『鬼の花嫁』の原作小説はどれ?野いちご・ノベル版・ライトノベルの違い

『鬼の花嫁』の原作小説・野いちごジュニア文庫版・コミック版を机に並べて読み比べる読者 アニメ漫画

『鬼の花嫁』の原作小説は、クレハさん著のスターツ出版文庫版が中心です。

ただし検索すると、「野いちごジュニア文庫版」「ノベル版」「ライトノベル」「ノベライズ」「コミック版」まで並ぶので、初めて追う人ほど迷いやすいんですよね。アニメや映画、コミカライズから入った読者にとっては、「結局どの本を読めば本筋が分かるの?」というところが、最初の大きな分かれ道になります。

この記事では、『鬼の花嫁』の原作小説はどれなのか、野いちごジュニア文庫版・ノベル版・ライトノベル・コミック版の違いを、2026年時点で確認できる書籍情報をもとに整理します。

作品の入口を間違えると、柚子と玲夜の運命の出逢い、その後の前世・神子・あやかしの本能といった深い伏線の味わい方が少し変わります。ここ、地味だけど大事です。物語の温度は、どの版から入るかでかなり違って見えるから。

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『鬼の花嫁』の原作小説はどれ?クレハさん著のスターツ出版文庫が本筋

『鬼の花嫁』の原作小説としてまず押さえるべきなのは、クレハさん著、白谷ゆうさんイラストのスターツ出版文庫版です。

代表的な最初の1冊は『鬼の花嫁~運命の出逢い~』で、配信開始日は2020年11月2日、出版年月は2020年10月とされています。物語の始まりである柚子と鬼龍院玲夜の出逢い、家族にないがしろにされてきた柚子が「鬼の花嫁」として見出される流れは、このスターツ出版文庫版で読むのが基本です。

作品の舞台は、人間とあやかしが共生する日本です。

あやかしの花嫁に選ばれることは、憧れであり名誉でもある世界。その中で、平凡な高校生・柚子は、妖狐の花嫁である妹と比較され、家族から大切にされない日々を送っていました。

そこに現れるのが、あやかしの頂点に立つ鬼・鬼龍院玲夜です。

「見つけた、俺の花嫁」という出逢いから、柚子の人生は大きく動き出します。ここだけ聞くと王道のシンデレラストーリーに見えますが、原作小説で読むと、柚子の戸惑い、自己肯定感の低さ、玲夜の愛が“救い”であると同時に“世界のルールそのもの”でもあることがじわじわ伝わってくるんです。

アニメやコミックは、表情や間の演出で一気に心を掴みに来ます。

一方で原作小説は、柚子がなぜすぐに幸せを受け取れないのか、玲夜の溺愛がなぜ単なる甘さではなく“存在証明”に近いのかを、文章の行間で読ませてくれます。私はここが、『鬼の花嫁』を原作で読む最大の意味だと感じています。

公式情報では、『鬼の花嫁』シリーズは累計750万部を突破した作品として紹介されています。さらに2026年7月4日(土)24:30からTOKYO MX、BS11ほか全国12局でTVアニメ放送開始とされ、2026年には実写映画化も展開されるなど、メディアミックスの広がりが非常に大きい作品です。

つまり『鬼の花嫁』は、ただの原作付きコミックではありません。

小説、コミック、アニメ、実写映画、朗読劇、ファンブックまで広がる大きなシリーズであり、その芯にあるのがクレハさんの原作小説です。


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『鬼の花嫁』野いちごジュニア文庫版とは?小中学生にも読みやすい別レーベル版

『鬼の花嫁』には、野いちごジュニア文庫版もあります。

こちらはクレハさん著、ニナハチさんイラストの小中学生向け児童文庫レーベル版として刊行されているものです。確認できる範囲では、『鬼の花嫁① 最強な彼と同居生活がはじまります』『鬼の花嫁② 柚子をめぐって大波乱!? 溺愛は止まらない』のようなタイトルで展開されています。

スターツ出版文庫版が、いわゆる原作小説の本流だとすると、野いちごジュニア文庫版は、より若い読者にも入りやすいように整理された入口と考えると分かりやすいです。

ここで大事なのは、「野いちご版だから別作品」というより、同じ『鬼の花嫁』の世界を、読者層に合わせて手に取りやすくした版という見方です。

タイトルにも「同居生活」「大波乱」「溺愛」といった分かりやすい言葉が入っており、初めて和風あやかし恋愛ファンタジーに触れる読者でも、物語の入口をつかみやすい作りになっています。

個人的には、野いちごジュニア文庫版は“物語の扉を開けるための明るい取っ手”のような存在だと思っています。

スターツ出版文庫版が、柚子の傷や玲夜の執着、あやかし社会の序列まで含めてじっくり沈んでいく読書体験だとすれば、野いちごジュニア文庫版は、まず「柚子が玲夜に見つけられる瞬間のときめき」を分かりやすく受け取れる入口です。

検索で「鬼の花嫁 野いちご」と調べている人は、おそらく「無料で読めるサイトの野いちごなのか」「書籍の野いちごジュニア文庫なのか」「原作と同じ内容なのか」が気になっているはずです。

ここは混同しやすいところですが、書籍として確認できる「野いちごジュニア文庫版」は、スターツ出版の児童文庫レーベルから出ている『鬼の花嫁』です。原作小説をしっかり追いたいならスターツ出版文庫版、読みやすさ重視で入りたいなら野いちごジュニア文庫版、という選び方が現実的です。


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『鬼の花嫁』ノベル版とライトノベルの違いは?呼び方が違うだけの場合も多い

「鬼の花嫁 ノベル」と「鬼の花嫁 ライトノベル」は、検索上ではかなり近い意味で使われています。

ピッコマでは『鬼の花嫁(ノベル)』として掲載され、ジャンルにはノベル、恋愛、女性向け、人外、映画化、高校生、アニメ化、スターツ出版文庫などの要素が表示されています。話読み形式では、プロローグや章ごとに分かれ、全391話という表示も確認できます。

一方、コミックシーモアやBOOK☆WALKERでは、『鬼の花嫁~運命の出逢い~』がライトノベル、またはラノベ・文芸小説のカテゴリで扱われています。

つまり、読者が検索で見る「ノベル版」と「ライトノベル」は、完全に別物というより、電子書店やサービス上の分類名の違いとして出てくることが多いです。

分かりやすく整理すると、次のようになります。

呼び方 主な意味 読む目的
原作小説 クレハさん著のスターツ出版文庫版が中心 物語の本筋を追う
ノベル版 ピッコマなどでの小説掲載・話読み形式の呼び方 スマホで少しずつ読みたい
ライトノベル 電子書店でのジャンル分類としての呼び方 書籍単位で読みたい
野いちごジュニア文庫版 小中学生向け児童文庫レーベル版 読みやすい入口として楽しみたい
コミック版 富樫じゅんさん作画のコミカライズ 絵で物語を追いたい

ここで注意したいのは、「ノベライズ」という言葉です。

映画やアニメをもとに小説化した作品を一般にノベライズと呼ぶことがありますが、『鬼の花嫁』の場合、少なくとも今回の元情報で中心にあるのは、映像作品を小説化したものではなく、クレハさんの小説が原作として存在している流れです。

そのため、「鬼の花嫁 ノベライズ」と検索している人は、実際には「原作小説」「ノベル版」「ライトノベル版」を探している可能性が高いです。

この言葉のズレ、すごく現代的だなと思います。

アニメ化・映画化で作品を知る人が増えると、「原作小説」と「ノベライズ」が検索上で混ざります。でも『鬼の花嫁』は、先に物語の根があり、そこからコミック、アニメ、実写映画へ枝が伸びているタイプの作品です。だから根元を知りたいなら、まず小説へ戻るのがいちばん自然です。


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『鬼の花嫁』本の順番は?原作小説・新婚編・短編集・エピソード0を整理

『鬼の花嫁』の本を読むときに迷いやすいのが、タイトルの多さです。

スターツ出版文庫の原作小説では、『鬼の花嫁~運命の出逢い~』から始まり、『鬼の花嫁二~波乱のかくりよ学園~』『鬼の花嫁三~龍に護られし娘~』『鬼の花嫁四~前世から繋がる縁~』『鬼の花嫁五~未来へと続く誓い~』と続きます。

その後は新婚編として、『鬼の花嫁 新婚編一~新たな出会い~』『新婚編二~強まる神子の力~』『新婚編三~消えたあやかしの本能~』『新婚編四~もうひとりの鬼~』『新婚編五~天狗からの求婚~』などが展開されています。

さらに、短編集やエピソード0もあります。

2026年3月27日には『鬼の花嫁エピソード0~それぞれの追憶~』が発売され、公式紹介では「それぞれの過去が語られる4つの短編」として、千夜と沙良の馴れ初め、若き玲夜の孤高の青春、花梨の幼少期から現在、初めて“花嫁”となった女性についての物語が収録されているとされています。

ここ、原作派としてはかなり大きいです。

本編だけを追っていると、柚子と玲夜の恋愛が物語の中心に見えます。もちろんそれは間違っていません。でもエピソード0や短編集に触れると、『鬼の花嫁』という作品が“ひと組の恋人の物語”ではなく、“あやかしと花嫁という制度に縛られ、救われ、時に傷つく者たちの群像劇”だったことが見えてきます。

※画像はAIによるイメージ

読む順番としては、初めてならまず本編の始まりである『鬼の花嫁~運命の出逢い~』から入るのが自然です。

その後、本編の続き、新婚編、短編集、エピソード0へ進むと、柚子と玲夜の関係だけでなく、あやかし社会の価値観や、周辺人物の痛みまで立体的に見えてきます。

とくに『鬼の花嫁四~前世から繋がる縁~』のように、前世や龍の因縁に触れる巻は、アニメやコミックだけでは一気に消化しきれない情報量があります。

文章で読むと、因縁が“設定”ではなく“記憶の重さ”として響くんです。桜の下に眠るもの、龍のみが知る過去、神力が強まる柚子の不安。こういう部分は、原作の言葉で触れたほうが、後の映像化を見たときに何倍も刺さります。


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『鬼の花嫁』コミック版との違いは?富樫じゅんさん作画で感情の見え方が変わる

『鬼の花嫁』には、富樫じゅんさん作画、クレハさん原作のnoicomi COMICS版があります。

公式情報では、電子コミックスや紙コミックスが展開され、2026年7月10日には『鬼の花嫁 10巻』特装版・通常版、さらに『鬼の花嫁 公式ファンブック』の発売が予定されています。コミックシーモアでは電子コミックスが先行配信され、noicomiの話売り形式でも展開されています。

コミック版の魅力は、なんといっても玲夜の圧倒的なビジュアルと、柚子の傷ついた表情が一瞬で伝わるところです。

原作小説では、柚子の心の揺れを内面から追います。一方、コミックでは、目線、沈黙、距離感、髪の揺れ、手の差し出し方で感情が伝わります。文字が心の奥に潜るなら、絵は心臓を直接つかみに来る。そんな違いがあります。

2025年12月26日に発売されたコミックス『鬼の花嫁 8巻』では、通常版に単行本限定の描き下ろし漫画2ページと書き下ろし小説6ページ、特装版には40ページの小冊子が付くと発表されました。特装版には描き下ろし漫画「玲夜のホワイトデー」や書き下ろしSS、カラーイラストなどが収録されるとされています。

こうした描き下ろし漫画や書き下ろし小説、小冊子、特典SSは、原作・コミックを追う読者にとって見逃しにくい要素です。

ただし、特典や配布状況、価格、在庫は書店や時期によって変わります。購入を検討する場合は、必ず各公式ページや店舗情報で最新状況を確認してください。

コミック版から入った人が原作小説へ戻ると、印象が変わる場面もあります。

たとえば、柚子が玲夜の愛を受け取るまでの時間。コミックでは「救われた」と見える場面でも、小説ではその前にある自己否定や怯えが細かく描かれます。つまり原作を読むと、柚子が幸せになることの重みが変わる。

玲夜の溺愛も同じです。

ただ甘いだけではなく、「なぜそこまで柚子を求めるのか」「花嫁とは何なのか」「あやかしにとって愛は本能なのか、選択なのか」という問いが浮かんできます。ここまで考え始めると、もう沼です。しかも、気づいたら自分から沈みに行っているタイプの沼。


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『鬼の花嫁』アニメ・映画化で原作小説を読む意味はどう変わった?

『鬼の花嫁』は、2026年に大きくメディア展開が進んでいます。

公式情報では、2026年7月4日(土)24:30からTOKYO MX、BS11ほか全国12局でTVアニメが放送開始。また2026年には実写映画化も展開され、映画は週間観客動員数実写映画第1位を獲得したと紹介されています。対象期間は興行通信社調べで3月27日から4月2日です。

さらに、2023年11月18日(土)・19日(日)には朗読劇『鬼の花嫁』も行われています。

ここまでメディア化されると、作品の入口はかなり増えます。

アニメから入る人、映画から入る人、コミック広告で知る人、ピッコマのノベル版で少しずつ読む人、コミックシーモアやBOOK☆WALKERでライトノベルとして探す人。それぞれ入口は違っていても、結局たどり着く疑問は同じです。

「原作では、どこまで描かれているの?」

この問いに対して、私はかなりはっきり言えます。

『鬼の花嫁』は、原作小説を読むほど、映像やコミックの見え方が変わる作品です。

※画像はAIによるイメージ

たとえば、柚子が家族から受けてきた扱いは、ストーリーの導入としてだけ置かれているわけではありません。

あれは、柚子が愛されることを信じられない理由であり、玲夜の言葉がなぜ彼女にとってまぶしすぎるのかを説明する根っこです。アニメではテンポのために流れていく感情も、小説では立ち止まって味わえます。

また、新婚編以降では、神子の力、消えた神器、あやかしの本能、もうひとりの鬼、天狗からの求婚など、恋愛だけではない要素が強まっていきます。

これは「溺愛もの」として読むだけでは少しもったいない。

『鬼の花嫁』は、あやかしの社会構造、人間との力関係、花嫁という制度、血筋や加護、前世から続く因縁まで含んだ和風ファンタジーです。甘い言葉の奥に、かなり冷たい運命の手触りがある。そこが面白いんです。

アニメだけで楽しむのももちろんありです。

でも、原作を読んでから見ると、ひとつの視線、ひとつの沈黙、ひとつの台詞の重さが変わります。知っている人だけが先に気づける伏線がある。この優越感は、原作読者だけの静かな特権だと思います。


『鬼の花嫁』公式ファンブックと特典情報で分かる原作小説の深さ

2026年7月10日には、『鬼の花嫁 公式ファンブック』の発売が予定されています。

公式紹介では、キャラクターの詳細プロフィール、あやかしが息づく世界観の解説、美麗イラストギャラリー、名場面すごろく、描き下ろし漫画、原作・クレハ先生の書き下ろし小説などが収録されるとされています。

このファンブック情報から見えてくるのは、『鬼の花嫁』がキャラクター人気だけでなく、世界観そのものを掘り下げる段階に入っているということです。

ファンブックが出る作品は、読者が「もっと知りたい」と思う余白を持っています。

玲夜の素顔、柚子の成長、花梨の背景、千夜と沙良、最初の花嫁、あやかし社会の仕組み。こうした要素は、単に本編の筋を追うだけでは拾いきれません。

また、原作小説やコミックスには、電子限定SS、文庫版限定の特別番外編、書き下ろし小説、小冊子などが付くことがあります。

たとえば、原作小説では『鬼の花嫁四~前世から繋がる縁~』『鬼の花嫁五~未来へと続く誓い~』『新婚編』の一部に電子限定SS付きとされるものがあります。新婚編では、猫又の花嫁に関する特別番外編や外伝が収録される巻もあります。

こういう“本筋の外側にある小さな物語”こそ、ファンにとってはかなり大事です。

なぜなら、キャラクターの本音は、巨大な事件の中よりも、日常の端にこぼれることがあるからです。

おまけページ、巻末のコメント、書き下ろしSS、特別番外編。そこにあるのは、物語を動かすための台詞ではなく、キャラクターが生きている感じです。柚子と玲夜が事件の主人公ではなく、日々を過ごすふたりとして見える瞬間がある。

これは、原作や書籍を追う人だけが拾いやすい温度です。

「読まないと損」と乱暴に言うつもりはありません。でも、アニメや映画で心を動かされた人が、原作小説や特典SSに触れたとき、「あの場面って、こんな感情だったのか」と遅れて胸を打たれる可能性はかなり高いと思います。


『鬼の花嫁』ノベル・野いちご・ライトノベルはどれから読むべき?

初めて『鬼の花嫁』を読むなら、目的別に選ぶのがいちばん分かりやすいです。

物語の本筋をしっかり知りたいなら、スターツ出版文庫版の原作小説『鬼の花嫁~運命の出逢い~』から読むのが自然です。

スマホで少しずつ読みたいなら、ピッコマなどのノベル版が向いています。話読み形式は、通勤・通学の短い時間でも進めやすいのが利点です。

読みやすさを優先したい、または小中学生向けの入口を探しているなら、野いちごジュニア文庫版が候補になります。

絵で一気に世界観に入りたいなら、富樫じゅんさん作画のコミック版が強いです。玲夜の圧、柚子の儚さ、あやかしの美しさが視覚的に届くので、作品の温度をつかみやすい。

ただし、深掘りしたいなら最終的には原作小説へ戻ってくるのがおすすめです。

なぜなら、『鬼の花嫁』の本当の面白さは、甘い台詞そのものではなく、その台詞が出るまでに積み重なった痛みと因縁にあるからです。

柚子が「自分は愛されていい」と思えるまでの時間。

玲夜が「花嫁」を見つけることの意味。

あやかしにとって本能と愛はどこで分かれるのか。

前世から続く縁は、祝福なのか、それとも逃れられない鎖なのか。

このあたりは、原作小説で読むと、ページの隙間からゆっくり立ち上がってきます。アニメの一瞬の表情で泣いた人ほど、小説では別の場所を刺されるはずです。


『鬼の花嫁』原作小説の考察:なぜ“版の違い”がこれほど重要なのか

筆者として『鬼の花嫁』を見ていて面白いのは、同じ物語なのに、版によって読者が受け取る主題が少し変わるところです。

スターツ出版文庫版で読むと、『鬼の花嫁』は柚子の回復の物語として立ち上がります。家族の中で居場所を持てなかった少女が、玲夜と出会い、守られ、愛され、やがて自分の足で立とうとしていく。その過程が、甘さだけでなく痛みを伴って描かれます。

野いちごジュニア文庫版で読むと、運命の出逢いと溺愛の分かりやすさが前に出ます。これは悪い意味ではありません。むしろ、若い読者にとって「自分を大切にしてくれる存在に出会う物語」として届きやすい形になっていると考えられます。

ノベル版やライトノベル版として電子書店で読む場合は、作品との距離がさらに日常的になります。

少しずつ読む。気になる場面で止まる。レビューを見て、他の読者の反応と重ねる。今の読書体験は、紙の本を順番に読むだけではなく、サービスごとの読み方によって物語の入り方が変わります。

そしてコミック版では、富樫じゅんさんの絵によって、玲夜の美貌や柚子の表情が強く印象づけられます。

『鬼の花嫁』がここまで広がった理由のひとつは、物語の核がとても分かりやすいからです。冷遇された少女が、最強の存在に見出される。これは古典的なシンデレラ構造です。

でも、それだけなら長く愛される作品にはなりにくい。

『鬼の花嫁』の強さは、シンデレラの先に、あやかし社会、花嫁制度、血筋、加護、前世、神子、神器といった要素を重ねているところにあります。恋愛の甘さを入口にして、奥へ進むほど世界の仕組みが見えてくる。

これはアニメ・漫画文化の中でも、かなり強い構造です。

最初は「玲夜、かっこいい」「柚子、幸せになって」と思って読み始める。でも気づけば、「花嫁って本当に祝福だけなの?」「あやかしの本能が消えたとき、愛は残るの?」「前世の縁は今の柚子の意思を縛らないの?」と考えている。

この問いが生まれた時点で、読者はもう作品の内側に入っています。

私見ですが、『鬼の花嫁』をいちばん深く楽しむ順番は、コミックやアニメで感情を掴まれたあと、原作小説で心情と伏線を確認し、短編集やエピソード0で周辺人物の痛みを拾う流れです。

入口はどこでもいい。

でも、出口を急がないほうがいい作品です。柚子と玲夜の物語は、甘い言葉の表面だけをすくうより、その奥に沈んだ“届かなかった想い”まで拾ったほうが、ずっと長く残ります。


『鬼の花嫁』原作小説・野いちご・ノベル版のまとめ

『鬼の花嫁』の原作小説は、クレハさん著、白谷ゆうさんイラストのスターツ出版文庫版が中心です。

野いちごジュニア文庫版は、小中学生向けにも手に取りやすい別レーベル版で、ニナハチさんのイラストによって展開されています。ノベル版やライトノベルという呼び方は、ピッコマ、コミックシーモア、BOOK☆WALKERなど電子書店・配信サービス上の分類として使われることが多く、必ずしもまったく別の作品を指すわけではありません。

コミック版は富樫じゅんさん作画で、視覚的な魅力が強い入口です。

一方で、柚子の心情、玲夜の愛の意味、前世や神子、あやかしの本能といった深いテーマまで追いたいなら、原作小説を読む価値はかなり大きいです。

アニメや映画で『鬼の花嫁』を知った人ほど、原作に戻ると「あの場面は、こういう痛みの上にあったのか」と見え方が変わります。

どの版から入っても大丈夫です。

ただ、柚子と玲夜の物語を本当に味わうなら、最後はやはり原作小説の言葉に触れてほしい。ページの奥で、アニメだけでは聞こえなかった小さな心の声が、ちゃんと待っています。


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よくある質問

『鬼の花嫁』の原作小説はどれですか?

『鬼の花嫁』の原作小説は、クレハさん著、白谷ゆうさんイラストのスターツ出版文庫版が中心です。最初に読むなら『鬼の花嫁~運命の出逢い~』から入るのが自然です。

『鬼の花嫁』野いちごジュニア文庫版は原作と違いますか?

野いちごジュニア文庫版は、同じ『鬼の花嫁』の世界を小中学生向けにも読みやすくしたレーベル版と考えると分かりやすいです。イラストはニナハチさんで、スターツ出版文庫版とは見せ方や入口の印象が異なります。

『鬼の花嫁』ノベル版とライトノベル版は別物ですか?

多くの場合、ノベル版やライトノベル版はサービス上の呼び方やジャンル分類の違いです。ピッコマではノベルとして話読み形式、コミックシーモアやBOOK☆WALKERではライトノベル・ラノベとして書籍単位で扱われています。

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