第6巻収録の第41話「寒暖差」です。雨で髪が濡れ、普段とは異なる髪形になった平に、東が新しいスタイリングを提案します。

第8巻収録の第65話では、平がウェット感のある新しい髪形で描かれており、第41話の会話を踏まえた変化と解釈できます。

平が笑い方を隠している理由は何ですか?

第6巻収録の第47話「ひねくれ者の進行」で、平は子どもの頃に笑い方を否定された経験を東へ話します。

その影響で声を上げて笑うことを無意識に抑えていましたが、同話の最後では東につられ、自分の笑い方を隠さずに笑っています。

平の私服が見られるのは何巻ですか?

代表的なのは第5巻収録の第40話「初詣」です。平はモッズコート姿で登場し、東から服について褒められます。

また、第7巻収録の第56話「右往左往」では、自習室で勉強するラフな私服姿を確認できます。私服の背景まで知りたい場合は、第5巻の第35話「ピエロ」も重要です。

執筆:相沢 透(あいざわ)

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